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遊戯王GX 〜プロデュエリストの歩き方〜

作者:ざびー
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エピソード24 〜 兄VS弟 〜

 
前書き
前回、引き伸ばしにしたデュエルパートです。そして、今回も例によってサイバー流。いい加減にしろよな!コンチクショー!

取り乱しました……。では、本編をどぞo(_ _)o ペコッ♪

 

 
デュエルをするために灯台の下についた頃には、既に太陽は水平線に沈みかけ薄暗くなっていた。そんな中で二人の人物ー丸藤翔とその兄、亮がデュエルディスクを構え、対峙していた。

翔は未だ覚悟が決まらないのか強敵を目前にし、ビクビクと震えている。そんな彼を心配そうにする四人。そんな状況で不意に十代が口を開く。

「なあ、紫苑。どっちが勝つと思う?」

「今、それを聞くなよ……。まぁ、翔がプレッシャーに打ち勝てば勝てなくもないぞ。」

紫苑は先日のデュエルを観戦し、翔は頭良く、デュエルの筋もいいと感じていた。だが、打たれ弱く、そのせいで堂々としたプレイングができないため負けてしまう。あの弱気体質さえ、払拭できれば…………。



side翔

自分の兄であり、尊敬してやまない人物と対峙しているのに不安が尽きない。紫苑さんが即席でデッキを改善し、

"自信を持って頑張れ。お前ならできる"

と言われた。自分が兄にデュエルをして勝った事は愚か、まともに渡り合えた試しがない。

こんな自分が兄さんと戦えるはずがないと思考がネガティブになっていく。そして、こんな弱気な自分が嫌になる。

そんな弟を見かねた亮が口を開く

「勝敗は気にしなくていい。翔、お前の全力を俺にぶつけてこい。そして、俺はそれに応えるだけだ。」

またリスペクトか……。と、誰にも聞こえない風につぶやくとため息を吐く紫苑。そして、翔の方を向く

「大丈夫だ。お前ならできる」


ニカッと笑みを浮かべ励ます紫苑を見て、少し顔が熱くなる。

うぅ……あんな笑顔、反則っす。けど、紫苑さんができるって言うなら…………やってやる!!結果がどうあれ、紫苑さんが組んでくれたデッキを無駄にはできないっす!

決意を固めた翔は再び兄、亮を見る。

「いくっす、お兄さん!」

「全力でこい!翔」

「「デュエル!!」」

今、兄と弟のデュエルが始まる!!




「先行は譲ろう。」

「わかったっす。僕のターン、ドロー!」

いきのいい掛け声と共にドローし、手札を確認する。

兄さんの戦い方は他の者を寄せ付けないほどのパワーデッキ。今の手札でそれをどうにかする事はできない……。なら、守りを固めるだけ。

兄の事を最も尊敬し、慕う翔は兄の戦術をよく理解している。今は守りを固めるべき。

「まずは手札断殺を発動するっす。手札を二枚捨てて、二枚ドロー!」

「手札交換⁉︎翔君の初手は悪かったのかしら?」

明日香はいきなりの手札交換カードに驚いている。だが、その誤解を紫苑が即座に訂正する。

「手札交換も立派な戦術だぞ。それに断殺は墓地肥やしのトリガーにもなるからな。結構役立つぞ。」

「そ、そうなの……。参考にするわ」

明日香がなるほどと頷く。あまり墓地肥やしの有効さは定着してないのがもったいないと思う紫苑だった。

「ジェットロイドを守備表示で召喚。そして、永続魔法【機甲部隊の最前線(マシンナーズ・フロントライン)】発動っす。さらに、カードを一枚伏せて、ターンエンドっす。」

【ジェットロイド】☆4 DEF1800

壁モンスターにサポートカード。なかなかの出だしだな。あとは、亮の動き次第だな。

「俺のターン、ドロー!お前のフィールド上のみモンスターが存在するとき、サイバー・ドラゴンは生贄無しで特殊召喚できる!来い、サイバー・ドラゴン!!」

【サイバー・ドラゴン】☆5 ATK2100

「来た……お兄さんの主力モンスター……」

条件が相手の場のみにモンスターが存在する場合と極端に緩く、さらに攻撃力も2000越えと単体でもそこそこの突破力も持っている事に加え、機械族、光属性とサポートカードが充実している分、残すと厄介なカードだ。

