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ひねくれヒーロー

作者:無花果
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どのみち死なねばならぬ


どのみち死なねばならぬなら、私は、なっとくして死にたいのだ。
—梅崎春生—

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どのみち死なねばならぬ









シュロとイカリの残党退治








◆◇◆イカリ◆◇◆




まったく、あの子は一体何をしているのか

結界の中にいるよく知った人物を確認して溜息をついた


「先生右から来ます」

「あぁ」


すでにはじまった木の葉崩し

音忍たちが私達に襲いかかるが、先生の体術によって仕留められていく

お見事

そう拍手すれば周りを囲む音忍たちがたじろいだ


「先生、下がって」


指示通り下がってくれる先生、何事かとその場に立ち止まった音忍たちは皆、無数の蜂の群れに襲われた

断末魔が響くが臆することなくシュロがこちらへやってきた——

先生に殴りかかりながら


「危ないなシュロ」

「危ないことやらせた奴が、何言ってやがる!?」


簡単にその拳を受け止めて、次々と襲いかかる敵を倒していく先生

シュロは荒い息をつきながら睨みつけている

原因は私へかけた幻術の事だろう

・・・別に私は気にしていないんだけどな


「イカリ、・・・その大丈夫か?」


戸惑うように声をかけられる

結界内で火柱が上がるのが見えた


「大丈夫だよシュロ
 ・・・大丈夫じゃないのは、シュロの方じゃないかな」


解けた結界、逃げる人影、追う暗部

全てを尻目に私とシュロは向き合った


「シュロ、イカリ、お前たちに任務を与える
 ・・・これより負傷者の中に紛れ込むであろう音のスパイを探し出し———始末せよ」


音忍に阻まれて、物見やぐらまでたどり着けない医療班を助け出し、私達を見ることなくそういった

先生はそのまま目にも追えないスピードで物見やぐらまでにいた音忍を倒していく

医療班を置いて・・・


「了解!
 ・・・先生、コンを頼みます」


もう聞こえていないだろう距離でも、言いたいんだ

自分で気づいていないだけで、かなり無茶をしてしまうから


「シュロ、あとでシナイちゃん殴ってね」

「・・・!あぁ、もちろんオレがぶっ飛ばして—「私、オレは、今日から守られているだけじゃない」・・・え?」


「強く成らなきゃ
 悪夢なんか吹き飛ばせるぐらい
 それで今にも死んじゃいそうなコンを支えるの
 守るんじゃない、一緒に支え合うんだ」


何度も何度も殺される幻術を見た

何故殺されるのかと問うたことか

どうせ殺されるなら私は、オレは、納得して殺されたい


私にかけられたスパイ容疑がなんだったのか、何者の策略だったのか

幻術を見せつけられ、記憶に引っかかっていたものを導きだせば答えは簡単だった

私は、嵌められたんだ

そう断言出来る事情が私にはあった、恐らく原因は反目しあっていた当時の上司だろう


中忍ごときの始末で鬼鮫が出張ることなどない

もっと末端の暗部が仕掛けてくるものなのに、どうしてあいつが来たのか


・・・記憶を持つという鬼鮫と話せば、わかるかもしれない


鬼鮫と会うためには、まず強くならなくてはならない

弱い中忍クラスの能力ではなく、それ以上、せめてシナイ先生のレベルまで自分を引き上げねばならない

そして九尾の尾を宿すコンを暁の魔の手から逃がす

コンが立ち向かうというのなら、私も共に戦う



「シュロはどうする?」
 


このままずっと、勝敗のない勝負に負け続けるの?



「オレは・・・」


「シュロ、下から来るよ」


「っ!蟲玉!」


悩み続けるシュロに敵の存在を教える

油断があるから存在が分からなくなるんだ


「答えは今度で良い 
 今は任務を」

「・・・あぁそうだな
 俺たちは忍者だからな」


まずは救護室へ


木の葉に仇なす不届き者へ制裁を

どんな小さな可能性でも、禍根を残すのであれば排除する

それが私のやり方だ




















大蛇丸の影





◆◇◆大蛇丸◆◇◆




失くした右腕が酷く膿み、全身に広がる熱が痛みを増す

この屈辱、決して忘れはしない・・・


「・・・おのれ猿飛・・・自来也・・・」


そして、あの子供・・・!


「まぁそんな簡単ではありませんよ
 何せ相手にしたのは五大国最強と謳われる火影なのですから」


火傷用の軟膏をとりだし、塗りつけていくカブト


「・・・しかし、上出来ですよ
 あの五影のうち1人を殺し、もう1人は術を使えないように・・・!」


「私を慰めるようなセリフは止めなさい
 殺すわよ・・・」


・・・確かに火影は右腕を失い、術を使えなくなった

だが、今まで火影としてやってきた執務能力はまだ健在

時期に隠居するといっても木の葉に大した混乱は生まれず引き継がれるでしょう


「・・・もちろんそのようなつもりはありません・・・
 確かに里は落とせませんでしたが、この計画のもう一つの目的、うちはサスケ
 彼には貴方の首輪が付けられた」


・・・


「この右腕と引き換えにね・・・
 そもそもあのうちはイタチを手に入れることが出来れば問題はなかった
 しかし、それはもはや叶わぬ夢・・・
 あの目障りな鴉の存在、そして、彼は私以上に強い・・・」


脳裏に浮かぶあの男、うちはイタチ

そして常にその周りにいる・・・アイツ・・・


「・・・鴉、ですか」


「・・・いつでも傍にいるのよ・・・邪魔で仕方がなかったわ・・・」








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裏方組が動いてます
 
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