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オズのベッツイ

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第四幕その七

「だからね」
「それでなのね」
「そう、普通にね」
「洋食は日本のお料理なのね」
 恵里香は首を傾げさせつつ言うのでした。
「ずっと違うって思ってたわ」
「じゃあ何で御飯なの?」
 カルロスも恵里香に尋ねました。
「僕達が今食べているのは」
「だって定食じゃない」
 恵里香はそのカルロスにも答えました。
「だったらね」
「御飯っていうんだね」
「けれどこのこともなのね」
「うん、日本っていったら御飯だよね」
「ええ、確かにパンも食べるけれど」
 それでもと答えた恵里香でした。
「日本人の主食はね」
「御飯だよね」
「それが第一ね」
 日本のお料理の主食といえばというのです。
「このことかもなのね」
「そうだよ、やっぱり洋食は日本のお料理だよ」
「違和感があるけれど」
「別に違和感持つ必要もないわよ」
 ベッツイもです、ハンバーグで御飯を食べつつ恵里香に言います。
「だってどの国のお料理もそうだから」
「他の国のお料理を取り入れてですか」
「自分の国のお料理にしているから」
「だからですか」
「ピロシキだってお饅頭や揚げパンからよ」
 ナターシャは恵里香に自分の大好物をお話に出しました。
「中に入っているわよね」
「あれはどう見てもお饅頭だね」
 神宝もナターシャに応えます。
「ピロシキは」
「そう、ボルシチはビーフシチューで」
「ビーフシチューはアメリカでも食べるけれどね」 
 ジョージも言います。
「奥州から来たものだよ」
「ブラジルは昔ポルトガルの植民地だったからね」
 ブラジル人のカルロスが言うことはといいますと。
「ポルトガル料理の影響が強いよ」
「ポルトガル料理からはじまったんだ」
「そう、ブラジル料理だってね」
「そういえば和食も」
 恵里香は最初から自分の国のお料理と考えているものからあらためて考えてそのうえで言うのでした。
「お豆腐も中国からだし」
「そうでしょ、他の国のものでしょ」
 また言うベッツイでした、恵里香に対して。
「他にもあるわよね」
「お味噌やお醤油も」
 調味料も挙げた恵里香でした。
「ああしたものも」
「他の国からのものよね」
「中国からです」
 和食には欠かせないこの二つの調味料もなのです。
「どちらも」
「それが日本の調味料になってるじゃない」
「このことも考えてみますと」
「そう、洋食もね」
 こちらもというのです。
「日本のお料理よ」
「そうなるんですね」
「そうよ、これでわかったわね」
「わかりました、そういえば前もこうしたお話をした様な」
「そうだったかしら」
「何か」 
 恵里香は首を傾げさせつつ述べました。
「そんな気もします」
「そういえばそうだったかしら」
「はい、けれど今のお話でわかりました」
「洋食のことが、よね」
「そう思います」
「それじゃああらためてね」
 恵里香は微笑んでベッツイに応えました。
「これから」
「はい、御飯をですね」
「食べましょう」
「面白いパーティーだね」 
 ココ=ローラムは定食を食べながらのその中で述べました。 
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