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ひねくれヒーロー

作者:無花果
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射干玉が哂う


射干玉が哂う





◆◇◆カカシ◆◇◆






紅とアスマに怪しげな、それでいてどこか見覚えのある2人組の対処を頼んだのは良いが・・・どうにも気になる

そう思い、乱入すると見覚えのある奴がいた


あの目は昔のまま・・・

とはいえ、真の写輪眼継承者、最悪の事態も想定しておかなきゃならないな・・・


「本当にイタチさん以外にその目を持ってる輩がいたとはね、名は確か・・・
 コピー忍者のカカシ・・・」


「驚いたのはこっちだよ・・・
 茶屋で怪しい奴らがいたんで誰かと思ってたら・・・
 まさかうちはイタチと、霧隠れの怪人干柿鬼鮫とはね」


本当に驚いた

一体何が目的で木の葉へ来たのやら

干柿鬼鮫に至っては中忍試験に来てなかったか?


「これはこれは、私の名まで・・・光栄ですよ
 再不斬の小僧は貴方とやり合ったと聞きましたが?」


「あぁ」


再不斬

シナイのところのコンと師弟になったかつての敵

抜け忍が堂々と木の葉にいたのも驚きだが、何より自来也さまから手出し無用と釘を刺されたのも記憶に新しい

そして木の葉崩しにて三代目を救出した者の1人


鬼鮫が大刀を握り締める

・・・来るか?


「鬼鮫、お前がその人とまともにやり合えばただでは済まない・・・
 それに時間をかければ他の忍びがここに駆けつけるだろう・・・」

「しかし・・・」

「目的を見失うな
 オレも、お前も、やるべきことがあるだろう」



・・・



「その、目的とやらを聞こうか?」


「・・・何、探しものと・・・警告を言いに来ただけですよ・・・
 ・・・オレなら鬼鮫と違って時間はかからない」




烏が一羽、イタチの肩に降りてくる

・・・忍鳥か?

右手に手裏剣が見え、とっさに水陣壁をはる

水の壁がオレを守り、攻撃を防いだ


なんて術のスピードだ、印が目に負えない

しかもあの右手の手裏剣を囮にして、水遁で足元に攻撃を仕掛けてくるとは・・・


水しぶきが空を舞う


飛沫が掛かった烏が身をよじり、イタチの頬を突いて言った


「おいおいイタチの旦那、こんなところでちんたらしてる暇はないでしょうに
 出し惜しみせず、さっさと終わらせちゃいましょうや」


この忍鳥・・・かなり頭が良い

口寄せ動物の中でも高レベル・・・


「鴉・・・そう、だな
 写輪眼の、血族の本当の力を見せてあげましょう」


まずい!


「2人とも、奴の眼を見るな!」





◆◇◆鴉◆◇◆





奴の眼を見るな、そう言った奴が見てるんじゃ意味がないねぇ

ま、不完全な写輪眼だけで見てるのが幸いか?

万華鏡写輪眼を喰らっても精神崩壊を起こさないとは流石ニンジャ

シノビって奴は怖いね


「・・・狙いは、ナルトの中の九尾か?

 動いているのがお前らだけじゃないのは知ってる
 組織名は、暁だったか?」


ありゃ、バレて〜ら

しかし惜しい、実に惜しい

目的はそれだけじゃないんだけどなぁ


「カカシさんは連れて行く、そのほかの方には消えていただこう」


一応秘密組織だからっすね!

口封じのお時間ですよ鬼鮫の旦那!がんばれ!

イタチの旦那の肩で小躍りしながら応援する

そこで何者かの黒い影——誰だ!?


「何者です?」


鬼鮫の旦那を強襲した男と、カカシの首根っこ引っ掴んで下がらせた女

すかさず2人とも近づいて、ともに身構えた


「木の葉の気高き碧い猛獣・・・マイト・ガイ!!
 そして我が友———」


「木の葉の猛獣使い、まじらずシナイだ
 見知りおけ」


「こらシナイ!お前は名言集だろう、間違うな!」


「え・・・」


何故か怒られる女、シナイ

無表情ながら眉だけが下がる

しょぼん、ってこういう感じか?

しかしあの全身タイツ男に怒られるとか嫌だね


「・・・なんて格好だ・・・珍獣の間違いでは?」


言い得て妙ですぜ旦那


「あの人たちを甘く見るな
 どちらも足の動きだけで行動を対処できる木の葉随一の体術使いたちだ
 術を使う前に懐に入られて終わる・・・そんなバケモノ染みたスピードの持ち主だ」


・・・イタチの旦那もバケモノ染みた速さもってないか?

え、術のスピードと身体能力のスピードは別物?了解了解


「貴方がそこまで言うほどの実力者とは思えませんがね・・・
 特に、男の方は・・・」

「・・・ガイさんだけならまだやりやすいが・・・シナイさんがやりづらい
 非常にやりづらいんだよ・・・」


「ガイ、大刀に注意、触るなよ」

「おう!」


「相変わらず、ですねシナイさん」


睨みあう・・・いや、見つめ合う旦那とシナイ

そのうち小首を傾げて呟いた



「・・・うちは・・・テン?」



「無理して捻らなくて良いんですよシナイさん」「イタチだから、捻らないでねシナイちゃん」



イタチの旦那を前にしてボケたぞこの女

度胸がある・・・いや、ただ危険性を分かっていないだけかね


「・・・まじらずシナイ、確か——彼女の担当でしたか・・・

 お願いです、彼女に、イカリと会わせていただけませんか?」


・・・あぁ、そういや鬼鮫の旦那の目的それだったっけ

ま、俺たちは巫子さんに警告出来たし、探しものも”オレが”見つけてあるし・・・

少し位ならいいよね


「イカリはサメが嫌いだ
 会わせられん」


仁王立ちで断る女

長身の女に睨まれるって怖いな

元々青い肌をさらに青くして、呆然と突っ立った鬼鮫の旦那

・・・そんなに会いたいものかねえ、自分が殺した女に・・・


「・・・ですが、私は彼女に———」


「せめて人間にランクアップしてから出直してこい」


「私は人間です」


「人外は皆、得てしてそう言い張るものだ」


・・・この女と戦いづらい理由がわかった

唐突にボケるから調子を崩されるんだ

しかも何かあの女の言っていることが正しいかのように聞こえてくる

その上、自分の方が間違っているのではないかという杞憂に襲われる

それぐらい自分の発言に自信持った女


「鬼鮫、止めだ
 残念だがこれ以上はナンセンスだ・・・帰るぞ」


暗部の増援部隊も近づいて来ているからな


「・・・いつか、いつか必ず・・・」


ぶつぶつと呟きながら距離を置く鬼鮫の旦那

さぁ、暁のお仕事始めましょうかイタチの旦那




狂い巫子への警告はした


奴が思い出せるかがこれからの暁にとって重要なこと

いや、もはや暁だけの問題ではなく、世界の問題

邪神の心を満たせるのは、賢孤を拒絶した狂い巫子だけ


ま、ここの九尾の人柱力なら、改心させれるかもね



「いやー楽しみですねぇ人柱力!
 狂い巫子とどれだけ違うか楽しみでさぁ!」



「・・・相変わらず悪趣味だな鴉・・・」



「イヒヒッ」


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・・・はて・・・好きなキャラほどプロットより出番が削られ、蔑まれているような・・・


気のせいだね


 
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