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絶対に勝つ

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第三章

「身体の動きが凄くいいです」
「そうでしょ」
「もう本当に」 
 それこそ、というのだ。
「朝起きたら全然です」
「身体の疲れが取れてるわね」
「それにお風呂出た後のストレッチも」
 これはシャワーの時もしていた、それで身体をほぐして一日の疲れを取っていたのだ。だが風呂に入った後は。
「身体がシャワーだけだった時よりもずっと柔らかくなっていて」
「身体が温もった分だけね」
「凄く効いてます」
「身体は温めるものよ」
 冷やすものではなく、というのだ。
「だからいいのよ」
「そういうことですね」
「それに気持ちいいでしょ」
「はい、シャワーよりもずっと」
「血流がよくなってね」
「凄く気持ちいいです」
「それで走っても」
 肝心のそれもだった。
「身体の動きが前よりもよくなって」
「速くなったのね」
「そう思います」
「じゃあこれからも続けるわね」
「そうします、本当にこれですと」
 ハンナは部長に明るい顔で言った。
「あいつにも勝てます」
「そう、勝つのよ」
「それにあんまり気持ちいいんで」
 風呂自体がとだ、ハンナは部長に笑顔のままこうしたことも言った。
「色々やってみようと思っています」
「お風呂を?」
「お風呂のお店とかありますよね」
「ええ、保養地の温泉もあるし」
「入浴剤も売ってますし」
 風呂に入る様になってから気付いたのだ、店に行けばそうしたものが売っているということに。
「そうしたものも使ったりサウナも」
「サウナね、あれもね」
「温まりますよね」
「温まってそれに汗も凄く出てね」
「汗が出て、ですか」
「身体の中の不純物とかが出ていいのよ」
 それがサウナだというのだ。
「普通に湯舟に入ってもそうだけれど」
「サウナもですね」
「いいのよ、汗をかいて水風呂に入って身体を冷やしてまた入って」
 それを繰り返してというのだ。
「身体の中の悪いものを出すのよ」
「それがサウナですね」
「だからサウナは健康にいいのよ」
 そうしたものだからだというのだ。
「今度そっちも入ってみるといいわ」
「わかりました」
「他にも保養地の露天風呂とかね」
「あれもよさそうですね」
「そう、薬膳湯もあるし」
 部長はハンナに笑顔でそうしたことを話していった。
「だから色々入ってみてね」
「わかりました、まずはお風呂に入って」
 そうしてとだ、ハンナは目を輝かせたうえで部長に言った。
「今度の戦い、絶対に勝ちます」
「あの娘に」
「負けたままなんて悔しいですから」
 その気持ちが強い、それに故にだった。
「僕これからも練習して食べものに気をつけて」
「お風呂にも入って」
「そうしてかちます」
 こう言ってだった、ハンナはこの日も走ってだった。
 風呂に入った、そうして毎日を過ごしてだった。 
 その大会の日になった、競技前にハンナは今回はトレーナー役の部長にだ、準備体操をしつつこう言った。
「実は数日前から」
「どうしてたの?」
「練習は続けて」 
 そのうえでというのだ。 
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