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魔法科高校~黒衣の人間主神~

作者:黒鐡
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九校戦編〈下〉
  九校戦五日目(1)×氷柱作り見学とエイミィの破壊方法

九校戦五日目、新人戦二日目の朝でもあるが相変わらず俺達の朝はいつも通りの鍛錬を終えてから部下達とのミーティングを終えたばかりである。そして一真と深雪に蒼太と結衣、沙紀は会場上空にいるトレミー3番艦でシャワーを浴び終ってから準備中の氷柱を見学していた。野戦工作用の特殊車両が大型の機械アームで1m×1m×2mの氷柱を等間隔に並べていく。まるでGNビッグクローで運んでいるような感覚であったが、氷柱を作る機器も見学した。

「これはこれは一真様に深雪様、アイス・ピラーズ・ブレイクの製造過程の見学でございますか?」

「まあな~、名無しと深雪が出るのでな。どういう風に作られているのか見てみたくて何だが、型と水で凍らせるまでの作業は魔法のようだな」

「私が使う冷却魔法のようですね、お兄様流で言えば型に水を入れてから冷凍ビームで凍らせている感じですね」

「我が社で使う最新のなのですが、氷柱作りはまだまだ時間かかるのですよ」

しばらく見ていたが、名無しの時は氷柱を自分で創ると蒼い翼に言ってあるから、アイス・ピラーズ・ブレイクの予選にて深雪の後に名無し=俺が出る事となった。そんで名無しが型を空間から取り出して、瞬時に凍らせる。相手をどうするかだが折角なので、ショットガン型のデバイスを持つ蒼い翼の社員に任せる事にした。そうじゃないと、同じ一年生だがレベルが違い過ぎるというのは早撃ちで見せたので、ハンデとなった。

「さてと、そろそろ行こうか深雪」

「はい。お兄様がどういう風に壊すのかが楽しみです」

櫓の根本に隣接する控え室に向かったが、ここを来たのは深雪の試合後に創る課程を見学する予定だったからだ。最初の試合である一回戦第一試合の開始まで、まだ三十分以上あるが、余裕を持って会場入りした。

「おはようございます一真君に深雪」

早く来すぎたかなと思ったが、どうやら先客がいたようだった。第一試合の出場選手であるエイミィが来ていた。

「おはようエイミィ、早いな。昨日は眠れなかったのか?」

「あははは、目覚まし時計が鳴る前に目が覚めちゃって。昨日の興奮がまだ抜けていないみたい」

「昨日の興奮って早撃ちの事?まあ確かに興奮はするわね」

興奮というと名無しが早撃ちや波乗りで活躍した事で、一年女子達は特に興奮をしていたのだった。一年生男子は逆に薄かったので、正直男子も活躍したかったが名無しが予想以上な力を発揮させたので予選でプレッシャーに負けてしまったようだ。あとエイミィは随分前に説明したと思うが、イングランド系のクォーターで「エイミィ」という愛称は「英美」より「アメリア」という英国名に由来している。

魔法師としての能力は遺伝的素質に大きく左右される。魔法が国力と強く結びつくのか、各国は魔法師の血を囲い込み、公然或いは非公然と魔法師の国際結婚を禁止するようになったが、表向き婚姻の自由を標榜する日本では非公然らしいけど。一般人達の祖父母世代では、「優秀な血」の「交配」によってより優れた魔法師を「開発」すると言う目的から、同盟国間で魔法師の国際結婚が奨励された時代だった。結果、魔法科高校には全高校の平均を上回る比率で、西欧系及びインド系の血統を持つ生徒が在籍している。

レオもその一人でエイミィもだけど、早撃ちでも一緒になったのだが既に打ち解けていて、名無し=俺というのは知っている。というのも、エイミィや担当する女子選手達も打ち解けているので問題はない。深雪とエイミィが話し込んでいたので、その間に俺はケースからデバイスを取り出してチェックしてから手渡す。少女の手には似合わないと思うのは俺だけかもしれんが、全長五十センチの無骨なショットガン形態・汎用型CAD。反動を考慮してないが、俺らが使う実銃のショットガンよりも軽量化されてはいる。普通の拳銃形態よりも重量あるが、ウエスタンのようにクルクルと振り回し窓の外へ向けてピタリと構えを取っていた。ちなみに本来なら特化型のだが、これも俺特製のなので汎用型となっている。

