| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

剣聖龍使いの神皇帝

作者:黒鐡
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第1巻
  サツキの過去×雑魚との力比べ

放課後の第一アリーナーで教師が見守る公式試合をする事となったので、石動はすぐにでもやっても構わないという感じだったがそうはさせないのが教師達である。で、暇になった俺らは見学席に座っていた。授業の邪魔になりたくないのが本心で、サツキは何か話したい気分なのか隣に座っている。沙紀もいるが、静乃は黒魔なのでここにはいないが。

「よかったら教えてくれないか?サツキの過去について」

「何で?『お前は兄である俺に褒められたいと思っていたんだろ?』正解よ、いつか話そうとしていたけど。私は兄様に褒められたいと思って行動をしようとしたけど、その前に諸葉が片付けてくれた。どういう不運かは知らないけど、あたしの住んでいた町は、次々と《異端者(メタフィジカル)》に襲われたの。お陰であたしは中学三年までに、十二回も引っ越さないといけなかった」

「転校続きじゃ、友達も作れなかったろ」

サツキが頷くが、寂しくは無かったそうで、サラシャの記憶があり毎晩夢にフラガに出会えた事。サラシャにとっては、フラガが全てだったと。

「それと最初に《異端者(メタフィジカル)》に襲われた後、家や学校を破壊しまくりだったけど、蒼い翼のお陰で現れるごとに家とかは無償だったのよ。それから出現のたびに、破壊活動をする化け物に対して白騎士機関よりソレスタルビーイングが大活躍をした。その時からその人達のお陰で今の私がいるのかもしれない」

「するとウチの社員が援助をしたという事か?それについては知っているけど、ちなみに名前は何て言ってた?」

「確か桜花さんだったかしら。二回目から何度か助けてくれたり、唯一の話し相手だったから。それで何回も引っ越す度に一緒に来てくれるから、正直助かったわ。蒼い翼は日本全国に支社を持つからどこに行こうとも、一緒について来てくれた。だから諸葉が蒼い翼本社に行くと言ったらもしかして会えるかもしれないと思った」

桜花か、今頃聞いていると思うが、前から嵐城サツキの話し相手を頼むと言っといたんだったか。テストでサツキが《救世主(セイヴァー)》だって分かってからか、前世があるのはサツキだけじゃないと分かり、桜花が蒼い翼やソレスタルビーイングに恩返しをするなら行きなさいと言ったそうだ。桜花は色々と背中を押したようで、だからこの外史でのサツキの性格が違うのかと思った。本来の性格はお調子者で猪突猛進だったと聞いているが、サツキがしようとする所を全て俺が回避させたようだ。

「桜花なら、今はウチにいるぞ。しかもソレスタルビーイング所属だから、今頃どこかで《異端者(メタフィジカル)》かドウターでも倒しているかもしれないな。サツキがここに来たのは俺目当てという事か」

「うん。ここに来たら兄様に会えるかもしれないと思って入学したら、見事兄様に会えた。それも前世並みに誇りや強さを持っていたから、でも漆原だけは羨ましいと感じた。もう一つの前世では一生の伴侶だと聞いた」

「まあなー。でも現世ではまだそういう感じではないから、サツキがいいなら俺はお前の恋仲になってもいいんだぜ?まあライバルが多いかもしれないが、自分に誇りを持って自分をアピールしてみろ。さて、放課後になったらアイツと戦うがサツキはもちろん観戦してくれるよな」

「ええ。あの屑に《救世主(セイヴァー)》とは何なのかを教えて欲しいわ、私は今回一緒には戦えないけど、・・・・あっ」

そう言ってから、俺はサツキの頭を撫でていた。それも座りながらだったが。今は俺とサツキは友人という枠に納まっているが、いつか俺の背中を護れるように強くなってほしいと俺はそう思った。そしたら沙紀から通信があるとの事だったので、サツキから離れてからアリーナーの外に出た。

