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魔法少女まどか☆マギカ こころのたまごと魂の宝石

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第6話

まどか達にしゅごキャラの説明をした日の晩。あたしはいつも通り風呂上がりに牛乳を煽っていた。


「ぷはぁ〜!やっぱり風呂上がりには牛乳だよね〜。」


「あむちゃん・・・」


「相変わらずオヤジ臭いですぅ〜。」


「ヒロインなのに。」


うっさいわね。別にいいじゃない。そう思いながらあたしはミキが何も言って無いのに気付いた。ミキの方を見てみると、何か考え込んでいるみたいだった。


「どうしたの、ミキ?」


「実は、グリーフシードの件で少し引っかかる事があって。」


「引っかかる事?」


「うん。回復アイテムが敵を倒さないと手に入らないって言うのは何だかおかしくない?」


「そう言えば、ゲームの回復アイテムも敵を倒した時に手に入る事があるけど、ゲームの中のお店で買えたりするし・・・」


「そう。これだと魔法少女は魔女が居ないと魔法が使えないって事になっちゃうよ。」


「でも、魔女が居なかったら魔法なんて使う必要は無いんだから、別にいいんじゃない?」


「そう言う事ならいいんだけどね。ただ・・・」


「ただ?」


「あのキュウべえって生き物、何だか凄く違和感があるんだ。」


「ミキもそう思ったの?私もだよ。」


「スゥもですぅ〜。」


「私もよ。」


どうも、あたしのしゅごキャラ全員がキュウべえに違和感を感じたみたい。でも、その正体って何?






