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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories

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SAO編 Start my engine in Aincrad
Chapter-6 圏内事件
  Story6-8 手料理と真相

第3者side


シュミットを無事本部にまで何事もなく連れて行くことは出来た。

その後、グリムロックが通っていた2つの店に分かれて張り込むことにし、フローラとシャオンは20層のフィールドにいた。

「ねぇ、こんなところで何するの?」

「貫通ダメージのことが気になってさ、ちょっと試そうかと」

「えっ?」

「貫通ダメージは圏内でも継続するのかなーって思って」

「どうなんだろうね」

「だから実験するんだ」

「ダメ!絶対ダメ!」

フローラはシャオンがしようとしていることを全力で否定する。

「圏外じゃ、何が起こるか分かんないんだよ!?」

「大丈夫だって。んじゃ、やるよ」

「う、うん……」

フローラは回復結晶を持って待機している。

「大げさだって」

「そんなことない!」

「はいはい、分かったよ。

じゃ、やるよ」

シャオンは手袋を外し、左手にスローイングピックを投げた。


ガスッ

不快な感覚が残る。

「速く圏内に入って!」

シャオンとフローラは圏内に入った。

「止まるみたいだな」

シャオンはピックを抜く。

「してみるもんだなー……ってうわっ!?」

最後の声は、シャオンの左手をフローラが胸の前で握ったことによるものだ。

「もう危ないことしないでね!」

「うん、分かった」















◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆















その後、20層主街区の小さなレストランに2人はいた。



フローラが重い口を開いた。

「あの黒いローブの人、グリセルダさんなのかな?
あのシュミットさんの怯えよう、見ちゃったら私も……」

フローラの表情は暗い。

「いや、それは絶対にない」

シャオンは完全にそれを否定していた。

「え?」

「幽霊が転移結晶なんて使うわけが無いだろ?


それにさ、本当に幽霊なら逃げる必要あるか?」

「え?どう言う事?シャオン君?」

フローラはその意図がわからなかったようだ。

「圏内での、こっちの攻撃はまるで当然通じなかった。
システム的に守られていた。

でも、あっちの攻撃が通じるというのなら逃げずに向かってくれば、こちらを圧倒できるだろ?
なのに、それをせずに転移結晶で逃げたんだ」

「!!」

フローラはあの時不安だった。

不死属性のプレイヤーが襲ってくるも同然なのだ。

それは睡眠PKより確実なものだ。

生命であるHPを一方的に削る事が出来る相手かもしれないからだ。

だが、シャオンは逃げられたといって、無事に帰ってきた。

そのため、安心してしまい忘れていたのだ。

「でもなー、これだけじゃ事件のパズル穴だらけなんだよな」

シャオンのその表情はピースが足りていないという感じだった。

「じゃあ、気分転換にこれ、どーぞ!」

フローラは包みを差し出す。

「くれんの?」

「美味しいもの食べてリフレッシュしないとね?」

「んじゃ、お言葉に甘えて」

シャオンはそれを受け取る。




紫がかかった色の包み。

それを開いて見るとバゲットサンドが入っていた。

「そろそろ耐久値が切れて消滅しちゃうかもしれないから急いで食べた方が良いよ?」

「リフレッシュできないじゃん」

「ゴメンゴメン」

「んじゃ頂きます」

会釈を言い、口にそれを運ぶ。

「!」

シャオンは一口目で驚愕。

食べた事の無い味だった。

そう、一言で言えば

「美味しい」

「ほんとっ??」

フローラはシャオンが呟いたようなその言葉を聞いていたようだった。

身を乗り出してフローラに聞く。

「うん、美味しいよ。この世界に来て一番」

「わっ♪」

ガッツポーズをするフローラ。

「てか、いつの間に仕入れたんだ?」

「こう言う事もあるかと思って朝から用意してたの」

「メシのこと全く考えてなかったなぁ。


で、これは何処から仕入れたんだ?こんなに美味いのはこの世界で初めてだからさー」

シャオンがそう聞く。

「売ってないよっ♪お店のじゃないからね?」

フローラのその一言。

それを聞いてシャオンはすぐに気づく。

「そっか、手作りだったんだ。ホントに美味しいよ」

「でしょ♪」

フローラはにっこりと微笑んだ。

「でもさー、ずっとこうするのもあれだよね」

「まぁ、そうなんだけどね……」

シャオンは暇なので取り出したポーションを開けて飲む。

「シャオン君、そんなことして大丈夫なの?」

「えー、だって暇じゃん」

飲み干したポーションの残骸を床に落とす。


それは無数の硝子片となって、消え去っていった。

「ポイ捨てしちゃダメじゃない、シャオン君!

……シャオン君?」

フローラはシャオンの表情に気がつく。

残骸が砕けた場所を凝視していた。

「どうかしたの?」

フローラはそう聞く。





シャオンの中でかけめぐる情報。


「……繋がった」

「えっ?」

数秒後、店内に響くシャオンの声。

「そっか、そうだったんだ」

「シャオン君、どうしたの?」

「この事件のパズル、ようやく完成が見えてきた」

「えっ!?」

「俺達は……何も見えていなかった。
見ているつもりで、何も見えていなかったんだ。
違うものを見ていたんだ。

圏内殺人、そんなものを実現する武器もロジックも最初から存在しなかったんだよ」















Story6-8 END 
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