「・・・・エイミィ、本当はイングランド系ではなくステイツ系じゃないのか?」

「一真君まで、まあ深雪も何度もそう言われているけど違うと言っているよ。グラン・マの実家はテューダー朝以来『サー』の称号を許されているんですよ」

1485年~1603年に英チューダー朝、ゴールディ家にサーの称号を許すとどっかの歴史書に書かれてた気がする。口にした内容で反しているが、そのままのポーズでデバイスに想子を流す。いつの間にセーフティを解除したのか、俺のとはまた別の意味で鮮やかなデバイスアクションである。

「どうだ?」

「うーん・・・・いつもよりも力が違うかもしれない。こりゃ、雫の気持ちが分かる気がする」

大富豪・北山家のご令嬢である雫が、俺を「お抱え」にしようとよくアプローチしていたのを見ていたエイミィだったが、その意味がやっと分かったように見えた。その事については、一年女子チームの間に知れ渡っている。他の調整者と俺がやるだけで全く違うと言うほどだから、一年女子は出来れば見てほしいと言っているが上級生の調整者のプライドをぶっ壊すぐらいあるから断ってる。

「問題はなさそうだが・・・・どうかな?」

「うん!バッチリ~」

構えを解いてニコッと笑うエイミィだったが、ルビーの髪とモスグリーンの瞳以外は日本人の血が入っているので、他の一年女子と比べれば同級生というより少し子供っぽい印象がある。今の笑みも「ニコっ」ではなく「にぱっ」という無邪気な笑顔だった。

「ふむ・・・・少し調整するからちょっとだけ動かないでくれ。調整する」

「えっ?なぜですか?」

「見た目は分からないと思っているだろうが、早起きじゃなくて眠れなかったのだろう?」

「あははは・・・・やっぱり一真君は見てるね。ウチの親よりも鋭いかも」

素直に動かないで、手をかざしてからエイミィの測定を始める間にノーパソを開いてから計測数値がディスプレイに出てから、俺の表情は険しくなっていく。表情の変化と共にエイミィの身体が縮こまっているように深雪は見た。まあその表情は数値的には、どうなんだろうと思った深雪とエイミィである。

「もしかしてエイミィも、安眠導入機(サウンド・スリーパー)を使わないのかな?」

「もっ、て事は一真君も?『深雪もだ』あらま~ここにお仲間が二人もいるとは思わなかったよ~」

深雪も、というと俺もあれについては気持ちが悪いと思っている。妙なウェーブが出ているから、あとは使わない人は織斑家だけかもしれないけど。

「一応健康には害はなさそうだけど、寝不足で負けるのは言われたくないだろう?眠気を取るような事を少しやるから、しばらく動かないでもらえると助かる」

と言ってから、そこに座ってと言ってから座らせた後に背中を手に置いてから、光の粒子をエイミィに注ぐ。注いでから数分経つと、眠気やら疲労が無くなっていつでも試合が出来るようになったエイミィと粒子注いだ後にテキパキと調整を行ってから一回戦を終えた後、仮眠を取るように言ったのだったけどね。仮眠を取る事で集中力を補えると言ってから、エイミィを自然体になって眠らせた。感覚遮断カプセル(完全防音・防振・遮光の閉鎖型ベッド)など必要がないので、エレメンツの一つエスパーで仮眠程度に熟睡したのだった。エイミィはチャージ中自陣残り十本となったが、試合風景はどうなったというとだ。