「こちら亜鐘学園の灰村だ」

『流石隊長ですね、見事サツキさんの心を溶かしたようで』

「お前こそサツキの傍に居てくれた事を感謝しているが、何用だ?」

『率直に伝えますとドウターゲートの反応有りとの事で、月中基地支部にいるフェルトさんからの情報です。私も放課後になったらそちらに行きます』

「ドウターゲートとは、面倒な事になりそうだな。俺の力が知れそうだ、フェルトには情報提供感謝すると言っといて『聞こえてますよ一真さん』フェルトか、言う手間が省けたな。一応聞くが大きさは?『小型ゲートの模様です~』今度はミレイナか、そちらでは暇そうだな」

通信機を付けながらアリーナへ戻るが、俺の通信機は異空間だろうと繋がるのでサツキがいる見学席まで戻った。放課後の俺らの戦いに桜花が来るぞと言ったらとても驚いていた。で、放課後になったので、第一武道館の中央には俺と石動と腰巾着二人がいた。これから戦いが始まるという事で、『放課後特別実習』という名目で有り、俺が提案した事だった。見学席にはチラホラと人の姿もあり、教師陣が勢揃いして、アリーナを囲んでいた。

「桜花さんお久しぶりです!」

「その調子だと元気そうねサツキさん。それより大事になってますね」

見学席の下を貫くアリーナ直結通路の中で、サツキと桜花と沙紀が揃っていた。

「入学して三日で、もう七門を開いた生徒が二人『正しくは一人ですよ。諸葉様は別の力に目覚めたのですから』そうね、でもそう言う力を持っている事自体が、学園始まって以来だし、それが戦うというのだから、先生方の強い関心を惹いているのだわ」

「諸葉様はアイツの根性を叩き直すためなのですが、この人数には驚きですね」

そう言っていたが、俺の目の前にいた男は屑や下種と変わらない、倒しようがない奴だがその根性を叩きのめすために提案した事だ。容姿は相変わらず黒の戦闘服だが、相手はそれぞれのプラーナを纏い武器を手にしていた。あの腰巾着もプラーナを纏い、武器まで手に入れる事が出来たようだ。一振りの剣。奴は柄の長い巨斧を肩に担いでいたけどな。己の必勝を信じた笑みだったが、俺は何も持っていないが構えをしていたけど。

「準備はいいかい。灰村君?それと武器は?」

「俺の武器は拳のみで戦いますよ。別に舐めている訳ではないのですが、あんなのと戦うんだったら己の拳で根性を叩きのめすのみですから。徒手空拳でやってみます」

アリーナには審判役の田中教師もいたが、雑魚と腰巾着は素手のみでやると言ったら何か知らんが武器も使えねえのかよとか挑発を受けるが、静かに見ていた。雑魚と腰巾着の目の前にいて、では始めと言った瞬間に腰巾着二人が動いた。

「「があああああああああああ」」

「おっと危ない、剣を振りまくっては当たらねえよ!」

と言いながら腰巾着二人は、懐に入ってからの胸に拳で殴り飛ばした。飛ばしたら壁に激突していたが、外に出れば怪我はないから大丈夫だろう。あっという間に二人を倒したのか、雑魚は早く動くのだった。

「きへあああああああああああ」

奇声の如く雄叫びを上げてから、斧を振るが重さと速さで俺の胴体に入ろうとしたがそれは残像だった。それに気付くのが遅かったので、石動の懐にいき殴ったのだった。奴は反応出来なかったが、見事に耐えきって見せた。普通ならアンセスタルアーツの光技の剛力通だけど、俺は何も纏っていないオーラのはずなのに拳が重いと感じ取ったのは戦いをしている者以外も感じ取れた。