「そして、さらに手札から【サイバー・ドラゴン・ツヴァイ】を召喚!そして、ツヴァイの効果発動する。手札の【エヴォリューション・バースト】をオープンし、名前をサイバー・ドラゴンに。そして、そのまま通常魔法【エヴォリューション・バースト】を発動する!ジェットロイドを破壊だ!」

サイバー・ドラゴンの口からレーザー光線が翔のロイドに向けて放たれる

「マズイ。効果破壊じゃ、最前線の効果を発動できないわ!」

「いや、心配ない。ちゃんと対策はしてあるし、それに翔もびびってはいるけど、焦ってはないぞ」

そう……。と紫苑がそこまで言うと明日香は若干不安を残しながらも黙る。そして、兄と弟、二人の対決に目を向ける

確かに亮を目の前にして、少し震えているものの目にはしっかりと闘志が宿っている

「やらせないっす!リバースカードオープン!【魔宮の賄賂】。これで兄さんの魔法を無効にするっす!」

ゴブリンがカードを懐にしまうと亮へと金貨を手渡し去っていく。

相手に一枚ドローさせてしまうものの自分はノーコストで発動できるために頻繁に使われているカウンター罠の代表だ。だが、この学園ではパーミッションやらバーンが疎まれているため、実際に投入している人は少ない。

「防がれたか……。だが、まだだ!手札から魔法カード【融合】を発動!場の二体のサイバー・ドラゴンを素材にし、【サイバー・ツイン・ドラゴン】を召喚する!!」

【サイバー・ツイン・ドラゴン】☆8 ATK2800

二つの首をもたげ、翔を見下ろし威圧する。

「よ、容赦ないわね……。このままじゃ……」

明日香が心配そうに翔を見る。さっきからずっと黙ったままである。

流石、兄さん。1ターン目からエースモンスターを出してくるなんて……。けど、僕も負けられないっす!!

「いくぞ、翔!ツインでジェットロイドを攻撃!エヴォリューション・ツイン・バースト!ダイイチダァ!」

亮の掛け声と共に放たれた熱線がロイドを焼く。

「この時、僕はジェットロイドの効果を発動するっす!手札からトラップ発動!【スーパー・チャージ】!効果で二枚ドローするっす。」

「くっ……ドローさせてしまったか。だが、そのロイドには退場してもらうぞ。」

熱に耐えられなくなり、爆発四散するロイド。だが、立ち上る煙の中から新たなロイドが登場する。

「僕の機械族が戦闘破壊された事により、同じ属性かつそのモンスターより攻撃力の低いモンスターを特殊召喚できるっす!来い、ジャイロイド!」

ジェットロイドは風属性で攻撃力が1200。加えてジャイロイドは風属性で攻撃力1000のモンスター。条件を満たしている。そして、出すべきモンスターも正解である。

【ジャイロイド】☆3 DEF1000

デフォルメ化されたロイドが翔を守るようにサイバー・ツインの前に立ち塞がる。

「戦闘破壊耐性持ちか……。やるな、翔。俺はカードを一枚伏せてエンドだ」

ほぅとつぶやくと終了宣言し、翔へとターンが移る。




LIFE4000

手札二枚

魔法・罠伏せ一枚


【サイバー・ツイン・ドラゴン】☆8 ATK2800


「僕のターン、ドロー!手札からスチーム・ロイドを召喚するっす。さらに【一族の団結】を発動!」

スチームロイドでの後方では、破壊されたはずのジェットロイドが声援を飛ばす。そして、応援され、闘志が漲るロイド達。

【スチームロイド】ATK1800→2600

「800ポイント攻撃力を上昇させる永続効果。中々優秀ね。けど、亮のサイバーにはあと少し届かないわね」

「今はな。しかし……。」

「あっ!スチームロイドの効果ね」



「バトル!スチームロイドで兄さんのサイバー・ツイン・ドラゴンに攻撃!さらにこの瞬間、スチームロイドの効果発動!攻撃するとき、攻撃力を500ポイントアップさせるっす」