『第一試合第一高校明智英美さん』

「いよいよだけど、あのデバイスはもしかして・・・・・?」

「会長の推測は当たりで、あれも織斑君が一から作り上げた汎用型のショットガン形態の模様です」

「汎用型小銃形態でも驚きぱなしだったのに、一真君は色々と準備しているんだね。照準補佐がある小銃形態の汎用型もそうだけど、今度はどんな補佐がついているのかな?」

と第一高校のテントにいた真由美達は、エイミィが持っていたショットガン形態のデバイスを汎用型と見た。これは元々は特化型のを使うはずだったが、エイミィが使う形態を聞いた一真が一から作り出したショットガン形態ので使ってみたら、こっちの方がいいと言ってとても気に入ってもらえた。この汎用型ショットガン形態は、能力をトリガーメモリとルナメモリの能力を使えるようにしたものだ。

『いいかエイミィ、これはまだ俺しか使った事のないモンだ。こいつで一気に破壊する事が出来る』

『使い方は分かりましたけど、相手が攻撃してきた時はどうすればいいんですか?私はあまり守りが苦手なんですけど』

『問題ない。例え攻撃してきた時でも汎用型のこいつが、撃つ間に守護できるような機能も入れてある。こういう風にな』

一真が一度汎用型のショットガン形態に対して相手は蒼太で、やってみた。そしたら相手が攻撃してきたとしてもこちらは想子注入中に、氷柱を守護するために情報強化ではない対抗魔法で使う事で氷柱はノーダメージだった。そして十秒後にフルバーストを撃った後に、弾が分裂となり十本の氷柱に向かって溶かしたのを見た深雪とエイミィ。

「(大丈夫、一真君がやったようにやれば問題なく作動するんだから)」

まもなく試合開始の合図が出た後の対応は、観戦していた生徒や対戦相手をも驚かす事を仕出かしたエイミィ。チャージ中に、氷柱をターゲットロックオンさせてから対戦相手からの攻撃を全て防ぐかのような魔法?だと思っていたら、エイミィは引き金を引きながら叫んだのだったけどね。

「チャージ完了と共に、トリガーフルバースト!」

撃った後に、全氷柱が当たったと思ったら、既に溶けていたのだった。エイミィが使ったのは氷柱を溶かすぐらいの火炎弾を作り出す間に、氷柱を守護する補佐として無意識に情報強化をするような感じではあるが、実際は無効化の補佐能力で対戦相手からの攻撃を無効化させた。氷柱を溶かすぐらいだと、熱乱流(ヒート・ストーム)という500℃超の空気塊を作り出す魔法だと思いがちだが実際は違う。一つの弾を撃った直後に分裂させる魔法というのはそもそもないに等しいと思われるが、昨日の名無しがしたような感じである。

「これって一体何が起きたの?明智さんはどういう魔法を使ったと言うのかしら?」

「織斑君が言うのなら、あれはショットガン形態の汎用型で照準補佐ではなくチャージ中に色々ある補佐能力が発動するらしいですよ。溜めている間に照準・氷柱への攻撃妨害及び強化と対象物に対してどのように破壊効果を得るとかを、デバイス自身が持ち主の補佐をしてくれると言ってました。放った弾丸は一発でしたが、ターゲットである十二本の氷柱に向かって分裂してから溶かすほどの熱を使ったのだと思われます。これも織斑君のオリジナルらしいですよ」

「チャージ中に色んな補佐をするデバイスがあるなんて聞いた事がないが・・・・一真君が用意した最新技術の一部なのかね」

「織斑君曰く蒼い翼での独自開発をしたデバイスだそうで、これをFLTで仕上げをしたそうです。彼は色々と大きなパイプを持っていそうですね、あと魔法は主に氷柱を溶かすので何万度する火炎らしいですよ」

終わった後に櫓から控え室に戻ったエイミィを待っていたのは、汎用型デバイスを創った張本人である一真だった。そして使い方をマスターしたエイミィだったが、これの使い方を間違えるとアクシデントが起こるので今回だけだと言ってから、少し調整をした後に二回戦が始まるまでは仮眠をしたのだった。ショットガン形態の汎用型という事で、今回使用したのはある機体の攻撃方法を見てから作り上げた。あとは自陣の氷柱を破壊させたのは、いくら情報強化でもおかしいと思われるので二本だけは無防備状態とした事で全てが情報強化だと思わせた。 
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