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魔法科高校~黒衣の人間主神~

作者:黒鐡
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九校戦編〈上〉
  蒼い翼特別推薦枠

魔法大学付属高校にとって、夏の九校戦は秋の論文コンペティショナルに並ぶ一大イベントとなっている。イベントとしての華やかさでは論文コンペを大きく引き離すナンバーワンイベントと言える程で、九校戦観客席の一般はプレミアムとも言えるほどでチケットはすぐに売り切れるほどだ。九校戦はスポーツタイプの魔法競技による対抗戦であるが、魔法競技にはスポーツタイプ以外にも立体パズルやボードゲーム、迷宮や宝探しゲームのタイムを競うタイプもある。第一高校にも各競技のクラブが存在するが、学校同士の対抗戦という色彩が強い九校戦の出場選手はクラブの枠組みを超えて全校から有望な選手が選び出されている。こう言った性質上、九校戦の準備は部活連ではなく生徒会が主体となって行われる。今年は今まで使わなかったカードを使う訳だが、これに関しては俺の分身体を使ったので零達也と本人だという証人として九島烈と共に来てもらう事にしてもらったのは烈から言った事だった。昨日の電話での事だったけどな。

『なるほどな、零達也本人証明のための証人で一緒に来てくれると?そう言う事か烈』

『ああ、私は今現在国防軍魔法顧問をしておるが明日は休みでな。そしたらちょうど一真様からの頼みとあれば喜んで行くよ』

『おいおい、一生徒を様付けするなんておかしな話だとは思わないか?烈』

『私は師族会議で、零家についてはフォローしているのだから当然だと私は思う。では明日の放課後前には到着していると思うから、一真様は分身体を使い準備してなさい


『へいへい、分かってますよ。それに蒼い翼特別推薦枠は今まで使わなかったカードを今回使う事になるからな、それも選手兼技術スタッフとして行く。烈には弁護側として回ってもらいたい』

と昨日秘匿通信で電話をしたが、無論リビング兼ダイニングルームだったからか深夜や深雪も一緒にいたけど。俺が話が終わると烈は深夜達と話し始めたので、俺は自室に戻ってパソコンを起動させた後に蒼い翼特別推薦枠の手紙作成をし、零達也の命により織斑一真を選手兼メカニックとして今年度九校戦出場を命ずるとキーボードで打ってから零達也よりと言う風にしてから印刷。それを蒼太に確認してもらってから、蒼い翼の封筒に入れてから宛名を織斑一真様にして裏には差出人零達也にしたのだった。

「だからと言って、各クラブの選手(イレギュラー)を無視する訳にもいかないし、選手を決めるだけで一苦労なのよね・・・・」

いつも活き活きとした笑顔が魅力な七草会長も、今日は元気がなかった。弁当箱に箸を伸ばすけど、心なしか勢いが足りない。深雪も沙紀も最近更に忙しくなっているとかだが、事務仕事だけでは済まされない生徒会長は、普段のお気楽そうな佇まいからは窺い知れない気苦労があるのだろう。

「それでもまあ、選手の方は十文字君が協力してくれたから、何とか決まったんだけど」

今日の昼食会は七草会長の愚痴が止まらない独演会と化していたが、幸い俺達は脳量子波で会話しているので一見静かにしているけど実は結構お喋りしている。例えば最近の深雪の仕事や俺達の仕事についてだ。

「でも、選手以上に問題なのはエンジニアよ・・・・」

まだストレスとなりそうな、思考があったようで俺ら的にはこけるとこだけど。深刻そうだな、俺はあとから聞かされる事になるけど。

「まだ数が揃わないのか?」

委員長の問いかけに、会長は力無く頷いた。

「ウチは魔法師の志望者が多いから、どうしても実技方面に優秀な人材が偏っちゃって・・・・。今年の三年生は、特に、そう。魔法工学関係の人材不足は危機的状況よ。二年生はあーちゃんとか五十里君とか、それなりに人材がいるんだけど、まだまだ頭数が足りないわ・・・・」

「五十里か・・・・あいつも専門は幾何の方で、どちらかと言えば純理論畑だ。調整はあまり得意じゃなかったよな」

「現状はそんな事言ってられないって感じなの」

会長と委員長が二人揃ってため息をついているという珍しい光景を見るが、事態の深刻さがこちらにも伝わってくる。まあ今年度はこうなる事を予想していたから、九校戦が発足時からあった蒼い翼特別推薦枠が存在する訳だが会長も委員長もそれがあるのが気付いていないのか?委員長には既に言ってあるけど、もう忘れたのかそれとも今年度もないカードなのかと思っているのか。

「私と十文字君がカバーするって言っても限度があるしなぁ・・・・・」

「お前達は主力選手じゃないか。他人のCADの面倒を見ていて、自分の試合が疎かになるようでは笑えんぞ」

「・・・・せめて摩利が、自分のCADくらい自分で調整出来るようになってくれれば楽何だけど」

「・・・・いや、本当に深刻な事態だな」

本当に委員長は自分のCADを調整するのが、苦手のようだ。まあ風紀委員会の部屋に初めて入ったあの感じだと、片付けも下手だったし備品のCADも放置だったしな。疲労じみた冷たい眼差しを委員長に向けていたら充分深刻差が伝わった雰囲気を出す会長。生徒会室は本格的に、精神衛生上好ましくない雰囲気となっていた。俺らは教室に戻ろうと思ったがあれを言うのを忘れていたので、会長達の会話に割り込むかを待っていた。

