| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

オズのカエルマン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第三幕その三

「だから私も楽しんでいます」
「うん、じゃあ今回だけじゃなくて」
「また作ります」
「その時も楽しみにしているよ」
 カエルマンの目はにこにことしています、そのお抹茶のクッキーだけでなくチョコレートのクッキー、それにお茶自体も楽しんでからです。
 パズルに目をやります、すると少しずつです。
 かかしと木樵、それにジャック達が欠片を置いていっています。その三人のところに五人で一緒に来てでした。
 そしてです、そのうちの欠片の一つを取ってです。
 それが赤いのを見てです、かかしと木樵に言いました。
「これはね」
「うん、お花だね」
「その部分だね」
「そうだね、ここで問題となるのは」
 いささか学者の様に言うカエルマンでした。
「このお花の形だけれど」
「そのことなら」
 ムシノスケ教授が手に辞典を持って言ってきました。
「この図鑑に載っているよ」
「あっ、そうなんだね」
「王立図書館のこの本にね」
「載っているんだね」
「そう、だからね」
「その辞典に載っていて」
「このお花だね」
 教授は最初から開いているそのページをカエルマン達に見せました、そこにあったお花はといいますと。
「ふむ、レインボーパズルフラワー」
「それがだね」
「このお花の名前なんだね」
 カエルマンだけでなくかかしと木樵も見て言います。
「赤だけじゃなくて青や黄色の部分もある」
「文字通り七色のお花だね」
「そうなんだね」
「左様、赤だけでなく青に黄色、黄緑、緑に橙に紫と」 
「まさに七色」
「虹の色の花」
「それがこのお花だね」
 三人で言います、そしてです。
 ジャックもそのお花を見てです、こう言いました。
「形もわかったよ」
「うん、では後はね」
「この図鑑に添って」
「置いていこうか」
「いえ、そうしたらすぐに出来るから」
 グリンダが楽しく笑って四人に言いました。
「図鑑を観ながらするのは止めましょう」
「そうだね、それだとね」
「すぐに出来るから」
「すぐに出来たらそれで終わりだからな」
「どうも」
「そう、面白くないわ」
 こう教授の図鑑を見ている四人に言うのでした。
「だからそれは止めておきましょう」
「うん、グリンダの言う通りだね」
 かかしが最初にグリンダの考えに頷きました。
「ここはね」
「図鑑を観るのはこれで止めにして」
「やるべきだね」
 木樵とジャックも頷きます、そしてカエルマンもでした。
 グリンダの提案に頷きました、そのうえで言いました。
「よし、では図鑑はこれまでにしよう」
「ふむ。確かに」
 当の教授も言いました。
「図鑑を観つつしてもいいけれど」
「それだとすぐに出来るから」
「うん、しない方がいいね」
「そう、皆でゆっくり楽しみましょう」
「ではこれは閉じよう」
 こう言ってすぐです、教授は手にしていた図鑑を閉じました。そうして傍にあったテーブルにその図鑑を置いてあらためて言いました。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