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『ひとつ』

作者:零那
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『時は廻る』


何気ない日々をただ転がり続け、でも、心の何処かでは何かを失い続けてる。

今でもずっと痛み続けてる傷を庇い、時に晒し、塞がらない傷を舐め続けてる。

それでも生き続けてる。
笑えてる。
あの頃の先に在った今が廻ってる。

苦しみの中には強さの花が咲いてた。
弱さの中には優しさの花が咲いてた。

孤独の中では深い闇が襲った。
喪失の中では悔しさ襲った。

気付いた。
どんなに願っても祈りは届かないと。
どんなに目を反らしても現実は変わらないと。
受け止めて、受け入れる。
それしかないと。

思い出は美化されるって誰かが何かで言ってたよね?
其れは本当?
ひとつも美化されない僕の思い出達は、いつまでも変わらない。
温かくて冷たい思い出達...
忘れたいけど忘れたらいけない欠片達ばかり...
共に在った証。

言い訳はしたくないんだけど、でもやっぱり恋しいんだ。
あの頃をもう一度やり直せたなら、あの時どうしてたかなって。
どうしてたら失わずに済んでたかなって。
どうしても考えてしまうんだ...

今でもこうして心囚われて進めないでいる。
いつまでこうしてるのかな。
こんな僕を、アナタ達はきっと笑ってくれてるよね?

 
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