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ひねくれヒーロー

作者:無花果
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人間は自分の知っていることなら半分は信じる


人間は自分の知っていることなら半分は信じるが、聞いたことは何も信じない。
—クレーク夫人—


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人間は自分の知っていることなら半分は信じる






木の葉の里、火影邸で三代目の到着を待ちながら茶を啜る

良いお茶だ

何人かの監視の忍者から不躾な視線を感じる

自来也は彼らを無視して原稿を書き連ねている


「・・・俺超アウェイ」


視線に耐えきれず自来也に懐に潜り込んで身を隠そうと試みる

無駄に等しい行動だ

時折自来也の原稿の誤字を指摘しつつ湯呑を握りしめた

旅の疲れがでたのか眠りそうになる


「・・・ひーまー・・・」


後日、忍びたちの不躾な視線が、仲の良い爺孫を見る暖かい眼差しだったと説明された


「待たせたのう自来也や・・・それに、コンじゃったか?」


火のマークが入った笠を脱ぎつつ部屋に入ってきた老人、原作より些か若い三代目がこちらを見た

自来也の懐に潜り込んだままの失礼極まりない態勢を正すため出ようとする

すると自来也に制止されそのままの状態で捕獲される

良く分からないがされるがまま三代目に会釈だけ返した


「自来也さま、その子供あまりにも無礼ではありませぬか?!」


当然俺の態度が気に食わない側近が怒鳴り散らす

どんな躾をしているのかと小言を食らう


「構わぬよ、わしは猿飛ヒルゼン、この木の葉の火影をしておる者だ
 自己紹介してもらえるかのう?」


顔を真っ赤にした側近を押さえて三代目が進み出る

いつの間にか原稿を片づけた自来也が俺を強く抱きかかえ、静かに促す


「・・・うらみ コンです
 年は・・・見た目より上です
 親の顔は知りません、夢は忍者になることです」


当たり障りのない自己紹介

親の顔云々で三代目の表情が曇る

それは同情かそれともスパイかどうかを判断しかねているのかわからない


「俺には不思議な力があります」


そう言いつつ狐火を腕に纏わせる

熱さなど感じない、俺だけを包む炎

ざわめく忍者たちを制する自来也、また僅かに表情が厳しくなる三代目

・・・九尾のチャクラを、残照でも感じ取ったのだろうか


「自来也はこれを狐火と呼びました
 木の葉は狐と縁深い地とも聞きました
 この狐火はその狐の力の欠片だとも教わりました」


三代目の目を見ないよう、炎だけを見て淡々と話す

嘘はついていないが納得させられるだけの言い分がない


「・・・自来也よ、お前の言っていたことは事実だったのだな・・・」


ありえないとでも言いたいのだろうか

震える声が俺と言う存在を否定しているように聞こえてくる


「わしが発見したときにはすでに狐火を纏っておった
 ・・・尾獣の兵器利用の実験体ではないかと思っておる
 もしくは九尾の肉でも食らったことがあるのかも知れん」


異世界なんて話しは信じてもらえない

いくら弟子である自来也の言葉と言えど、信じられるものではない

だからといってそういう説明をするのはどうかと思う

同情でもひいて解決する問題ではないだろう


「雲の金銀兄弟のように、か・・・」


誰だそれ?原作でそんなんいたっけ?本誌で出たキャラか?


ざわめく周囲から時折、狐やバケモノなどというセリフが聞こえてくる

忍でない俺が聞けるほどの声、聴覚に優れているであろう三代目たちにも聞こえ顔を歪めていた


「コンと言ったの、お前に会わせたい子がおるんじゃ
 ついて来ておくれ」


誰の共もつけず、三代目が退室しようとする

俺がわからないだけで暗部がついているから大丈夫なんだろう

自来也が俺の手を引いて歩き出した

一度取り残される忍びたちを見て、手だけ振った
















三代目に連れられてやって来たのはどこかで見た覚えのあるボロアパート

扉をノックすると少年らしき声が聞こえてきた


「あれ、じいちゃんどうしたんだってば?」


珍しいとでも言いたげに扉から顔を出す金髪の少年—ナルト

原作の主人公、ドべと言われながらも後に才能を開花させた、俺と同じ九尾の人柱力

チャクラが豊富だったと思い出し思わず睨みつける

視線を感じたのかナルトも対抗するかのように睨みつけ・・・やがて何かを思い出したのか笑いだした


「じいちゃんじいちゃん、もしかしてコイツ、前に言っていた!?」


「うむ・・・さぁコン、ここが今日からお前の家じゃよ」


・・・え


「なぁお前名前は!?オレはうずまきナルトだってばよ!
 仲良くしようってば!」


元気よく手を差し伸べられる

流石にアパートの一室に同居とかないよな?

お隣さんになるだけだよな?こんな騒がしいのと同居とか心安まる暇がないぞ?

黙って自来也を睨みつけ、反応が返ってこないので渋々差しだされた手を握った


「ねたみコンだよ
 仲良く・・・なれるのかね」


こちらが恥ずかしくなるほど満面の笑みを浮かべられる

握った手はリズムカルに上下左右に振られている


「ナルトよ、コンは病弱での、道中も吐血しておった
 なにかあったらすぐに病院に連れて行ってあげるんじゃぞ」


吐血と聞いて意味がわからなかったらしく、口から血を吐くことだと教えてやれば、血相を変えて三代目に力強く頷いた




「このナルトさまに任せろってばよ!コンも!しんどくなったら俺に言うってば!」




このテンションが・・・一日中続くのか・・・




なんて罰ゲームだ




思わず溢した言葉に三代目と自来也が笑っていた




 
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