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剣聖龍使いの神皇帝

作者:黒鐡
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第1巻
  白騎士機関とCBが倒す化け物紹介

俺が私立亜鐘学園に入学出来たのは、蒼い翼やソレスタルビーイング所属だからだけではない事についてはもう知っているが。現代(いま)ではない、何千万年もの遠い昔に。地球(ここ)ではない、何億光年もの遠い星にて。英雄として戦っていたという前世を持つ特別な者達。前世(かつて)英雄(じぶん)の行為を、思考を、事績を・・・・記憶を夢という形で追体験する者達。悠久の時を経てもなお滅びなかった強固な魂を持ち、ついには転生を果たした者達。それが《救世主(セイヴァー)》である。

なお、その魂を輪廻転生システムにて現世にて転生を果たした者達は、最古な神とも呼ばれている創造神黒鐵が創ったとされている構築システムのお陰でこの世には異世界からの者達をこの地に呼び出す。異世界というのは、御伽噺による者達が多いが、この教室に座っている灰村諸葉=織斑一真=創造神黒鐵が唯一干渉出来る神である事を知っているのは一部の人間しか知らない。亜鐘学園創設者は、蒼い翼日本本社社長兼CEOをしている零達也。学園は《救世主(セイヴァー)》のみ入学を許された場所である。

『一真の旦那の場合は、最初から二つの前世持ちで創造神黒鐵だもんな』

『そうだなダハーカ。それに異世界からの英雄は輪廻転生システムを構築したのも俺となっているが、生憎俺は白鉄や黒魔でもない救世主らしいぞ』

『相棒の場合は、二つの前世持ちであり、創造神黒鐵の特徴としては赤龍帝や数々のドラゴン使いらしいな』

『そうだな。それに光技と闇術何か使わなくとも、俺は俺でやってやるけどな』

いくら輪廻転生システムを創り、この世に英雄の記憶を持った者達が生まれたとしたとしても、流石にドウターまでは倒せない様子だったな。にしても、さっき会ったサツキと静乃が二つの前世持ちでは恋人と右腕で妻だったと言う。サツキの前世名はサラシャ、聖剣の守護者フラガの妹。一方静乃の前世名は冥府の魔女または王佐の魔女で、右腕であり妻。

まあこちらにも妻はいるが、教室に入るとサツキと静乃は席に座り、護衛者沙紀は俺が座る一番後ろの席の後方にいた。そういう事情持ちではあるが、最初のホームルームが始まった。一年一組、クラスメイトは三十名で、全員《救世主(セイヴァー)》ではあるが俺らにとっては素人か雛だなと思う。自信や覇気が溢れているが、俺にとってはどこが覇気なのかが微妙だ。あとは教壇に立つ先生?を見たが、どっかの昔だなと思ったのは俺だけか?歳は四十くらいで、黒縁メガネに髪は七三分け、くたびれたサラリーマン風としか見えない。

「今日から一年間、君達の担任を務める田中太郎だ。よろしくな」

おいおい、名前がどっかの漫画にいた奴をパクったのか?それともただのおふざけなのか、偽名なのかまでは知らん。

「おさらいになるが、皆には是非聞いて欲しい。君達は特別な人間だ。それを自覚し、高校生活三年間で、優れた《救世主(セイヴァー)》になってもらいたい・・・・」

挨拶も凡人みたいだったが、教師の説明を聞く姿勢を見るに気を引き締めて、清聴しているのが見て分かる。俺と沙紀は最前線に出ていたから今更だけど、一応教師の説明を聞いていたがこんなの復習しかならない。居眠りでも出来るが、ここは普通校とは違うからな。

「・・・・具体的には《アンセスタルアーツ(源祖の業)》と呼ばれる、君達が前世で使っていた奇跡の力を、この現世でも自在に使えるようにならなくちゃいけない。今はまだ使う事は出来ないだろうし、本当に使えるのか半信半疑の者も多いだろう。しかし、我々教師陣がしっかりと指導をするので安心して欲しい。最初の一年は基礎ばかりの退屈なトレーニングになるだろうが、腐らず付いて来てもらいたい・・・・」

前世で使っていた奇跡の力をここでは《アンセスタルアーツ(源祖の業)》と大層いい名前だそうだな。それを聞いたとしても、俺の戦い振りは変わらない。俺はここで言う力を一切使わない力を持っている。だから前世で使っていたであろう剣や技は使えないけど、俺にはそれ以上な力を持っているし相棒達ドラゴンがいる。無論俺は異世界から来たが、私設武装組織ソレスタルビーイング最高司令官と蒼い翼日本本社社長兼CEOだからなのか、それぞれの力の使い方は熟知している。すると周辺を見ると、自分の手を見つめたりサツキはノートにペンで書いていた。田中教師の説明をメモってるのか?

