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『ひとつ』

作者:零那
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『記憶装置』


いっそ思い出達ごと...なんて馬鹿なこと考えて、改めて僕は馬鹿だと解る。

過去に囚われてるままじゃ今さえ真っ直ぐ生きれない。

涙流しても何も変わらない。
どんなに求めても報われない。
選んできた道は此処に繋がってた。
そして生きてる。

解ってる。
解ってるけど。
心の何処かは置き去りのまま。

ちゃんと保存はしてるけど本体には入れてない。
そんな携帯電話のメモリーカードみたいにして欲しい。

そしたらきっと辛く哀しい気持ちに心潰されることもないよね?
でも、そしたら、きっと大事な何かも失ってしまうのかな?
其れは嫌だなぁなんて。

やっぱりいくら考え続けても答えは変わらないのかな?

永遠に哀しみ続けるとしても、永遠に悔しさが拭われないとしても、それでも、それでも、やっぱり答えは変わらない。

何処かに置いておける記憶装置なんて無いこと、解ってるよ...

 
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