次の日の放課後。あたしとキリカは織莉子と会って駅前でクレープを買って一緒に食べてた。


「買い食いなんて、初めてですね。」


お嬢様な織莉子にとっては新鮮みたいで、目を輝かせながらクレープを食べてる。


「私も、友達は出来たけどこういうのは初めて。」


最近レンが生まれて生活が変わってきたキリカも同じみたい。


「そう?あたしは前の学校ではよく友達に誘われて行ってたよ。」


「それは、素敵ですね。」


「その素敵な事をあたし達も今やってるじゃん。」


「そうでしたね。」


そんな感じにあたし達が談笑していた時だった。


「あれ?」


いつの間にか、緑色の髪をツインテールにした小学校低学年の女の子があたし達の事をじっと見ていた。あたしがその子の方を見ると、驚いてパタパタと走り去ってしまった。


「どうしましたか、あむ?」


「いや、さっきこっちの方を見てた子が居たから、ちょっと気になって。」


「そうですか。」


さっきの子の事は一旦忘れて、あたし達は談笑を再開する。でも、その時・・・


「あ!居た居た!!」


マミさんを引き連れたさやかがやって来た。


「どうしたの、二人とも?」


「緊急事態なの!だから一緒に来て!!」


そう言ってさやかはあたしとキリカの手を引っ張った。


「う、うん。そう言う事だから織莉子、ごめんね。」


「ええ。では、また明日。」


あたし達はさやかとマミさんに連れられて走った。


「折角、織莉子と、一緒、だったのに・・・」


何だかキリカが黒いオーラ出してるけど、今は気にしないでおく。


「それで、何があったの?」


「病院に孵化しかけのグリーフシードがあったの。今はまどかとキュウべえが見張ってる。」


「グリーフシード!?それって魔女の卵じゃん!!」


「そうよ。病院は病気や怪我で弱っている人が多いから、孵化した魔女が呪いを振り撒き始めたら、大変な事になるわ。」


確かに、『病は気から』って言うくらいだし、ただでさえ弱っている人が呪いを受けたりしたら大変な事になる。


「でも、何で私まで。織莉子と一緒に居たかったのに・・・」


そんな時、キリカが文句を言い始めた。それを聞いたさやかとマミさんが睨むけど、あたしは二人を手で制してキリカに言った。


「キリカ。もし織莉子が魔女のせいで死んじゃったらどうする。」


「そ、そんな事になったら私は・・・私は・・・」


「そう。魔女を放っておいたら大事な人が死んでそんな風に悲しむ人が出るよ。だから止めなきゃいけないに決まってるじゃん。」


「・・・分かった。私も手伝う。」


「よし!久々のキャラなりだ!!」


キリカもレンもやる気になった所で、あたし達は走るスピードを上げた。



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あのオリジナル魔法少女を監視してたら、病院に向かっていた。魔法少女と一緒だし、多分そこに魔女でも居るんだろう。なら、追跡してデータを集めさせて貰うぞ。そして今度こそ取り戻すんだ。ミチルを・・・



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病院に到着したあたし達はさやかにグリーフシードのあった場所まで案内された。でも、グリーフシードはおろか、まどかとキュウべえの姿すら見当たらない。


「本当にここなの?」


「うん。」


「もう、孵化してしまったようね。」


そう言ってマミさんが病院の壁を見た時だった。


“皆、私とキュウべえは無事だよ。”


「ええ!?」


いきなり、頭の中に直接まどかの声が聞こえた。


「今のは、何・・・?」


それはキリカにも聞こえていたみたいで、困惑していた。


「あむちゃん、どうしたの?」


でも、ラン達しゅごキャラには聞こえていないみたいで、不思議そうにしてる。


「何か、いきなり頭の中にまどかの声が・・・」


「それはテレパシーよ。魔法少女とその素質のある女の子はキュウべえ経由で使う事が出来るの。」


あたしが混乱してると、マミさんが説明してくれた。


“そっちの様子はどう?”


“まだ孵化はしてないけど、いつ孵化してもおかしく無い状態だ。急いで!”


「分かったわ。それじゃあ、行くわよ。」


そして、マミさんがソウルジェムを壁に向かってかざすと魔方陣のような物が現れ、それが入り口になった。あたし達はマミさんの後に続いて中に入って行く。



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孵化が間近に迫ったのか、グリーフシードの力が強まって結界が展開された。私とエイミー、それにキュウべえはそれに巻き込まれながらも、グリーフシードの監視を続ける。マミさん達はもう来てくれたけど、結界の中は意外と広いから、ここに来るまでもう少し時間はかかると思う。だから、何が起きてもいいように、キャラチェンジだけはしてある。私がここに残ったのも、何かあってもキャラチェンジである程度は対応出来るから。


「まどか。あまり無理はしない方がいいよ。今君がしているキャラチェンジの能力は魔法少女と比べると劣っているからね。」


「でもキュウべえ。前は魔女の本体の片方をやっつけられたよ。」


「そうだね。でも、おそらくあの魔女の本体の防御力はおそらく使い魔と同程度だ。だから偽の本体を作ってそこに攻撃が集中するようにしてたんだろうね。もちろん、他の魔女相手には全くダメージを与えられ無いと言う事は無いだろうけど。」


「そうなんだ・・・」


やっぱり、早くキャラなり出来るようにならないと。そんな風に焦っていると、エイミーが声をかけてきた。


「まどか。焦る必要は無いわ。ゆっくり、あなたのスピードでなりたい自分になっていきましょう。」


「うん。そうだね。」


エイミーにそう返しながら、私は昨日のお昼にあむちゃんから聞いた事を思い出した。






ほむらちゃんが帰った後、私は残った皆と一緒にお昼を食べながらあむちゃんにほむらちゃんとエイミーに言われた事を相談していた。


「なるほど。あたしもミキに似たような事を言われたよ。」


「ミキに?」


「そう。ミキは絵とか美術関係が得意になりたいって言う願いから生まれたの。だからキャラチェンジすると美術関係が凄く上手になるの。」


「へ〜、凄いじゃん。じゃあ、美術の成績とかめちゃくちゃ良くなるじゃん。」


さやかちゃんが羨ましそうに言うけど、あむちゃんは首を横に振った。


「それは無いよ。って言うか、キャラチェンジはそんなズルを使う為の物じゃないの。」


「そうなの?」


「そう。それで話を戻すけど、小学校の時、冬にガーディアンの合宿でスキー場に行ったら、そこでやってた雪像作り大会に皆で参加する事になったの。作るのはお城で、あたしは門を作る事になったんだけど、上手くいかなくて・・・」


「地獄の入り門みたいになってたよね。」


「いっぺんどころでなく死にそうな感じだったですぅ。」


ランとスゥも思い出しながらため息をついていた。そんなに酷い出来だったのかな?