「・・・・そうして一人前になったなら、君達は晴れて《白騎士機関(オーダー)》に迎えられる。その職員として有事の際には《異端者(メタフィジカル)》達と戦う事になる」

「はい、先生」

異端者(メタフィジカル)》というキーワードで恐らく質問何だろうなと思ったら、大当たりだった。男子の一人が挙手していたが、田中教師が名簿を見ながら彼の名を呼ぶと、ビッとした直立姿勢で起立をするがここは軍隊か?と思ってしまう程だ。自ら率先して質問をするやる気のあるクラスメイトだったが、異端者とドウターを双方とも戦える組織は今の所はウチだけ。

「その《異端者(メタフィジカル)》というのは本当に実在するんですか?入学前の説明でもそこだけはハッキリと教えてもらえませんでしたし、詳しくは亜鐘学園で聞けって」

「あ、それ私も聞きたかった」

「とんでもねーバケモノだったって本当スか?」

「ここ数年、ネットでよく『怪獣に襲われたんだけど何か質問ある?』とか、『モンスターに家が焼かれて人生オワタ\(^o^)/』って書き込みがまことしやかにあるけど、それの事何ですか?」

一人が質問すると他の生徒が次々と同調するが、俺は最後に言ったオワタの後に\(^o^)/を入れると言う事は一見するとふざけているか?と思う程だ。最初に起立した者以外の者達はガキらしい態度や口調をしていた。若いっていいねー、俺は何千年生きているか知らんけど、少なくとも肉体年齢なら二十代で精神年齢は何千何億だなーと思った。田中教師は頷きながら質問に答える。

「ああ、それはだね、君達《救世主(セイヴァー)》の存在同様《異端者(メタフィジカル)》の存在は一般人には決して知られてはならないと、国連の秘密会議で決まっているからね。噂話にフタは出来ないし、被害者の口に戸は立てられないけど、新聞やニュースでは流さないようになっているし、我々亜鐘学園関係者としても外部では資料等を見せる訳にはいかないんだ」

「という事は資料があるんですか、先生?」

田中教師は肯定すると、何やらリモコンを取り出して操作するが正直俺達は既に見ている。それも亜鐘学園以外の組織や巨大グループにな、それの情報提供を受けているのが《白騎士機関(オーダー)》にいる俺らのスパイ。実際は記憶共有者の者達が、情報をこちらに流しているから情報漏洩されてないと言うが実際は漏れまくりだ。教室前方にある黒板が真ん中から二つに分かれてから、機械音とともに左右へスライドして奥にあった液晶モニタが姿を現す。クラスメイト達はどよめいたが、俺と沙紀はこんなの俺らのとこにもあるくらいだ。

「じゃあ実際に・・・・と言っても映像だけど、皆にも見てもらおう」

田中教師がリモコン操作し、録画映像を再生させた。モニタを眺めていたが、これはまだ俺達が介入する前の映像だった。こいつを倒した後にゲートが出現した事により、俺らの組織が対ドウター戦や異端者を倒すエキスパートだと知ったらしい。画面一杯に海原が映り、音がやかましいのはヘリのローター音で上空からの撮影だった。もっと近くではないのか?という不満の声はないが、お前らの予想を遥かに超える一体が何万トンある巨大貨物船が、横倒しになっていた。巨大貨物船に匹敵する全長を持ち、転覆させるくらいの怪力を持つ木偶の坊だ。途方もないスケールの気持ち悪さではあったが、生理的に受け付けないのかハンカチで口元を当てている生徒が多い。まあ一見すればグロ映像を見ているようなもんだ。

「この海魔種は我が国に出現した《異端者(メタフィジカル)》の中でも、最大級のモノだ。百名を超える精鋭の《救世主(セイヴァー)》が投入され、六頭領(シックスヘッド)のお一人にして白騎士機関・日本支部長、駿河安藤が自ら統率をし、それでもなお殲滅するのに実に四時間もの死闘を要した。流石にここまでの《異端者(メタフィジカル)》は早々出現するものじゃない。それでも、こんな魔物としか呼べない相手と戦う事が《救世主(セイヴァー)》には求められるのだという事を肝に銘じておいて欲しい」

