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ラコーン=ナイ

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第二章

「それでな」
「それで?」
「それでっていうと」
「宮廷舞踊な」
 王宮のというのだ。
「王宮でやるみたいなな」
「おいおい、凄いのやるな」
「陛下が御覧になられるのみたいな踊りをか」
「するっていうのか」
「それは凄いな」
「ああ、それをしないか?」
 是非にと言うのだった。
「出しものは」
「凄いこと考えたな、それはまた」
「宮廷舞踏か」
「それを俺達のクラスがか」
「やるのか」
「それも女子だけじゃなくて男子もな」
 プンミーは皆にこうも言った。
「女装をしてもな」
「あっ、それ面白いな」
「女装いいよな」
「ああ、他のクラス絶対しないぜ」
「宮廷舞踏でしかも女装までってな」
「そうはないぜ」
「これはいいな」
「文化祭の注目の的だぜ」
 こう話すのだった、全員で。
 ホームルーム終了間際でようやく話がまとまった、皆プンミーの意見をよしとしてクラス全員で宮廷舞踏をすることになった。
 それで早速だ、音楽と映像を手に入れて。
 それを聴き観つつ練習をはじめた、その練習はというと。
 放課後等に時間がある時にした、それが随分とだ。 
 彼等にとっては難しくてだ、戸惑いの連続だった。
「何だよこのダンス」
「ステップとか違うぞ」
 彼等が知っているテレビや街角でのダンスとはだ。
「腕の動きも」
「音楽だってな」
「これが王宮の踊りか」
「こんな踊りなんだな」
「本当にダンスじゃなくて舞踏だな」
「そんな感じの踊りだな」
 まさにというのだ、彼等は実際に踊ってみて戸惑いながら話した。
「ちょっとな」
「これはないな」
「本当にな」
「難しいな」
「相当に練習しないとな」
「他のクラスに見せられないぜ」
 そして笑われるというのだ、だからだった。
 彼等は必死に練習を続けた、空いている時間に。
 練習を続けているとだ、何とかだった。
 彼等も慣れてきた、それでだった。
「大分よくなってきたな」
「だよな、何とかな」
「さまになってきたよな」
「最初は皆酷かったけれど」
 こう言い合うのだった、先生は今も彼等を優しい笑顔で見守っている。
「何とかな」
「よくなってきたぜ」
「このまま練習していったら」
「他のクラスにも見せられるな」 
 順調によくなっていることをだ、彼等は実感していた。
「文化祭当日までには」
「いけそうだな」
「じゃあこのまま頑張ろうな」
「最後の最後まで」
「本番直前まで」
「そして本番の時も」
 こう話すのだった、しかし。
 ここでだ、プンミーが皆に言った。
「あと服な」
「ああ、服もだよな」
「俺達練習中はジャージだけれどな」
「本番になるとな」
「やっぱりな」
「着る服はな」
「ちゃんとしたいよな」
 こう言うのだった、皆も。 
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