「それならキャラチェンジすれば良かったじゃん。」


「うん。あたしもそう思ってミキに頼んだんだ。そしたら『どうせ出来ない、無理なんて言う自分って好き?』『そんなあむちゃんじゃ可能性は消えてっちゃうかもね』って言われちゃってさ。だからさ、決めたんだ。ちょっとずつでも、自分で出来るようになるよう頑張ろうって。」


「いやでも、魔法少女は自分でなろうと思っても無理じゃ・・・」


さやかちゃんの言う通り、しゅごキャラかキュウべえの力を借りないと魔法少女にはなれないと思うんだけど。


「うん。でも、まどかは何で魔法少女になりたかったのかな?」


「え?」


「まどかにとってのなりたい自分は“どんな魔法少女”なの?それが分かれば、キャラなりはもちろん、将来なりたい自分になる事も出来るよ。」






私の、なりたい魔法少女。エイミーが生まれるきっかけになった想い。それがキャラなりの鍵だって言ってたけど、私に見つけられるかな?私自身の事なのに、結構難しいね。



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結界の中をあたし達は魔女の手下だって言うヘンテコなモンスター“使い魔”から身を隠しながら奥に進んでいた。結界の中は所々病院っぽさがありながら、お菓子が彼方此方にある。


「何ここ・・・」


「物凄いマイナスエネルギーだよ。」


「✖️たま100個とかそう言うレベルじゃないわ。」


「ああ。何だか酔いそうだ。」


しゅごキャラ達はここの中に充満してるマイナスエネルギー、つまり魔女の呪いを感じ取ってるみたい。


「う〜ん。変ですねぇ〜。」


でも、スゥだけは何だか違う事がきになってるみたい。


「どうしたの、スゥ?」


「ここって本当に色んなお菓子があるんですけど、何かが足りないような気がするんですぅ〜。」


「何かが足りない?どう言う事?」


「あとちょっとで分かりそうな気がするんですぅ〜。」


そんな会話をしながら、あたし達は奥へと進んで行った。



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オリジナル魔法少女が魔女の結界へと入ったのを確認した私は、彼女の監視をみらいに任せ、エンブリオ探しを開始した。調べた所、この病院には事故で怪我をした天才バイオリニスト少年が入院しているらしい。そんな少年の“魂”ならばエンブリオを生んでも可笑しくは無い。しかも、怪我をしたのは腕だというのだから、相当心も弱っているハズだ。きっと、取り出しやすくなっている事だろう。



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“現代医学ではその腕の治療は不可能です。”


そう先生に告げられた僕は死刑宣告をされたに等しかった。治療が不可能。つまり、僕の腕はもう動かない。もう、バイオリンを弾く事は出来ない。皆が、さやかが楽しそうに聞いてくれた旋律を、もう奏でる事は出来ない。もう・・・
そうやって病室のベッドの上で寝転がっているた時だった。


「これは、想像以上に弱っているな。」


女の子が窓から入って来た。乗馬服を着てベレー帽を被り、メガネをかけた女の子だ。


「だ、誰だ!!」


明らかな不審者に僕は身構えるけど、事故で足も怪我してるから直ぐに逃げ出す事は出来ない。


「私が誰かなどどうでもいい。重要なのは、お前がエンブリオを生むかどうかだ。」


エンブリオ?何の話だ?
訳が分からない僕に向かって少女は近づいて来て、何処からか少し黒ずんだ卵型の宝石を取り出した。そして、それが僕の胸に押し当てられた所で僕の意識は途切れた。



