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ドリトル先生と森の狼達

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第九幕その九

「どうしても蚊が寄って来るんだね」
「困ったことにね」
「だから蚊取り線香は欠かせないのね」
 ポリネシアは日本の夏の風物詩を出しました。
「夏には」
「あれはいいものだね」
「うん、ペープマットよりも先生はそちらだね」
 今度はトートーが言いました。
「夏は買い置きもしてるし」
「好きなんだ、実際にね」
「風情があるからね」
 ダブダブはどうして先生が蚊取り線香がお好きなのか知っています、そこに先生が住んでいる日本があるからです。
「夏に相応しい」
「日本の夏のね」
「だからなんだね」
「先生は蚊取り線香なんだね」
 オシツオサレツも二つの頭から言うのでした。
「夏はね」
「蚊帳も使うし」
「蚊帳もいいよね、最近使う人が減ったけれど」
 先生は蚊帳もお好きです、夏はこの中で寝ることがお気に入りなのです。
「あれもいいよ」
「うん、蚊は厄介だけれど」
 老馬にとってもです、蚊はいいものではありません。
「蚊取り線香や蚊帳があると凌げるね」
「そうだね、そしてその蚊は夏なんだ」
 日本ではというのです。
「日本の夏はじっとりとした暑さと蚊が困るんだよね」
「けれど今はだよね」
「蚊があまりいないから」
「いいね」
「まだずっと少ないから」
「熱帯だと何時でもいるんだよね」
 先生にとっては困ったことにです。
「そして怖い病気も伝染してくるから」
「マラリアだね」
「ああした病気ですよね」
 王子もトミーもそうした病気が何かわかっていました、蚊に刺されると痒くなるだけではないことが怖いのです、
「マラリアにかかると」
「もう大変ですから」
「あれは注意しないとね」
「蚊のことでも特に」
「日本でも日本脳炎があるからね」
 この病気もとても怖いのです。
「注意しないとね」
「蚊は怖いね」
「軽く見ていられないですよ」
「小さくて血を吸うだけじゃない」
「痒いだけじゃないんですよね」
「そうだよ、アフリカでもそうだね」
 王子に尋ねた言葉です。
「アフリカにもジャングルがあるから」
「蚊じゃなくて蠅も怖いしね」
 王子は真面目なお顔で先生にこの虫のこともお話に出しました。
「アフリカは」
「そうだね」
「うん、本当にね」
「日本では蠅はそうしたことはないけれど」
 蚊はというのです。
「怖いからね」
「だから予防接種もするんですね」
「子供が」
「そう、日本脳炎のね」
 子供が皆やらされるそれです、日本脳炎に罹ってしまったら大変なので学校で皆に駐車をするのです。子供は嫌がりますが。 
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