【スチームロイド】ATK2600→3100

亮LIFE4000→3700

「すげえ、サイバー・ツインの攻撃力を上回ったぜ」

「しょ、翔……すごいんだな!」

エースの一柱を倒した事で沸き立つ二人。明日香もまさかやられるとは思っておらず目を見開いている。

「やるな翔。だが、まだだ!リバースカードオープン!【時の機械ータイムマシーン】!」

亮の宣言と共に場にタイムマシーン?が現れ、その中から先ほど破壊されたはずのサイバー・ツインが登場する。

「んなっ⁉︎折角倒したのに……なんで!」

「タイムマシーンの効果だ。このカードは過去へと戻り、破壊される前のサイバー・ツインを俺の場へと特殊召喚する。」

※戦闘破壊されたモンスターを墓地から特殊召喚しただけです。

「僕は永続魔法【補給部隊】を発動!そして、エンドっす。」




LIFE4000

手札一枚

魔法・罠
【機甲部隊の最前線】

【補給部隊】

【一族の団結】


【ジャイロイド】☆3 DEF1000

【スチームロイド】☆4 ATK2600


「ドロー。手札から強欲な壺を発動し、二枚ドロー。そして、手札から【アーマード・サイバーン】を召喚。そして、このカードはサイバー・ドラゴン及びサイバー・ドラゴンを融合素材とするモンスターに装備することができる。よって、サイバーンをツインへ装備する。」

ガッチャンとサイバーツインドラゴンにドッキング……というより乗っただけ。

「おお!カッケェ!」

「「どこが(よ)」」

はしゃぐ十代に冷ややかな視線を浴びせる紫苑と明日香。十代曰く、合体ロボは男の浪漫。知らねーよと紫苑が一蹴。

「いくぞ、サイバーンの効果発動!装備モンスターの攻撃力を1000ポイント下げ、相手モンスターを破壊する!ジャイロイドを選択。放て、ジャッジメントキャノン!」

ドッキング状態のサイバーンがツインからエネルギーを供給されるとエネルギー砲をジャイロイド向けて放つ。

「くっ……けど、補給部隊の効果で一枚ドローするっす」

「ジャイロイドの戦闘破壊耐性を効果で破壊してきたか。」

「けど、翔も負けてないんだな!この事も見越して補給部隊を発動させていたんだな。さすがなんだな。」

最前線はよっぽどの事がない限りフィールド上にモンスターを残す事ができ、破壊をトリガーとして一枚ドローできる補給部隊との相性はいい。ちゃんとカードのコンボを繋げられてるなと安心する

「もう一度、サイバーンの効果を発動!スチームロイドを選択、放てジャッジメント・キャノン!ダイニダァ!!」

【サイバー・ツイン・ドラゴン】ATK1800→800

二発目のエネルギー砲によってスチームロイドも破壊され翔を守るモンスターが居なくなる。

「まずいんだな、翔のフィールドがガラ空きなんだな!」

「サイバーツインでダイレクトアタック!エヴォリューション・ツイン・バーストォ!ダイイチダァ!続いて、ダイニダァ!!」

「うわぁぁあ⁉︎……グゥ、効いたっす」

二本の熱線が翔へと炸裂し、後方へと吹き飛ばされる。

翔LIFE4000→3200→2400

「俺はカードを一枚伏せてターン、エンドだ」



ライフ3700

手札二枚

魔法・罠伏せ一枚

アーマード・サイバーン(→サイバー・ツインドラゴン)