長い説明ありがとうと言いたいが、その言葉が届いたのは数人だろうな。あと最大級とか言うけど、それは白騎士機関だけだ。あとは時間の掛けすぎだな、四時間とかどんだけだよとツッコみたい。大半が唖然をしているが、魅入られるようにしてモニタに釘付けしてたな。海洋で暴れる超級を相手に、無数の救世主が鬼気迫る表情で挑む。全身に紅炎の如き闘気を纏い、水面を地上の如く走りながら剣技を振るう者達。軍用ヘリがいくつもの飛びながら、別の救世主が魔法を放っていた。これが救世主の力なのかと知るクラスメイト達。この弩級異端者を前に、獅子に群がる蟻であり、その蟻がここにいるクラスメイト達だと言う風に受け取る者も多い。映像は続くが、毒のブレスを吹く双頭の大蛇に六本の腕から炎を出す猿に、カメレオンの保護色を持つネコ科の猛獣のようなのは先ほどのより雑魚ではあるが、ここにいる生徒達には驚異的な戦闘力を持つ怪物だと思わせていた。四ツ目の巨人もいたが、田中教師の説明は続く。

「《異端者(メタフィジカル)》は六年前、突如として現れた。奴らがどこから来たのか、どんな生態をしているのか、未だ謎に包まれている。分かっているのは、奴らは人や街を襲うという事。そして奴らに対抗出来るのは我々《救世主(セイヴァー)》だけなんだ」

映像資料公開は十分程続いたが、その間に教室は静まり返った。そりゃあんな映像を見させるのは、教師にとっては普通に見えるが、入学してきた生徒にとっては脅しているように見えるからだ。先程までの進学校ムードからお通夜モードと化したからな。そろそろドウターについてを知る必要があるから、俺は手を挙げた。

「先生、最近になって噂されているドウターについての映像はないのですか?《異端者(メタフィジカル)》を倒すのが白騎士機関なら、ドウターを倒すのはソレスタルビーイングだと知りましたが、その辺はどうなのでしょうか?」

静まり返った教室だったが、俺が挙手をしたと思えば最近になって知ったドウターとソレスタルビーイングという組織名をサラリと言ったのか、田中教師は相当驚愕と何故知っているんだ?という顔をしていたので、お通夜モードと化した生徒達は再び声を上げたのだった。

「それと先程の映像にあった最大級を倒したのは、白騎士機関ではなくソレスタルビーイングが倒したと聞いてますよ。白騎士機関が倒したのは四時間掛かったと言ってましたが、対してソレスタルビーイングはたったの数分で終わらせたと聞いていますが?」

「た、確かに同じタイプを倒したのは聞いているが、なぜ灰村君は知っているのかね?それは極秘中の極秘で機密扱いのはずなのだが・・・・」

「俺にはソレスタルビーイングに関連する人物が近くにいるのですよ。沙紀、あの映像を見せろ?」

そう言ったら後ろで待機していた沙紀が、俺の命を受けてから真っ直ぐ教壇へと向かう。クラスメイト達も疑問があるはずだ、後ろにいる人物は誰なのかを。そして沙紀が持っていた端末から、液晶モニタに向けて赤外線で操作する。するとさっきまで映っていた最大級と同型タイプを機械的な人型が倒しながら、上空に浮かぶ戦艦が攻撃をしながら門があるのを確認してからゲートが開くと同時にドウターが数多くのタイプドウターが出てくる。それを察したのか、小型と中型はISで大型はMSなのだが、ソレスタルビーイングが所持している兵器だ。ドウターの雑魚を倒しまくってから、門番を倒してから謎の呪文で門を閉ざす映像で終わった。

「・・・・以上が対ドウター戦と対異端者戦での映像提供を終わりますが、皆さんの敵はあくまで《異端者(メタフィジカル)》なのでそれをお忘れなく。ドウターに関しては、ソレスタルビーイングが駆逐していますが、少数殲滅ですので。余り比べない事をおススメします」

「あなたは一体何者なのですか?校長先生に聞いても分からないと言われたのですが・・・・」

「私は諸葉様の護衛者であり、灰村様は織斑家と零家の繋がりを持つ御方。その名を知る者だと言っても構いません」

そう言ってから、モニタに映した映像回収させてから、映像を戻してから再び後ろに行った沙紀だった。ドウターについては分からなくとも、《異端者(メタフィジカル)》に関しては強いとだけ言っとこう。異端者はデカいだけの木偶の坊だけど、ドウターは数で圧倒する物量での攻撃をするバケモノだ。数の利があったとしても、多数で包囲して互いにフォローし合い、時間をかけて慎重に戦う事が救世主側のやり方。だから犠牲者は出ないような戦術を確立させて、皆も徹底的に学ぶ事がこの学校の存在意義。コイツらは特別な人間であり、この国では貴重な戦力だからなのか使い捨ての駒みたいにはしないそうだ。こちら側は圧倒的な力の差に屈服しろとまでは言わんが、ドウターと異端者を同時に倒せるので、火力集中にて即効で終わらせるのが、ソレスタルビーイング側である。 
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