「舐めんなッ!」

石動はすぐさま軽業師のように空中でトンボを切って、音を立てて着地するが、俺の拳が効いたのか今頃になって痛がる。胸には戦闘服に拳の跡が残っていたからだ、石動が使った目にも留まらぬ早業や斬撃は基礎光技の一つで、神速通と言うらしいな。両足にプラーナを纏う事で通常では考えられない速力や跳躍力を得る、が俺にとってはこんなの遅く見える。本来なら両目にプラーナを纏う事で視力と動体視力を上げる天眼通というのと、拳で殴った衝撃も剛力通と金剛通の併せ技で、強度を高めた拳を叩きつけるため、剛力通とは比にならない威力を秘めている崩拳と言う。

「おいおい、もう終わりか?」

「けっ、今のはマグレに決まっている!」

「じゃあ今度はこちらの番だな?」

そう言ってから、姿を消した俺を探そうとするが、見学席と石動本人も探していたがどこにもいない。神速通を使っていたらオーラでどこにいるか分かるはずの石動でも、どこにいるか分からない様子だった。

「おいおいこの速度はマジかよ・・・・ぐっ!」

言い掛けた時には攻撃を与えていたが、斧でガードしようが姿が見えないのでガードしようにもガード出来ない。コイツは二年前から己の裡に眠るプラーナを鍛え、一年掛けて全ての基礎を習得したらしい。当然天眼通も使えるので、使って探そうにも速過ぎて見えない。

『おいおい、これくらいで見えないとはホントお前は雑魚に値する』

「ぐっ!出てこい!」

「俺はお前の目の前にいるんだよ!」

拳を放つ瞬間に斧の柄でガードしたらしいが、俺の拳の威力で後ろに下がった石動だった。二年かけて強さと傲慢さだったが、悪い夢を見ているかのような顔をしていたがこれは夢ではないと思いながら転がる石動の首根っこを掴んでからの投げ飛ばしながらの拳を体に痛めつけるようにラッシュの連続だった。いくら金剛通で全身硬化していようが、俺の攻撃は通っている。血反吐を地面に吐き捨てると、武器を構えていた。

「おや、まだやるの?正直言ってアンタ弱すぎだぜ」

「余裕ぶっこいてんじゃねえ灰村ああああああああァ。殺す!テメエはマジ殺す!その余裕振りをナマス切りにして、泣いて謝らせてから殺す!」

身を乗り出すようにして、巨斧の柄の底で何度も床を叩きながら、唾を飛ばして威嚇するが正直言って弱すぎる。

「口だけは余裕そうだな~♪」

「死にさらせやあああああああ」

石動が怒りに任せて猪突猛進して来るし、巨斧を滅茶苦茶に振り回す。クロックアップしなくとも暴風の如き圧倒的迫力負けをしているが、分かりやすい脅威だ事。

「遅すぎて欠伸が出てしまいそうだな」

巨斧の暴風圏の中に恐れずに、軽くジャンプしてから構える突進ざまに叩き込まれる斧を軽く避けてから、すれ違い様に石動の腹に本気のほの字も出ていないが圧倒的な力を軽くしてから胴のところへ拳を振るう。

「ンシャアアアオラゴイッヂョォォォォォ」

奴は怒りで痛みを忘れていたからなのか、すぐさま反転して襲い掛かる。目は血走りで何を言ってるのかさっぱりだ、それにコイツは敗北を味わった事がないようなので衝撃拳を浴びせようかと思った。

「おいおい、ちゃんと日本語で話せよ。コミュニケーション出来ねえぞ?『衝撃拳は三連ではなく二連で良いと思うぞ?』そうか?まあ人間相手には堪らないくらいの痛さと衝撃を伝えるからな」

背を向けながら、後方宙返りしながら独り言をしていた。もちろん中にいるドラゴン達の一体であるクロウとな、アイツは三連衝撃拳の威力を知っているから。最早クロックアップしなくとも、雑魚の目の前に向きながら二連衝撃拳をお見舞いしてやった。

