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バウンサーさんのお話

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第五章

 そうしてです、煙草をぷかぷかとさせてそうしてなのでした、その煙草を吸いながらです。ここでこう言ったのです。
「これ位は許してくれますから」
「だからですね」
「はい、ですから」
「煙草さえ吸えなくなったら」
 バウンサーさんとしてはというのです。
「わしはどうしたらいいのか」
「楽しみがなくなりますね」
「後は散歩と寝ること位です」
 煙草以外のバウンサーさんの楽しみはというのです。
「そうなれば」
「そういえば私も」
 ピーターさんもバウンサーさんのお話を聞いて言います。
「お酒位は許してもらっています」
「そういえばピーターさんはお酒は」
「毎日飲んでいます」
「ラムでしたね」
「はい、女房もそれは許してくれます」
 お酒はというのです。
「まあ買いに行かされることが大抵ですが」
「ははは、わしの煙草の様に」
「ですがこれ位は許してくれるので」
「我慢出来ますな」
「お酒はいいものです」
 ピーターさんはこちらでした、それで言うのです。
「飲んでいると気が晴れます」
「そうですね、わしも時々飲みますが」
「飲まれてそうして」
「気持ちよく寝ています」
「そこは私と同じですね」
「そうなりますな、まあ確かに家では肩身が狭いですが」
 それでもなのでした。
「許してもらえることはちゃんとありますね」
「そうですね、煙草なり酒なり」
「ちゃんと」
「まあそれ位は許してくれとも思いますが」
「実際に許してもらって」
 そうしてというのです。
「楽しんでもいます」
「ですね、それでは」
「無駄遣いも出来ないですし」
「道草をしても」
 仮にです、それをしてもなのでした。
「やはり女房に怒られますし」
「こちらもです」
「ですから」
「もう帰りますか」
「そうしましょう」
 こう言ってでした、二匹はです。
 それぞれのお家に帰りました、バウンサーさんは煙草をふかしたままお家に帰りましたがここでなのでした。
 奥さんのフロプシーさんはです、そのご主人に言います。
「もう吸っているのね」
「んっ、駄目か?」
「いや、吸ってもいいけれど」
 それでもだというのです。
「けれどね」
「もう吸っているのかがか」
「お家に帰ってきてから吸ってもいいんじゃないの?」
「さっきいいと言ったじゃないか」
「それはそうだけれど」
 それでもと返すフロプシーさんでした。
「本当に煙草好きよね」
「だからいつも言っているだろう」
「あなたの数少ない楽しみっていうよね」
「そうだ、だからこれ位はね」
「そうよね、それじゃあ」
「ちょっと吸わせてくれるな」
「御飯まではね」
 その時まではなのでした。 
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