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ドリトル先生と森の狼達

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第十一幕その九

「まあ僕はあのシリーズは二度と読まないよ」
「じゃあアニメとか特撮とか」
「そういうのを素直に観た方がいいんだね」
「そっちの方がずっと科学的」
「そういうことだね」
「そう思うよ、そうしたものを素直に観て」 
 そしてというのです。
「夢を膨らませる、ひねくれて観るんじゃなくてね」
「そうした人みたいに」
「そうしなくてだね」
「素直に純粋に観て」
「そうしてなんだ」
「うん、楽しんでね」
 そしてというのです。
「夢を膨らませてどうすれば実現出来るのか」
「それを考えること」
「そのことがなんだ」
「科学の第一歩」
「そうなんだね」
「そうだよ、科学は夢なんだ」
 そこからはじまるというのです。
「否定からはじめるものじゃないよ」
「それは生物学もですね」 
 ここでトミーは先生に今回のことをお話しました。
「そうですね」
「うん、ニホンオオカミ君達も」
「いないと頭から否定するんじゃなくて」
「ひょっとしたら、って思って」
「探すべきなんだ」
「否定は何も生まないですね」
「懐疑はいいよ」
 疑うことはというのです。
「果たしているのか、出来るのか」
「そして考えて進歩していくからですね」
「あのシリーズみたいに嘲笑したら何も生まないよ」
「面白くない本が生まれるだけですね」
「全くだよ」
「つまり僕の食事にもならない」
「そういうことだね」
 ここで言ったのはオシツオサレツでした。
「僕は紙も食べるけれど」
「本は紙で出来ているけれど」
「そんな面白くない本食べたらまずそうだね」
「面白い本なら食べても美味しいだろうけれど」
「そんなにまずいとね」
「とてもね」
「ははは、君にはちゃんとしたものを食べてもらうから」
 紙は、というのです。先生も。
「草をね」
「うん、実は草の方が美味しいんだよね」
「紙よりもね」
「確かに紙も食べられるけれどね」
「それでもね」
 オシツオサレツにとってはというのです。
「草の方が美味しいよ」
「そっちの方がね」
「僕もそうだし」
「山羊君や羊君もそうだよ」
 彼等もというのです。
「そっちの方がね」
「美味しいからね」
「それじゃあ」
「他のも食べよう」
 こうしたことをお話するのでした、二人で。
 そしてです、先生はこんなことも言いました。
「僕は否定しない様にしているんだ」
「そうした本を書く人と違って」
「そうなんだね」
「そうだよ、だからこそだと思うよ」
「今回もね」
「ニホンオオカミを見付けられたんだね」
「いるとは思っていなかったけれどね」
 それでもというのです。
「否定はしていないつもりだったよ」
「うん、確かにね」
「先生否定はしないからね」
「何があってもね」
「それはないね」
 こうしたことをです、お家でお話してでした。それからです。
 先生はです、日笠さんそして園長先生と一緒にです。八条学園の学園長さんのところに向かうのでした。
 その学園長さんについてです、日笠さんは学園長室のある建物に向かう途中で先生にこうお話しました。 
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