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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories

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SAO編
Chapter-3 転機の連続
  Story3-8 希望の種と仲間の言葉

第3者side


シャオンは38層の迷宮区の中の隠し扉についた。

「シャオン!助けてくれ!」

スコールが叫ぶ。

「………分かった!!」

部屋に入るとボスモンスター。

同時に背後の扉がしまる。

『The Great swordsman of the accel』

「おいおい……マジかよ」

「シャオン!どうする!?」

「……アルト、落ち着け。

入り口が塞がれた以上、戦うしかない。スイッチしながら戦うぞ」





攻撃を五人でスイッチしながらすることで、一人一人の負担を最小限に抑えて行き、確実にHPを減らした。


「よし、もう少しだ!」

『The Great swordsman of the accel』のHPがバー残り一本分に差し掛かったところで、

ガァアアアアアアア!!!

「!!!」

『The Great swordsman of the accel』が咆哮した。

しかし、そこでシャオンたちは自分たちの異常に気がついた。

「っ!?そんな!」

「体が……動かない!?」

「不味い!麻痺だ!」

「そんな!?じゃあどうすればいいの!?」

全員が麻痺し、どうしようもなかった。


「みんな……っ!」

必死に手を伸ばそうとするシャオン。その手は、誰にも届かなかった。


「アルト!!!レン!!!スコール!!!」

重い一薙ぎでアルトとレン、スコールがHPバーをあっけなく減らし、爆散した。

その余波攻撃だけでユフィーが爆散する。

「ユフィー!!」

『The Great swordsman of the accel』はシャオンを次のターゲットに絞込み、シャオンに向かって歩み始める。

「動け、動けぇぇぇぇぇ!!!!」


どんなに叫んでも体が動くことはなかった。

「ここまでなのか…………こんなとこで死ねっていうのか!!」

『The Great swordsman of the accel』の剣がシャオンを貫こうとした。

「やめてぇえええええ!!!」

その時、シャオンは死を覚悟し、目を閉じた。しかし衝撃がいつになってもこなかった。目を開けるとそこには

「…………!!」

『The Great swordsman of the accel』の剣によって貫かれたユナの姿があった。

「ユナ………何で………」

刺されていた剣は抜かれ、ユナは麻痺が解けたシャオンの体に寄りかかった。

「………何でだよ」

「泣かないでよ………」

ユナが今にも力尽きてしまいそうな声で呟いた。

「シャオン……私たちの最後のお願い、していい?」

「…………こんな時に……何言ってんだよ」

シャオンは涙を止めることが出来なかった。
何もすることが出来なかった。

「私はもう、これで、いいの………

だから…………シャオン。絶対に………クリア……してね」

「……………うん」

「…………ありがとう、シャオン…………」

ユナが静かにその身を散らした。

「………………………っ………………………




ふざけんなぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

瞳からハイライトが消えて青く染まり、髪に青いメッシュができる。



『The Great swordsman of the accel』はそんなシャオンに向かって再び攻撃しようとした。

しかし、二刀流にシフトしたそのスピードにはついていけなかった。


「お前が! お前が! お前が! みんなを!!!!

消えろぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

『The Great swordsman of the accel』を軽く上回るスピードと手数で攻めていく。

グォアアアアアアア!!!

『The Great swordsman of the accel』から悲鳴があがるが、シオンは攻撃の手を緩めない。

「お前が! スコールを! アルトを! レンを! ユフィーを! ユナを! みんなを!!!! 殺したんだ!!




エクスパート…………ドライバーァァァァァァ!!!」



連二刀流スキル20連撃技〔エクスパート・ドライバー〕

それからもシャオンの猛攻は止まることがなく、そして
『The Great swordsman of the accel』は、ポリゴン片となって散った。

その後、シャオンはフレンドシッパーのホームに戻った。
















◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆














シャオンside

その日の夜、俺は一人、フレンドシッパーの本部の部屋でぼんやりとしていた。


そんな時、俺の元に一通のメールが届いた。
相手はアルトからだった。俺は慌ててクリックすると、メッセージ記録クリスタルが6個出現した。

一つ一つ聞いていった。

『ヤッホー、シャオン。これを聞いてるってことは、私はもう死んじゃったわけなんだけども、シャオンが寂しくないようにこれを送るね』

ユフィーの声だった。

『今までありがとうね。シャオンが来てくれて、すごく嬉しかった。こんなに頼れる人が側にいるんだ、って。

君に会えなかったら、私、もっと前に死んでたかも。
君みたいな温かい人に会えてよかったよ!