「ねえ、リンちゃん。やっぱり、エンジニアやってくれない?」

九校戦前の修羅場で、昼休みも生徒会室に釘付けの市原先輩に会長から何度目かのアプローチが飛んだ。

「無理です。私の技能では、中条さん達の足を引っ張るだけかと」

何度目かの謝絶に沈没する、すっかり意気消沈してしまった会長に仕方がないから助け舟を出そうとしたら、中条先輩が言った事で俺が言うセリフを取られてしまった。

「あの、だったら織斑君がいいんじゃないでしょうか」

「ほえ?」

テーブルに突っ伏していた会長が、顔だけを上げて何語だったのか分からないほどの呆気なさな声を出す。今の今まで自分のタブレットを前にして唸っていたのは、恐らく授業の課題なのでは?と俺はそう予測していた。中条先輩がタブレットの電源を切り、顔を上げた。

「深雪さんのCADは、織斑君が調整しているそうです。一度見せてもらいましたが、一流メーカーのクラフトマンに勝ると劣らない仕上がりでした」

会長が勢い良く身体を起こした。最初の気の抜けた返事の時は内心爆笑物だったが、今の会長は生気が戻った感じであった。

「盲点だったわ・・・・・!」

獲物を見つけた鷹のような視線が会長から俺に向けられた。俺は今更ですかと言いたげな表情をしていたけど、俺にはもっといいカードを持っていると知っているのはここにいる深雪と蒼太と沙紀しか知らない。

「そうか・・・・あたしとした事が、うっかりしていた。委員会備品のCADも、一真君が調整していたんだったな・・・・。使っていなくとも、毎日整備していたから思い至らなかったが」

今の所何を言っても無駄だとは思いたいが、俺は一盟友であるアイツとの約束を思い出したかのように俺は立ち上がる。

「その事なのですが、会長達は九校戦発足時からある蒼い翼特別推薦枠というのはご存じですか?」

いきなり俺がその事を言いだすので、会長達は呆気ない顔をするが市原先輩が冷静に言ったのだった。

「蒼い翼特別推薦枠とは、蒼い翼本社社長かその関係者が九校戦に出場する選手かエンジニアを指名できる枠でしたか。ですが今まで零社長か関係者の指名はありませんでしたが、なぜ今になってそれを言うのですか?」

「実は俺の盟友である零達也から生徒会メンバーにメッセージをもらっています。今日の放課後にある部活連本部の会議に零社長と九島老師がこちらに来られます。それと蒼い翼特別推薦枠としての選手兼エンジニアを指名する人物と一緒にね」

俺の発言に驚いたのは、蒼い翼特別推薦枠というのではなく零達也社長と九島烈がこちらに来るという情報は聞いた事ないと言う顔をしていたけど。そりゃそうだ、今日来るのは昨日決まったからか会長の母親である真夜か七草家当主の弘一から言っていないからなのかな。それと選手兼エンジニアという事は一人で選手とエンジニアをやると言う事だ。

「ここに零社長と九島烈が来るのか!?」

「そんな事は何にも聞いていないけど、今日来るの!?」

「はい。なので会議場を広い場所にしないと、せっかく来られる零社長と九島閣下に失礼かと思いますよ?」

選手は一科生のみでエンジニアも一年というのは前例のないものだ、それをひっくり返すのが今回の推薦枠なのだ。本来調整というのは、魔法師(ユーザー)との信頼関係が重要なはずなのだが、俺はもちろん大丈夫だ。選手として出る深雪もいるのだからな、ここは兄貴としては見せ場がないといけない。CADが実際にどの程度の性能を発揮するかは、ユーザーのメンタルに左右されるし、選手から反発を買わないために推薦枠が存在する。

「それは今日の朝に言ってほしかったわ、なぜ今なの?」

「仕方がない事ですよ、七草会長。決まったのは昨日で今日来るという連絡が入ったのはさっきだったんですから、あまり一真様を責めないで頂きたい」

「あ、ごめんなさい。リンちゃん、会議室をいつものところではなくもっと広い場所があるか聞いて来てくれない?」

「今さっき通達しました、副会長と十文字会頭もさすがに焦ってました。蒼い翼本社社長兼CEOをしている零社長と十師族の九島老師が来るとなったので、それで織斑君に確認ですが推薦枠に入る人物は誰なのですか?」

そう言った市原先輩だったので、俺以外の深雪達が指を差したから納得兼呆気感があった気がする。という事でいつもやる会議場以外にはないために、本来座る会長達の席に零社長と九島老師を座らせるようにした。そんで俺は盟友である零社長の迎えをしなくてはならないので、始まる頃にノックをすると会長に指示を出した。九島老師が来るのは、零達也本人だと分からせるためだと言ったら納得してくれた。今の所本人を見た事あるのは、ここにいる俺達=自分自身と会長と委員長と会頭ぐらいだからだ。

予想通りの展開となった後に、俺は各武器のチェックをしていた。深雪はデスクワークのために待つ間は暇なので、蒼太と共に各使用する銃器や特殊警棒と手錠を取り出した後に上着を脱いでからホルスターを新調したので手持ちのCADもチェックし始めた。銃器は特に問題なくで、特殊警棒についてはメモリで効果がちゃんと出るのかもチェックしたかったが人の目があるのでそれは止めた後に中条先輩から声がかかった。 
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