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異世界系暗殺者

作者:沙羅双樹
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玉璽の時間・4時間目(2016/05/16 一部修正)

 
前書き
銃使い・グリップさんの登場!そして、本作においてイッキの2度目の負傷です。
(1度目は態と鷹岡の攻撃を受けた時です) 

 



【視点:樹】



6階テラス・ラウンジを突破した俺達――出撃組は、移動途中で変装していた俺と渚の2人が元の服に着替え終えると一気に8階コンサートホールへと向かった。

8階へと向かう途中――7階VIPフロアで鷹岡が個人で雇ったと思しき見張りと相対することになったが、そいつらもスモッグやぬのおっさんに比べたら大したことも無く、寺坂が持って来ていたスタンガンで瞬殺することができた。

この時、俺達は6階で手に入れた長ドスの他に新しい武器を手に入れることができた。S&W M60。.357マグナム弾も使用可能なリボルバーを3丁だ。

これらは殺センセーの指示で烏間先生だけでなく、狙撃を得意としている龍之介と速水も持つことになった。

普通に考えれば烏間先生以外は俺が持つのがいいが、今回の大規模暗殺計画の失敗を気にしている2人に自信を取り戻させる為、殺センセーは敢えて龍之介と速水に銃を託すことにした様だ。

まぁ、コンサートホールに辿り着くまでに新たな装備を手に入れ、寺坂の隠し武器が判明したということだけ理解してくれればいい。

そして、コンサートホールへの侵入を果たした俺達が、念の為客室に身を隠しながら目的地まで繋がっている階段のある所まで歩を進めていると、銃を咥えたなんちゃって箒頭な男がステージに現れた。


「………15、いや18か?殆どが呼吸も若い10代半ばといった所だが、3人程呼吸や気配を殆ど悟らせない戦闘・暗殺のプロがいるみたいだな」


現れた男はステージの真ん中に立つと、ここまで辿り着いた出撃組の人数を言い当てた。しかも、極力気配や音を絶っていた俺や烏間先生だけでなく、元々が義体で呼吸をしていない律の存在にまで気付いた。只者じゃない。


「驚いた。まさか、動ける全員で乗り込んで来るとはな。ガキとは思えない程肝が据わっている」


男は俺達をそこまで称賛すると、口に咥えていた銃を手に取り、コンサート内に銃声が響くと同時にステージに置かれている照明の1つが弾丸によって撃ち抜かれた。

俺のすぐ近くに居た有希子と矢田は本物の銃声を初めて聞いたということもあって硬直してしまっている。恐らく、他の奴らもそうだろう。


「先に言っとくが、このホールは完全防音。そして、聞いての通り銃は本物だ。助けを呼ぶ手段も当然ない。お前らも人殺しの準備なんてしてねぇだろ!!大人しく降伏して、ボスに頭下げとけ!!」


箒頭が銃を回しながらそう叫んでいるとまた1発の銃声が響き、ステージの証明がまた1つ撃ち抜かれた。銃声の発生源は俺のいる列で少し離れた場所からだ。

発生源に視線を向けるとそこには速水がいた。恐らく、銃を弾こうと狙ったんだろうが外してしまったんだろう。そして―――


「……ハッ!予想以上に美味ぇ仕事みてぇじゃねぇか!!」


弾が外れたとはいえ攻撃を受けた箒頭は、ステージの生き残っている照明を全て点けると戦闘態勢に入った。照明を点けたのは逆光で俺達が攻撃し難くする為だろう。

まぁ、いくら逆光が強くても相手が全く見えない訳じゃないんだけどな。ってあの箒頭、速水のいる所に銃口を向けてやがる!


「速水、伏せろ!!」


俺は炎の試験型玉璽(テストタイプ・レガリア)を使って箒頭が銃を撃つより早く速水のいる所まで移動し、座席の隙間から箒頭の様子を窺っていた速水を押し倒す様な形で伏せさせた。