【サイバー・ツイン・ドラゴン】☆8 ATK800


「くぅ……僕のターン、ドロー!」

衝撃から立ち直り多少フラフラとしながらもカードを引く。その目はまだ諦めておらず、紫苑の思惑はうまく行っているようだ。

「僕は【ドリルロイド】を召喚して、そのままサイバー・ツインへと攻撃するっす」

【ドリルロイド】☆4 ATK1600

正面についている巨大なドリルを回転させながら、弱体化しているサイバードラゴンへと突っ込んでいく。だが、途中サイバー・ツイン・ドラゴンの姿が消えたと思ったらドリルロイドが爆発する。

「なぁ⁉︎」

「永続罠【サイバネティック・ヒドュン・テクノロジー】の効果だ。これは相手モンスターの攻撃時に、俺の場のサイバー・ドラゴンまたはそのモンスターを融合素材とするモンスター一体を墓地に送り、攻撃モンスターを破壊できる。」

サイバー流の秘匿技術は翔のロイドを跡形もなく消し去ってしまった

「弱体化しているサイバー・ツインを囮にして相手のモンスター諸共破壊したのね」

「効果破壊じゃ後続のモンスターが出せないんだな!」

亮はカードの性質を理解しその弱点をついてきている。ただのパワー馬鹿ではなく、しっかりと実力もあるんだなと思う紫苑だった。

「補給部隊の効果で一枚ドローするっす。カードを一枚伏せて、ターン、エンド」

一瞬何かを戸惑ったもののエンド宣言をし、亮へとターンが移行する。




LIFE:2400

手札二枚

魔法・罠伏せ一枚

【機甲部隊の最前線】

【一族の結束】

【補給部隊】



なし



「ドロー。手札からプロト・サイバー・ドラゴンを召喚し、ダイレクトアタックだ!」

【プロト・サイバー・ドラゴン】☆4 ATK1100

サイバードラゴンより一回り小さめな機械が召喚され、翔へと熱線を放つ。

「ぐぅぅ……」

翔LIFE2400→1300

直接攻撃をくらい1000をきる一歩手前まで減らされる。

「そして、手札からタイムカプセルを発動。デッキからカード一枚を選び、カプセルの中へ入れる。そして、2ターン後のスタンバイフェイズにこの効果で選んだカードを手札に加える。」

棺のようなカプセルが開き、カードが中に収納されるとスブズブと地面に沈んで行く。

タイムカプセルは相手に何を加えたかわからない利点があるが場に残る為破壊されてしまうと手札に加えられなくなるため、似たような効果だと黄金櫃の方が優先される。

亮はそのままエンド宣言をし、翔へとターンが移行する。




LIFE3700

手札一枚

魔法・罠
【サイバネティク・ヒドュン・テクノロジー】

【タイムカプセル】


【プロト・サイバー・ドラゴン】☆3 ATK1100


翔の手札は二枚。そして、場は永続魔法のみでどれもモンスターが存在しなければ発動しないものばかりで戦況的にはだいぶ不利である。さらにモンスターを攻撃しようものならヒドュン・テクノロジーで除去されてしまう。

さぁ、どう切り抜ける?

「ドロー……。よし、手札からサイクロンを発動して、ヒドュン・テクノロジーを破壊!」

「くっ……」

除去用カードを破壊され、少し表情を歪める亮。

「な、なんでタイムカプセルを破壊しないのよ⁉︎チャンスじゃない」

「いや、それは違うぞ。タイムカプセルで手札に加えられるのは2ターン後だ。今の局面は如何に今の状況を脱するかにあるからな。タイムカプセルはさほど重要じゃない。」

「い、今の局面って……?」

「今翔は攻めるに攻めれないんだよ。攻撃しようものならヒドュン・テクノロジーで返り討ちにあって、効果破壊だから最前線の効果で後続も出せないからな。だから、二ターン先の懸念事項よりも今、どうやって反撃するかが重要なんだよ」