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今までの“ループ”と同じなら、今日巴マミはお菓子の魔女と戦う事になる。そうなったら高確率で彼女は敗北して死ぬ。それを止める為に私はお菓子の魔女の結界の前まで来ていた。そして、中に入ろうとした時・・・


『ムリ〜』


背後から妙な声がした。振り返ると、そこには白い✖️が描かれた黒いたまごが浮かんでいた。


「これは、まさか日奈森あむの言っていた✖️たま?」


見た目の特徴から直ぐに正体が思い当たった。しゅごキャラが見えないのにこれが見えるのは不思議に思ったが、よく考えると“奴ら”はキャラなりを元に魔法少女を生み出したのなら、魔女もこの✖️たまを元に生み出したのだと考えられる。つまり、✖️たまは魔女と同質の存在だから魔法少女には見えると言う事だろう。
そう考えると、私は✖️たまを無視する事を決めた。今重要なのは“決戦”の為の戦力である巴マミの生死だ。だから、こんな物には構っていられない。
だが、再び結界の方に向き直った時、背後からピキピキと何かがひび割れるような音がした。嫌な予感がして振り返ると、✖️たまが上下二つに割れて中から何かが出て来た。デフォルメされた黒い人形の身体。顔には吊り上がった目に不敵に笑口があり、額には✖️マークがついている。そして、何故か手にバイオリンを持っていた。


「なるほど、これが✖️キャラと言う事ね。」


魔女の元になった存在なのだからこちらもグロテスクな姿をしていると考えていたから、魔女や使い魔と比べると可愛らしい姿をしていたので拍子抜けしてしまった。


『フォルテ、フォルテッシモ、クレッシェンド!!!』


その時、✖️キャラが呪文のような言葉と共にバイオリンを演奏し始めた。すると、音符が実体化して私に襲いかかって来た。私は地面を転がりながらそれを避けると、魔法少女へと変身する。
どうやら私は✖️キャラに目を付けられてしまったらしい。とにかく迷惑でしか無いが、このまま結界に突入しようとしても背後から攻撃される恐れがある。仕方ないので応戦するが、結界の外なので銃火器は使えない。そこで私は盾からコンバットナイフを取り出した。


「邪魔よ。消えなさい。」



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結界の中を進んでいると、ふとさやかがあたしに聞いてきた。


「ねえ、あむ。まどかがなりたい魔法少女ってさ、マミさんみたいな魔法少女じゃないかな?あたしもそうだけど、マミさんに憧れてるし。」


「確かに、あの子はそんな感じだったね。あむはどう思う?」


「憧れからなりたい自分を生み出す子は居るよ。」


あたしの仲間内だと海里がそうなるね。あの子は剣豪宮本武蔵に憧れて自分のしゅごキャラ、ムサシを生んだんだから。


「それじゃあ、きっとまどかはマミさんみたいになりたいんだよ。」


「ありがとう。でも、私はそんな憧れて貰えるような人間じゃないわ。」


そんな時、マミさんが胸の内を明らかにした。


「魔法少女なんて、部活をしたり、友達と遊んだりする時間も無い。戦いだって怖いから、本当はいつだって逃げ出したくて仕方ないの。だから、全然凄い人間なんかじゃ無いわ。」


「そうなんだ。今までマミさんが見せてたのは“外キャラ”だったんだね。」


「「「外キャラ?」」」


「読んで字のごとく外向けのキャラ。あたしも昔は見た目のイメージからクールな子だと思われて、でも本当のあたしはただ口下手で素直じゃなくて、人見知りでビビりで。それがバレたら変に思われるんじゃないかって思ってずっと外キャラで振舞ってたの。だからさ、そうやって自分の事を打ち明けられたマミさんは、私よりは凄いよ。」