それじゃあねシャオン、会えてよかった。ありがとう』

次のメッセージをクリックする。レンからのメッセージだった。

『これ聞いてるってことは、俺もう死んでるな。

シャオン、ありがとう。攻略組で、俺たちに関わる必要なんてないのに、丁寧にレクチャーしてくれたお陰で俺たち強くなれたし、楽しかった。

お前の温かい心が、俺は好きだったなー。

じゃあな、会えてよかった』

さらにクリックする。

『よっ、シャオン。俺死んじまった。

シャオンのセンスには驚かされたけど、もっと驚いたのは教えるの上手だったことだったな。

人のことを考えられて、行動できるお前なら、この先も攻略組としてやっていけるよ。

優しいお前に出会えてよかった。じゃあな』

スコールのメッセージだった。

さらに2つ順にクリックする。

『シャオン。これを見てるってことは、多分私死んでるね。

シャオンが地下水道で言ってくれたこと、今でも覚えてる。でもね、私、いつか死んじゃうって思ってたの。

私にその意志がなかったから。

だから、気負わないでね。シャオンはシャオンのままで、優しいままでいてね。
さようなら、シャオン』


『シャオン。今まで、俺たちのために時間を割いてくれてありがとう。すごく嬉しかった。

お前はビーターでも、攻略組でもない。シャオンっていう一人の人間だ。
だから、今後も誰かをその優しい心で守り続けてほしい。

さようなら、シャオン』


「うっ………ううっ………うああああっっっっ!!!」

涙が止まらなかった。

その震える手は6つ目のクリスタルを起動していた。


『「ヤッホー!シャオーン!フレンドシッパーのみんなでーす!君が自殺しないようにみんなでメッセージを送ります」

「ところで、俺たち一人一人のメッセージを見てくれたかな?」

「聞いてるってことは、多分、俺たちもう死んでるね」

「でも、シャオンには気負わないでほしいんだ」

「私たちはシャオンの優しさに、温かい心に助けてもらったから」

「枕投げしてワイワイ騒いだとき、本当に楽しかったよ」

「それ話題から離れてるよ」

「まぁ、いいじゃん。

で、私たち、あの時もうギルドホームのお金、貯まってたんだ」

「でもね、私たちはシャオンに何一つ御返し出来ないのが嫌で、お金稼ぎに行ったの」』

俺はっ………十分過ぎるぐらいに……人の温かさを……君たちからもらっていたのに………

『「結局死んじまったけどな。

シャオン、これは俺たちからの最後のお願いだ」

《生きて、このデスゲームをクリアしてほしい》

「シャオンがこの世界で歩いた証を、私たち5人で空の上からずっと見てるよ」

「最後に言葉を送るよ、英語でな」

《Even if we are far, it is a friend all the time》

「「「「「バイバイ、シャオン。ありがとう」」」」」』


「うああああっっっっ!!

………くそっ…………くそっ………!!」


大切な物は、失って初めて気づく……その言葉の真意に初めて気づいた気がした。


スキルリストに追加された、ユニークスキル『SEED』
君たちがくれた『絆』のスキルだと、信じたい。











俺は……君たちと生きた証を忘れない。


メッセージにつけられたペンダントと写真。

6人で笑いあった短い時間を、俺は忘れない。


スコール、アルト、レン、ユフィー、ユナ。



『俺の手が、誰にでも届くように……強くなるから』

見ていてくれよ………



写真入りのペンダントの裏で
《Even if we are far, it is a friend all the time》の文字が月明かりで輝いていた。
















Story3-8 END 
 

 
後書き
こちらもキリトでいう月夜の黒猫団のポジションである、ギルド『フレンドシッパー』


シャオンは強いですね。

『俺の手が、誰にでも届くように……強くなるから
見ていてくれよ………』なんて普通、大切な人をなくした人が言うセリフじゃありませんよ。

シャオンの芯の強さ、心の優しさを表す回でした。

ちなみに英文は自ら考えています!

今回は、フローラ一人でいつものやってもらいましょう。

フローラ「次回も、私たちの冒険に! ひとっ走り……付き合ってねっ♪」 
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