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時間停止で異世界ファンタジー

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第二話

「おはようございます」

「おはようございます」

目を開けたら白髪美人がいた。
この白髪さん誰。あと、この真っ白な場所はどこ。

「とりあえず起き上がってください。三鳩三戸さん」

「はい、立ちました」

あ、この白髪さんスタイル恐ろしくいい。

「三鳩三戸さん、貴方は今混乱してらっしゃると思うのですが、まず初めに貴方はお亡くなりになられました」

「生きてますが」

「え、あ、ええと。今の貴方は魂のみの、その、意識体なのです。それから、私は第159位神です」

「なんの順位ですか」

「生まれた順です」

意識体とは。いやそれより、神様か。僕本当に死んだの?
寝ぼけてるのか記憶薄いけど河原で寝てたような。

「白髪さん」

「ナーシャです」

「ナーシャさんは神様で僕は死んだ。今僕自身は魂でナーシャさんは生まれた順的に159位。じゃあ此処ってなんですか?」

真っ白。完全無欠の真っ白だ。
右左前後ろ。勿論天井も地面すら白だ。

「はい、此処は異世界転生者案内専用空間です。あなた三鳩三戸さんは」

「三鳩でいいです」

「三鳩さんは異世界へと転生することが決まりました」

異世界へと転生。
太郎がいつだったかハーレム羨ましいってうるさかった小説のことかな。
確か物語の初めにそんな展開があるとか無いとか。
……まぁいいや。

「僕が異世界転生というのをするんですか」

「はい、貴方がこれから行く世界はサフィアと呼ばれる世界です。異世界転生と言っても赤子からと言うわけではありません。そのままの年齢で転生して頂きます。名前、容姿に変わりはありません。それから異世界につき転生者は後にも先にも1人だけ。サフィアの転生者は貴方だけとなります」

「なるほど」

「質問はありますか?」

「寝れますか?」

「……はい?」

ナーシャさんが首を傾げた。
困り眉が可愛い。

「あ、えっと、そこって自由に睡眠が取れるようなそんな平和な世界ですか」

「平和ではありません。あなたが以前いた世界よりも争いの絶えない世界です」

最悪だ。
サフィアって世界は最悪だ。
前世より寝れないなんて、もしかすると睡眠時間1日8時間とかそこらになってしまうということじゃないか。絶望と後悔と恐怖が一度に襲ってきた。

「あ、あの?三鳩さん?大丈夫ですか?」

「ええ大丈夫ですのよ?説明してくれ?」

「大丈夫じゃないですよねそれ。……あっ!あ、あの三鳩さんは転生特典を差し上げることになっているので、それを使えばもしかしたら平和に、下手をすると前世より睡眠を取ることが出」

「ナーシャさん、転生特典とは」

「復活早いですね」

気のせいだよ。

「転生特典とはですね、私達神が独自の基準で選んだ人間に与える特別で強力な力のことです。どんな力なのかもこちらの独自な基準で決めさせて頂きます」

「なるほど。僕はその独自な基準に選ばれたわけですか」

「ええ、独自の基準です」

一週間の平均睡眠時間が13時間とかが条件じゃないよね。どうでもいいや。

「それでナーシャさん。僕の転生特典は一体なんですか?」

わくわくどきどき。

「そう焦らないでください。今お渡ししますから」

なんたって僕の睡眠を捗らせてくれるものなのだ。期待大です。

「三鳩さんにはこちらの特典を差し上げます」

「……」

「……?ど、どうしました?」

「ナーシャさん、懐中時計では睡眠は取れませんぶっ飛ばしますよバカ」

「え!?え、え、違います!懐中時計じゃなくて!」

懐中時計じゃない?どうみてもこれは懐中時計だ。それともナーシャさんはこれを腕時計とでも言うつもりか。
美人でも許されない事はあるのだ。あ、おっぱい揺れた。

「いいですか三鳩さん。あなたの転生特典は時間停止です」

「時間停止、ですか?」

「はい、時間停止は使用することによって、その名の通り世界の全ての時間を停止させます。また物一つを選んでそれだけの時間を停止させることも可能です」

チートもいいところだ。
というか最強じゃんそれ。

「あのでもそれ、この懐中時計が無いと使えないんですよね?」

「いえ、あくまでもその懐中時計はおまけです。能力は三鳩さん自身の身体にそなわっているものなので心配しないで下さい」

この懐中時計はおまけだったのか。
ごめんなさい、ナーシャさん。バカとか言ってしまって。
ていうかこの特典凄いな。時間停止してればずっと寝てられるよ。転生したらすぐ試したい。

「では三鳩さん、異世界転生の説明と転生特典のお渡しが終わりましたので、早速転生して頂きます」

「早いですね」

「それからこれは私からの選別です」

そう言ってナーシャさんはふっと手を振る。すると何もない場所から一瞬で物が出てきた。

「どうぞ」

「ナイフと、フォーク?ですか」

「ええ、上手くお使いになって下さい」

ナイフとフォークを上手くお使いに。
僕は神に食べ方ダメ出しされたのか。ちょっとショック。それでも餞別らしいから。
ナイフとフォークを尻ポケットに入れる。刺さらないよね。

「ありがとうございます」

「では、三鳩さん。お気をつけて」

辺りが白く光りだす。
笑顔で手を振るナーシャさん。

「やっぱりナーシャさん、可愛い。タイプです」

あ、ついぽろっと口に出てしまった。
でも後悔はない。事実だもの。
ナーシャさん顔真っ赤で固まってる。
やっぱりナーシャさん、可愛い。あとおっぱい大きい。
 
 

 
後書き
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