「なるほどね。しかし、デュエル解説者みたいね、紫苑。本当に学生?」

さぁねと肩を竦める。プロですなんて口が裂けても言えない。

「いくっす!手札からステルスロイドを召喚して、プロト・サイバーに攻撃っす!アフターバーナー!」

【ステルスロイド】☆4 ATK1200

プロトサイバーの攻撃力を僅かに100だけ上回り、戦闘破壊に成功する。

「カードを一枚伏せてエンドっす」




LIFE1300

手札無し

魔法・罠伏せ一枚

【機甲部隊の最前線】

【補給部隊】

【一族の結束】



【ステルスロイド】☆4 ATK1200


「俺のターン、ドロー。このスタンバイフェイズ時に除外されている【異次元からの宝札】の効果を発動する」

「なぁっ⁉︎いつの間に……タイムカプセルの時っすか!!」

タイムカプセルのタイムラグを解消し、なおかつ手札補充まで行う亮。これには紫苑も驚く。

なるほどな、除外をトリガーにしたカードか……。これなら例えタイムカプセルが破壊されても結果無駄打ちに終わるし、少ない手札を補充できるか。

「宝札の効果によって、このカードを手札に加え、互いに二枚ドローする事ができる。そして、手札から天使の施しを発動し、三枚ドローし、ニ枚捨てる。」

「こ、ここに来てドローカード連発とか…………ないわ」

異次元からの宝札と天使の施しというぶっ壊れカード二連発という暴挙に引き気味の紫苑。こんなことされたら例え手札アドで勝っていても簡単に覆される。

そして、翔もここに来て大量ドローに驚きつつも、自身の引いたカードを見て少し笑みを浮かべる。おそらく逆転の一手でも引いたのだろう。

「手札から大嵐を発動し、場の魔法・罠カード全て破壊する。」

「チェーンして、重力解除を発動するっす。これでステルスロイドは守備表示になる」

守備力0だが、守備表示となった事で一度だけは戦闘に耐えられる……はず。亮はふっと表情を緩める

「俺は手札から死者蘇生を発動する!」

ここに来て蘇生カード。何を出してくる?普通なら墓地のサイバー・ツインのはずだが……。

「俺は墓地よりプロト・サイバードラゴンを特殊召喚!そして、この瞬間地獄の暴走召喚を発動する!」

翔の場に三体のステルスロイド、そして、亮の場には……

「「「「な、なんで四体も!!??」」」」

「やっぱりか……」

場には蘇生されたプロトサイバーに加え、サイバードラゴン三体が、並んで居る

「プロト・サイバー・ドラゴンは場に存在する限りサイバードラゴンとして扱うため、暴走召喚の効果でサイバードラゴンが出せるんだよ。」

「ただし、他のプロトサイバードラゴンは特殊召喚できない。場に特殊召喚されたプロトサイバーはサイバードラゴン扱いだからな。」

「そして、手札から【暴走する魔力】を発動する。墓地の魔法カード全てを除外し、除外したカード×300以下の守備力を持つ相手モンスターを破壊する!」

翔の場に魔方陣が現れ、バチバチとスパークを発すると跡形もなくロイド達を消し去ってしまう。

これにより翔の場はガラ空き。さらにコストによって施しによって捨てられていた異次元からの宝札が除外されたために次のターンまたドローを行う事ができる。

「行くぞ、翔!サイバー・ドラゴンでトドメだ!エヴォリューション・バァースト!!」

翔に向けて熱線が放たれ濃い土煙が舞う。そして、煙が晴れるとそこにはピンピンした姿の翔と周りを青白い光がスパークしていた。

「な、何⁉︎」

「僕は墓地から超電磁タートルの効果を発動させたんす。これでこのターン戦闘は行えない!このターンのバトルフェイズを強制終了させるっす」

「よっしゃ!攻撃を防いだぜ!」

「なるほどな。最初のターンの手札断殺のときか……」

しっかりとカードの特性を理解してプレイングを行えている翔。本来の実力を存分に発揮できている。

「やるな、翔。俺はカードを一枚伏せターンエンドだ。」




LIFE3700

手札無し

魔法・罠伏せ一枚



【サイバー・ドラゴン】☆5 ATK2100

【サイバー・ドラゴン】☆5 ATK2100

【サイバー・ドラゴン】☆5 ATK2100

【プロト・サイバー・ドラゴン】☆3 ATK1100


「すぅぅぅはぁぁぁぁ……。僕のターン、ドロォォォォ!!」

深呼吸をし、焦る気持ちを鎮めると気合と共にカードを引く。

「手札一枚を捨て、【鳳凰神の羽根】を発動するっす。墓地のエクスプレスロイドをトップに置くっす。」

「ここで、そのカード?最後の一枚に何かあるのか?」

ふと疑問に思い、紫苑は改めて翔の場と手札を確認する。場にはなにもなく手札はラスト一枚のみ。まさかわざとこの状況を作ったのか?
紫苑は翔を見ると真剣な眼差しで兄、亮を見つめている。