「痛ッ!」
「イッキ!?」


幸い速水には銃弾が掠ることも無かったが、俺は運悪く銃弾が肩を掠った。そのことに気付いた速水は少しばかり狼狽えている。


「気にすんな。只の掠り傷だ。んなことより、できる限り体を低くしてここから移動しろ。場所がバレちまったし、このままじゃ狙い撃ちにされるぞ」
「う、うん」


痛みなんてのはそれを超える覚悟と気合があれば耐えられるからな。痛みなんて気にして俺達2人がこの場に釘付けにされる方が問題だ。

とはいえ、相手の射撃能力はかなり高い。俺の様なスピード系暴風族(ライダー)でもない限り、いくら体勢を低くしていてもそう簡単には移動させてくれないだろう。

なら、速水を移動させる為にも俺がすべき行動はただ1つ。相手の目を一時的にでも俺に引きつける。その考えに至った俺は、速水が移動を始めようとすると同時に客席から箒頭に向かって飛び出した。


「「「「「「「「「「イッキ(君)!!?」」」」」」」」」」

誰もが予想すらしていなかった行動を取った俺の名を驚きの声で口にしていた。ステージの箒頭も驚いた顔をしている。


「くっ!堂々と飛び出して来るとか、死にたがりか!?」


箒頭がそう言いながら俺に銃口を向けて来るが、それと同時に俺は炎系暴風族(ライダー)特有の高速移動による炎の分身を発生させる。


「なっ!?」


目の前で大量に分身した俺に対して箒頭は驚き、銃口を定められずにいる。ちなみに使っているのは、A・Tだけを使ったただの炎の分身ではなく、肢曲と縮地も併用したものということもあって、分身数が通常の倍以上の数になっている。

これだけの数の分身から本体を特定するのは不可能。しかも、箒頭の武器はリボルバー。連射できても5発と数が限られている。ステージまで辿り着けば、簡単に仕留められる!俺がそんなことを考えていると、ステージにいる箒頭の顔が驚きから笑みへと変わった。


「なんてな」


箒頭がそう言うや否や、大量の牙が俺の作り出した分身を襲った。よく見ると箒頭はエア●ギア原作に登場した旧眠りの森(スリーピング・フォレスト)の牙の王、ファルコの牙の玉璽(レガリア)をモデルにした牙の試作型疑似玉璽(プロトタイプ・サブレガリア)を履いていた。

俺は襲い掛かってくる牙を足場にして崩れそうになった体勢を立て直し、箒頭から距離を取って有希子と矢田のいる列の客席まで後退した。


「てめぇ、牙の試作型疑似玉璽(プロトタイプ・サブレガリア)持ちの雇われ暗殺者か!?」
「おうよ。もっとも、俺は下の階を見張ってた2人と違って暗殺専門の殺し屋ではなく、軍人上がりだがな」
「1対多の戦闘にも慣れてるってか?」
「その通りだ。幾多の戦場での経験から、敵の位置を把握する術を身に付けた。まぁ、さっきの分身には驚かされたがな」


………俺が作り出した分身の数は34体。それを全て迎撃できるだけの牙を放ったことを考えると、箒頭の(バトル)LVは試作型疑似玉璽(プロトタイプ・サブレガリア)込みでも100超えと考えるのが妥当。

牙の威力そのものはカルマの放つ本気の牙――Leviathan程じゃないが、連射式としての牙で考えるとほぼ同等の威力だ。もう少しで目的地に辿り着くってのに、全く鬱陶しい!


 
 

 
後書き
もし、E組の生徒がハンハンの念を覚えた場合の系統予想。

E-1
赤羽(カルマ):変化系

E-2
磯貝悠馬:特質系

E-3
岡島大河:操作系

E-4
岡野ひなた:強化系

E-5
奥田愛美:操作系

E-6
片岡メグ:具現化系

E-7
茅野カエデ:強化系

E-8
神崎有希子:強化系

E-9
木村正義:具現化系

E-10
倉橋陽菜乃:操作系

E-11
潮田渚:特質寄り具現化系

E-12
菅谷創介:操作系

E-13
杉野友人:強化系

E-14
竹林孝太郎:具現化系

E-15
千葉龍之介:具現化系

E-16
寺坂竜馬:放出系

E-17
中村莉桜:変化系

E-18
狭間綺羅々:操作系

E-19
速水凜香:具現化系

E-20
原寿美鈴:操作系

E-21
不破優月:操作系

E-22
前原陽斗:変化系

E-23
三村航輝:操作系

E-24
村松拓哉:操作系

E-25
矢田桃花:変化系寄りの強化系

E-26
吉田大成:強化系

E-27
南樹:強化系寄りの変化系

E-28
宝代律(自律思考固定砲台):操作系

E-29
堀部糸成(イトナ):具現化系

性格等を考えるとこうなると思うのですが、どうでしょう? 
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