「グハアアアアアッ」

後から衝撃が伝わりながら、壁に激突したが念力で奴をここまで来させてからの前のめりとなり、四つん這いとなる。屈服させながらの屈辱を与える。

「おいどうした?弱い奴は《救世主(セイヴァー)》の面汚しだと言ったが、今のお前はその面汚しのようだな」

そして奴の胸倉を掴みながら、投げ飛ばした後に火炎放射ではなく軽いドラゴンショットをお見舞いした。それを喰らった奴は、また床の上を転げていってから、無様に地を舐めていた。

「《救世主(セイヴァー)》がどうだこうだ言う前に、一度も敗北を味わっていないのならば、一度ここで弱い者の気持ちを知れよ。雑魚が」

転がった先の見学席に桜花と沙紀にサツキと静乃がいたが、まるで俺に額を地につけて謝罪しているような無様な格好となって、石動は悔しさに震えていた。力が違いすぎるのと、神速通ではない速度を出した半三次元戦闘は白鉄の真骨頂ではあるが、その領域内で見事俺の実力は雑魚以上に凌駕していた。ま、こちらはドウターゲートが開くまでウォーミングアップをしていたに過ぎん。

「待って」

審判役の田中教師が指示をし、俺は下がり倒れ伏したまま震えている石動の戦闘継続意志を確認しに行く。俺は普通に息をしていたが、拳からは熱気という水蒸気が放たれていたので、威力がどのくらいなのか喰らわなくとも分かる。最初から短期戦でやる所だったが、こうもあっさり過ぎて戦闘狂の俺は面白くない顔をしていた。戦いのエキスパートと言うのは、相手がどのくらいやれるのか動きだけで理解できるが、コイツの場合は調子に乗ったからこうなった。

「石動君、相手が悪すぎたな。これ以上やっても傷を広げるんじゃないか?最悪、君のお兄さんの名前にまでヒビが・・・・」

田中教師が膝を折り、倒れたままの石動に耳を寄せる。コイツはどこにでもいるチンピラなら、痩せたプライドを持つ者や弱い者を相手にした時だけ嵩にかかるタイプなら、ここで終了となるしゴングが鳴る。

「うるせえええええええええええええ」

だが奴は田中教師を突き飛ばし、立ち上がる。俺の強さを目の当たりにしても屈しない戦士だったが、本当に相手が俺だった事を後悔させてやるとも思った。まあたぶん二年前から教え鍛えていたという兄の薫陶の賜物だろうが、俺にそんな特攻は効かない事はここにいる誰もが知っているはずだ。

「ンゴラアアアアアアアアアアアアア」

巨体がロケットスタートのようにして跳び上がり、遥か天井まで届きながら体を天地逆さにして蹴る。この攻撃は重力落下が加算するために、勢いが半端ない程となる。流星群のようにして、俺目掛けて振ってきた。跳び上がってから斬ってくるが、軽く躱すかのようにしてバックステップする。俺の残像を残したが、奴が見ているのは斧を振り切るって一撃は建物全体を揺るがした。見学席にいる教師達も驚愕させたらしい。

「おいおい、地面を蜘蛛の巣状態にするとか本気か?」

今喋っているのは俺の残像であり、分身体である。本体はクロックアップしながら、動き回っている。

「ヒャハハハハハハァ・・・・。お前の逃げ足、殺いでやったぜぇ?」

「それがどうした、どんな風なフィールドでも戦えるのが本質だ。足場を滅茶苦茶にした程度でも、それは浅知恵だ」

不安定な足場となるが、冷静にいられるので奴は焦っていた。プラーナを武器に送り込み、パワーを上げたとしたら破壊力が増し、相手の体内に毒のような効果がある太白を使っているが、それを手で挑発して来いよ?とそんな感じであったが最後は三連衝撃拳で、サツキ達がいる反対側の見学席の壁にめり込んでからの火炎放射を浴びせてから二度と立ち上がらないようにしたのだった。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