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オズのベッツイ

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第八幕その十

「言っておくけれどね」
「それじゃあ」
「ええ、その時はね」
 ウーガブーの国に戻ったその時はというのです。
「楽しみにしておいてね」
「わかりました」
「そういうことでね」
 こうしたお話をしてです、一行はお昼も楽しんででした。
 さらに先に進みます、周りには黄色の木々もあります。
 その黄色い葉と枝、幹の木達こそ一行がウィンキーの国にいる証拠です、周りは村や民家も見えます。その村や家を見てです。
 猫はしみじみとしてです、こうしたことを言いました。
「この辺りも今はお家が増えたわね」
「そうね、昔に比べたらね」
「ずっと増えたわ」
 そうなったと言うのです、ベッツイにも。
「昔よりもね」
「ずっと増えたわね」
「ウィンキーはオズの国で一番未開でね」
「人もあまりいなくて」
「この辺りまで来たら」
「もうそれこそ誰もいなくて」
 かつてはそうだったというのです。
「寂しいところだったわ」
「そうだったわね、けれどね」
「今はね」
「こうして村もあって」
「お家も出来て」
「田畑もあってね」
「いい場所になってきたわね」
「森や林もそのままでね」
 木々は健在で、というのです。
「いいわね」
「そうね、あたしもこの場所好きよ」
 今のこの場所をというのです。
「とてもね」
「私も。オズの国も広くなってしかも人が増えて」
「前よりもずっといい国になったわね」
「私が来た時も最高の国だったわ」
「あたしが心を持った時もね」
「それでもね」
「最高で終わりじゃないのよ」
 猫はこうも言いました。
「最高はさらにね」
「上があるのね」
「お空と同じよ」
 猫はここでお空を見上げました、黄色いウィンキーの国の上の空はとても青く何処までも澄んでいます。
 そのお空を見上げてです、猫はベッツイに言いました。
「お空は何処までもあるでしょ」
「何処までも上があるわね」
「そう、だからね」
「最高にしても」
「最高のさらに上があって」
 それで、というのです。
「何処までも上があるのよ」
「そういうことなのね」
「そう、だからね」
 それでだというのです。
「オズの国は前よりもずっといい国になったし」
「これからも」
「そう、どんどんよくなっていくのよ」
「最高って言っても終わりじゃなくて」
「その最高の中でも層があるの」
 これが猫の考えでした。
「そうしたものだから」
「この辺りもいい場所になったし」
「他の場所もそうよ」
「どんどんよくなっていくのね」
「ええ、そうよ」 
 猫は今度はベッツイにお顔を向けて言いました。 
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