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ドリトル先生と森の狼達

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第十一幕その八

「そう言うこと自体がね」
「科学的じゃないですね」
「今の時点の科学が全てか」
「絶対にそうじゃないよ」
「その科学にしても」
「まだまだ研究がされているんだ」
 現在進行形で、というのです。
「そうした学問だからね」
「全てが科学で説明出来なくて」
「妖怪もそうだよ」
「だからですね」
「科学を全てと思わない」
 決して、というのです。
「このことが肝心だよ」
「若し科学を万能と思うとそれでもう科学的じゃない」
「その時点での科学をね」
「そういう人いるね」
「日本にもイギリスにもね」
 動物の皆も言います。
「何かね」
「それでしたり顔でアニメの設定に突っ込み入れた本とかね」
「あのシリーズ売れたみたいだけれど」
「面白いの?」
「それで科学的なのかな」
「僕も読んだけれどね」
 そのシリーズをとです、先生は動物の皆に答えました。
「けれどね」
「ああ、その口調だとね」
「面白くなかったんだね」
「それで科学的でもなかった」
「そうなんだね」
「はっきり言って科学的じゃなかったよ」
 科学と言っても、というのです。
「もう二度と読むことはないよ」
「先生がそこまで言うなんてね」
「よっぽど酷い本なんだね」
「全然科学的じゃない」
「そんなシリーズなんだね」
「あの、ひょっとして」
 ここでトミーがそのシリーズについて言いました。
「何か面白くない本を書く天才と言われる人が日本にいるそうですけれど」
「その人かも知れないね」
「そうした才能もあるんですね」
「そうなのかな」
「ううん、そんな人がいるんですね」
 面白くない作品を書くことについて素晴らしい才能を持っている人がというのです。それを才能と言っていいかどうかはわかりませんが。
「世の中広いですね」
「確かにね、ただね」
「ただ、ですか」
「僕はあのシリーズはアニメや特撮を愛する人が書いたものじゃないと思ってるよ」
「じゃあどんな人が書いたんですか?」
「アニメや特撮を嘲笑する人が書いたんだ」
 そうしたシリーズだというのです。
「アニメや特撮を愛する人が読んで怒るのも当然だよ」
「だから嫌われているんですね」
「それも異常にね」
「現代の科学だけでアニメや特撮も」
「説明出来ないよ」
 それは無理だというのです。
「現代の科学を万能と思えば科学の進歩は止まるよ」
「じゃあその人の言うことは」
「科学、進歩を止めることじゃないかな」
「よくない考えですね」
「科学は進歩を目指す学問だからね」
「そうした人もいるんですね」
「科学を愛すると言う人達の中にもね」 
 先生はこのことを残念そうに言うのでした。
「あと勘違いとかも入っていたから」
「科学に対する」
「本当に科学的じゃなかったよ、空想科学と言う割には」
 到底、というのです。 
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