「これが……僕の逆転のカードだ!手札から、【逆転の宝札】を発動!!」

「っ⁉︎なんだと!」

自身の場にカードがなく、かつ手札がこのカード一枚のみの場合に発動できるという厳しい発動条件。だが、その効果は強力で相手の表側表示カード一枚に付き、一枚ドローできる。亮の場には四体のモンスターが存在する。よって4枚もの大量ドローだ。

「僕は手札からエクスプレスロイド召喚し、効果発動!墓地のドリルロイドとステルスロイドを手札に加える。そして、これが僕の切り札だ!魔法カード【ビークロイド・コネクション・ゾーン】を発動!場のエクスプレスロイド、そして、手札のドリル、ステルス、トラックロイドの四体で融合召喚!!!


悪を滅ぼし、愛するみんなを守るため!唸れ豪腕!!放て、ロケットパンチ!合体せよ、スーパービークロイド・ステルスユニオォォォォン!!!」

【スーパービークロイド・ステルスユニオン】☆9 ATK3600

両肩にエクスプレスロイド、両脚にドリル、背中にステルス、胴体にトラックロイドと四体が合体した巨体ロボが現れる。

合体ロボの登場で十代はテンションがハイになっている。

「バトルっす!ステルスユニオンでプロトサイバーに攻撃!けど、この時ステルスユニオンの攻撃力は半分になるっす。」

強烈な右ストレートがプロトサイバーを捉え、呆気なく粉砕する。

亮LIFE3700→3000

「そして、カードを一枚伏せてエンドっす」




LIFE

手札無し

魔法・罠伏せ一枚



【スーパービークロイド・ステルスユニオン】☆9 ATK3600



亮は翔の場に悠然と直立するステルスユニオンを見上げると少し笑みを浮かべる。

「翔、俺はお前の見せてくれた全力に敬意を評し、俺の全力を持ってぶつからせてもらう!俺のターン、ドロー!!このスタンバイフェイズ、除外されていた異次元の宝札を手札に加え、互いに二枚ドローする。そして、俺は手札から【パワーボンド】を発動!場の三体のサイバー・ドラゴンで融合召喚!!現れよ、サイバー・エンド・ドラゴン!!」

【サイバー・エンド・ドラゴン】☆10 ATK4000→8000


三本の首を持つ巨大なサイバー・ドラゴンがバチリバチリと電撃を迸らせながら登場する。サイバー・エンドは圧倒的な威圧感を纏い、翔を睨みつける。

「パワーボンドによって、融合召喚された機械族融合モンスターの攻撃力は二倍となる。

バトルだ、翔!やれサイバー・エンド・ドラゴン!!エターナル・エヴォリューション・バースト!」

三本の首はそれぞれにエネルギーを貯め、翔めがけて放つ。

「この時を待ってたっす!!リバースカードオープン【決闘融合ーファイナルフュージョン】!!融合モンスター同士の戦闘を無効にし、そして二体のモンスターの攻撃力の合計分のダメージを互いに受ける!」

サイバー・エンドの放ったエネルギー砲とステルスユニオンの右ストレートから放たれた衝撃波が中央で拮抗し、強烈な爆発を起こし、辺りを濃い土煙が覆う。

「嘘……引き分け⁉︎」

あたりを静寂が包み込み、明日香の呟きだけがやけにはっきりと聞こえた


 
 

 
後書き
まさかの引き分け⁉︎いや、まだ終わっちゃいない!

さて、兄VS弟、どうなる!
 
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