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オズのカエルマン

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第五幕その八

「それじゃあね」
「はい、今から」
「ルーンの村に入ってですね」
「挨拶をするんですね」
「そうしよう」
 こう皆に言ってでした、そして。
 皆はルーン族の人達に案内されてでした、そのうえで。
 村に入っていきました、村は林になっていてです。
 木々の上の方は絡まっています、そして村の中央に行くとです。
 そこは木が生い茂っていなくて広場になっています。そこにです。
 一際立派な服のルーン族の人がいて周りに他のルーン族の人達を従えてぷかぷかと浮かんでいます。
 その人がです、一行を見て言いました。
「ようこそ」
「貴方がルーン族の王様でしたね」
「如何にも」
 王様は神宝の問いににこりと笑って答えました。
「私がルーン族の王だよ」
「そうですよね」
「よく来られた」
 王様は皆ににこりと笑って言いました。
「元気そうで何より」
「陛下もお元気そうで」
 カエルマンが王様に紳士的に応えます。
「村の人達も」
「この通りだよ。毎日楽しく過ごしているよ」
「そうなのだね」
「うむ。ところで今日は何故来られた」
「実はこれからギリキンの奥に行って」
 カエルマンは王様に自分達の旅のことをお話しました。
「青龍に会うんだ」
「青龍?」
「ううん、細かいことを話すと」
「かなり長い様だね」
「元々は中国にいるドラゴンで」
「ああ、あのアジアの国の」 
 王様もこの国のことは知っています。
「アメリカにも移民が来ている」
「その国のことは知ってるね」
「ここに前ムシノスケ教授が来てくれて」
 それで、というのです。
「色々とお話してくれた中にね」
「中国のこともだね」
「お話してくれたから」
「それで知ってるんだね」
「その国のこともね」
 王様もというのです。
「知ってるよ、それでその国のドラゴンがいるんだ」
「この国にね」
「僕の国です」
 神宝が右手を挙げて王様に言いました。
「僕中国から来ているんです」
「ああ、君がなんだ」
「はい、それで僕の国のドラゴンで」
「このオズの国にもいるんだ」
「僕の国で言うと神様で」
 神宝は王様に青龍についてこのことからお話するのでした。
「東の方にいて木のこととかを司っているんです」
「へえ、偉いドラゴンなんだね」
「とても」
「しかしだよ」
 ここで王様も気付きました。
「君はさっき東と言ったね」
「はい」
「けれどギリキンの国はだ」
「オズの国の北ですね」
「そう、だからそこがおかしいね」
「はい、僕達もそのことが気になっていまして」
 それでとです、神宝もお話します。
「これから青龍のところに行って」
「そして青龍に会って」
「はい、東に戻ってもらいます」
「そうする為にだね」
「ギリキンの国にいまして」
「それでさらに北に進んで」
「わかったよ」
 ここまで聞いてでした、王様は頷きました。 
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