「そんな事は無いわ。私は救えたハズの人達を見捨てて、自分だけ助かった卑怯者よ。」


「え・・・?」


「昔ね、家族でドライブに行ったら、大きな事故に巻き込まれたの。私と家族の車の乗った車も潰れて、救助が来る前に死んじゃいそうで。その時、キュウべえが現れて私は願ったの。“助けて”って・・・」


そう過去を語るマミさんの姿は、どこか罪を告白する罪人のようだった。


「キュウべえの力ならきっと、家族はもちろん、他の人達も助けられたハズなのに、私はそれをしなかった。願いを叶えた後に後悔したわ。だから、あの時助けられなかった分、私は魔女を倒す事で人を助けているの。」


「・・・それで、マミさんはどんな自分になりたいの?」


「え?だから、私は助けられなかった分だけ・・・」


「それは“夢”って言わないじゃん。ただ、過去で自分を縛っているだけじゃん。」


「でも、私が夢を持つだなんて・・・」


「それじゃあ、何でマミさんにはソウルジェムが、“こころのたまご”があるの?」


私がそう言うと、マミさんは自分のソウルジェムを見た。


「形が変わっても、それにはきっとマミさんの夢と可能性が詰まってるハズじゃん。だから、探せばいいじゃん。マミさんの夢を!」


「・・・本当に、私が夢を見てもいいの?」


「当たり前じゃん。夢は誰だって見る権利があるの。」


「ありがとう。でも、いきなりそんな事を言われても、思いつかないな。」


「大丈夫。これからゆっくり探して行けばいいの。」


私がそう言った時、キュウべえからの念話が届いた。


“皆!そろそろ魔女が孵化しそうだ!急いで!!”


「聞いたわね、皆。ここからは一気に進みましょう。」


「そうだね。」


「うん。マミの夢の為にもね。」


そして、マミさんがソウルジェムを眼前に構え、あたしとキリカの側にもランとレンが待機する。


「行くわよ、変身!」


まず、マミさんが変身する。マミさんがステップを踏むと、それと同時に服が変化していった。白い長袖のシャツにお腹には茶色いコルセット。スカートはマミさんのイメージカラーの黄色で、足にはブーツが履かれる。そして、頭の上に乗った羽根つきの帽子にソウルジェムが装着された。


「私のこころ」


「あたしのこころ」


「「アンロック!!」」


それに続いて、あたしとキリカもキャラなりした。あたしは前と同じでピンクのチアリーダーの姿に、そして、キリカは眼帯をして、燕尾服のような服を着た姿になった。


「キャラなり、ブレイクファング!!」


「キャラなり、アミュレットハート!!」


「凄い!これがあむとキリカさんのキャラなり!?」


さやかはあたしたちのキャラなりを見て驚いていた。一方、マミさんはと言うと・・・


「負けたわ・・・」


何故か落ち込んでいた。


「ど、どうしたのマミさん!?」


「何時もより格好つけて“変身”とか言ってみたのに・・・日奈森さんも呉さんも、変身の掛け声も変身後の名乗りもポーズも完璧じゃない・・・」


「ええ!?そんな事で!?」


「そんな事ですって!魔法少女にとっては重要な事よ!!」


ツッコミを入れるさやかに対して、マミさんが何か逆ギレした。


「私も、最初は戦いの怖さを誤魔化す為に格好つけていた。でも、今ではただそれだけじゃなくてそこに自分なりのこだわりを感じるようになったの。でも、やっぱり戦いの怖さを誤魔化すためだけだったから戦い方や必殺技の名前ばかりを考えていた。でも、日奈森さんと呉さんのお陰で気付いたわ。やっぱり魔法少女には変身の掛け声と名乗りも重要なのよ!!」


「マミさん・・・」


またまた見せてくれたマミさんにあたし達は唖然としてしまう。


“皆、どうしたんだい。早く来てよ!”


その時キュウべえからの念話が届いて、私達は目的を思い出して先を急いだ。



続く 
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