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ドリトル先生と森の狼達

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第九幕その八

「紅茶もお菓子もまだ数日分ありますし」
「そうしたのがあるうちはね」
「先生は動けますし」
「まだいけるね」
「うん、僕はどうしてもね」 
 先生はお茶とお菓子と聞いてこう言いました。
「ティータイムにお茶とお菓子がないとね」
「どうしてもだよね」
「動けないよね」
「先生の弱点」
「ティータイムは絶対にお茶とお菓子」
「その二つがないと駄目だよね」
「それもお菓子は三段だよ」 
 最近は和風もいけますがお菓子は三段ティーセットでないとどうにも元気が出ないのです、先生にとっては。
「それがないと」
「クッキーやビスケットでもね」
「そうしたものがないと」
「先生は動けなくて」
「調査も出来ないね」
「そう、だからね」
 それでとです、先生は動物の皆にも応えました。
 そしてです、先生は皆に笑顔で言うのでした。
「じゃあ今日もお茶の時間になればね」
「お茶だね」
「そしてお菓子だね」
「その二つを楽しもうね」
「今日も」
「そうしよう、何処でもお茶は飲まないと」
 先生にとっては本当に絶対のことです、このことは。
「お菓子も楽しまないと」
「先生は動けない」
「調査も出来ないからね」
「十時と三時には」
「その時はね」
 ティータイムというのです、こうしたことをお話してでした。
 先生達は調査を続けました、そしてティータイムになると当然の様にお茶とお菓子を楽しみました。ここで。
 先生達は足元を見ました、すると。
 そこには蟻がいました、ダンゴムシも。物陰からです。
 出て来てそして動いています、クッキーの食べカスを拾って運んだりもしています。
 その虫達を見てです、ホワイティは言いました。
「春になると虫も出て来るね」
「そう、その虫の調査もね」
 先生はホワイティに応えました。
「僕達の調査のうちだよ」
「そうだよね」
「うん、僕も今回の調査で見ていたけれど」
 森の中の虫達をです。
「この季節はまだ蚊も少ないから有り難いね」
「そういえばいてもね」
「そうよね」
 チープサイドの家族が先生のそのお言葉で気付きました。
「あまりいないね」
「夏よりもずっと少ないね」
「森の中には多いけれどね」
「それでもだね」
「そう、日本では春はまだ少ないんだ」
 蚊がとです、先生は皆にお話しました。
「夏に沢山出て来るんだ」
「先生結構蚊に刺されるからね」 
 チーチーはこう先生に言いました。
「いつもね」
「うん、どうしてもね」
「先生太ってるから汗かくからだね」
 ジップは先生がどうして蚊に刺されやすいかわかっていました。
「蚊は汗や呼吸にひかれるから」
「そう、汗や呼吸に含まれている二酸化炭素にね」
 先生もジップに応えてどうして蚊が人に寄って来るのかということもお話しました、先生は昆虫学にも詳しいのです。
「ひかれるんだよ」
「先生汗かくし身体が大きいから息の量も多いからね」
 ガブガブも言います。 
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