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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第十五話 テキーラの国からその十

「さらにです」
「国際色豊かになるんですか」
「左様です、そしてその方はです」
 畑中さんは僕達にさらに話してくれた。
「今日の午前中に来られますので」
「じゃあ午後にはですか」
「ご自身のクラスに入られます」
「そうなんですね」
「どうも八条荘に入られる方は」
 畑中さんはここでこんなことも言った。
「朝のホームルームでご挨拶ということがあまりないですね」
「それが日本のならわしよね」
 ラブポーンさんが畑中さんの言葉を聞いて言う。
「転校した時は」
「左様です」
「そういえば少ないですね」
 ラブポーンさんは畑中さんにもこう言った。
「私達の場合は」
「はい、何故か」
「途中から来る人も多くて」
「何か翌朝です」
 転校した次の日にだ。
「あらためて挨拶が多いです」
「挨拶をされるにしても」
「後になっていますね」
「そうですね」
「そこが違うと思いまして」
 それで言ったというのだ、畑中さんも。
「大したことではないですが」
「それでそのメキシコからの人も」
「翌朝になると思います」 
 転校生の挨拶はというのだ。
「授業は午後から出られますが」
「そうなるんですね」
「はい、しかし思えば八条学園は」
 僕達のその学園はというと。
「転校生が多い学園ですね」
「はい、八条荘の話だけじゃなくて」
 そうだとだ、僕も畑中さんに答えた。
「学園全体で」
「しかも世界各国から来られて」
「途中から入って来る人も多いんですよね」
 このこともこの学園の特色だ。
「そして出る人は少なくて」
「人が増えていく学園ですね」
「そうなんですよね」
「そのことも思った次第です」
「そうですか」
 こうした話を朝した、そしてだった。
 僕達は朝御飯の後身支度を整えて学校に向かった。午前中はそのまま普通に学園生活を過ごし。その午前中の最後の授業である四限目が終わった時にだった。
 食堂に出ようとする僕をだ、他のクラスの女の子達が呼び止めて来た。
「ねえ、大家君ちょっといい?」
「大家って」
 そう言われてだ、僕はまずは苦笑いで返した。
「その呼び方は」
「だって実際に大家じゃない」
「そうでしょ」
 女の子達は笑って僕に言って来た。
「これが仇名になってるしね」
「それでこう呼んだんだけれど」
「駄目だったの?」
「嫌だったの?」
「嫌かっていうとね」
 そう言われるとだった、僕にしても。
「別にだけれど」
「じゃあいいわよね」
「それじゃあだけれど」
「ちょっと時間ある?」
「今から食堂に行くけれど」
 早く行かないと席が混むとだ、僕は言葉の中に入れて女の子達に告げた。 
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