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オズのベッツイ

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第六幕その二

「エメラルドの都でそうして遊びたい時はね」
「はい、そうさせてもらいます」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「そうした魔法の道具は私も使わせてもらったけれど」
「何かあるんですか?」
「さっきの鳥もそうだけれど死の砂漠から無効は行けないわよ」
 それは無理だというのです。
「その手前で止まってしまうのよ」
「そうなんですか」
「オズの国から出るにはね」
「私達みたいにですね」
「そう、門を潜らないといけないから」
 学園の時計塔の一番上等にあるそこをというのです。
「だからね」
「オズの国から外には出られないですね、お空を飛べても」
「そのことは覚えておいてね」
「わかりました、けれど」
「オズの国にいたらよね」
「別にいいです」
 その時はというのです。
「オズの国にいたらオズの国から出る理由はないですから」
「それだけでよね」
「はい、満足出来ますから」
「そういうことね」
「そう思いますから」
「貴方達五人はオズの国からあちらの世界を行き来出来るからね」
 それでというのです。
「そのことも安心していいわ」
「帰ろうと思えばですね」
「そうよ、帰られるしね」
「死の砂漠を越えられなくてもいいですね」
「ええ、そうなるわね」
「そうですね、それにしても本当に色々な魔法がありますね」
 ナターシャは今度はしみじみとして言うのでした。
「オズの国には」
「そうでしょ、オズマ達がいつも研究しているからね」
「お空を飛ぶことも出来るんですね」
「さもないとどうしてもっていう時もあるから」
「お空を飛べないと」
「メリーゴーランド山脈の時だってそうだったわね」
「はい、確かに」
「だからね」
 それで、というのです。
「お空を飛ぶ魔法も必要なのよ」
「必要だから生み出されたんですね」
「魔法も科学も同じよ」
「あれば便利だからですね」
「研究されて開発されていくのよ」
 様々な魔法がというのです、そして科学も。
「そういうものだからね」
「それで、ですね」
「お空を飛ぶ魔法も開発されたのよ」
「成程」
「さて、お空のお話はいいけれど」
 ここでベッツイは話題を変えました。
「そろそろ暗くなってきたから」
「あっ、夜ですから」
「休みましょう」
 こう皆に言うのでした。
「そろそろね」
「わかりました、それじゃあ」
「早速テントを張ってね」
 言いながらです、ベッツイは早速でした。
 道の横にそのテントを出しました。男の子用と女の子用のものを一つずつです。そしてそのうえでなのでした。
 テーブル掛けも出します、今晩のメニューはといいますと。
「今晩はこれですか」
「ええ、どうかしら」
 お鍋です、その中に様々なお野菜や魚介類が入っています。特にトマトが入っていてそれがお鍋を赤くしています。
「ブイヤベースよ」
「美味しそうですね」
「そうでしょ、これとね」
 パンも出して言うベッツイでした。
「これもあるから」
「今日も豪勢ですね」
「このテーブル掛けはどんなお料理もどれだけでも出せるから」
 それでというのです。 
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