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ギターにキッス

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第一章

                   ギターにキッス
 アメリカにはヘルス=エンジェルスという者達がいる。所謂暴走族である。
 どの国でもそうだがこうした存在は一般市民にとっては甚だ迷惑なものである。しかしロサンゼルスにいる彼等は違っていた。
 ブラック=プリズンはロサンゼルスでも有名なヘルス=エンジェルスだ。だが彼等は確かに集団で暴走行為はするが。
 それ以外のことはしない、暴力行為やその他の犯罪行為はだ。
 一切しなかった、それはリーダーのジャック=テビラスの考えだ。
 肥満した大男であり金髪を少し伸ばしバンダナを付けている。ブラウンの目の光は強く表情も鋭い。黒の皮のジャケットにシャツ、そしてやはり黒の皮のズボンとブーツというのが彼のスタイルだ。
 彼は仲間達にだ、いつもこう言っていた。
「俺達は確かに走り屋だけれどな」
「ああ、それでもだな」
「ワルだけれどな」
「ワルはワルでもな」
 それでもだというのだ。
「ワルでもポリシーがあるだろ」
「喧嘩はしてもいじめはしねえ」
「盗みとかカツアゲもしねえ」
「それで普通の人達にも手を出さない」
「それがポリシーだよな」
「ああ、そうだよ」
 まさにそれだというのだ。
「俺達がそのポリシーを忘れたらな」
「その時は、だよな」
「ただのゴロツキになるな」
「ヘルス=エンジェルズじゃなくて」
「それになるな」
「金は働いて稼げ」
 自分達でだ。
「女とやりたいんならな」
「彼女を作れ」
「そういうことだな」
「喧嘩は売られたら買え」
 因縁もつけるなというのだ。
「俺達ヘルス=エンジェルスは走るんだ、そしてな」
「リーダーの場合はそこによな」
「プラスアルファがあるよな」
「ああ、これだよ」
 ここでだ、ジャックはその手にだ。
 ギターを出してだ、そのギターを手ににやりと笑って言った。
「俺にはこれもあるからな」
「音楽がな」
「ロックなんだよ」
 その音楽は、というのだ。
「俺達はロックなんだよ、ロックンローラーなんだよ」
「だから曲がったことはしない」
「ワルでもな」
「ワルはワルでも俺達は違うだろ」
 例えだ、世間で言う不良でありそしてはみだし者であろうともというのだ。
「何でもやるんじゃねえんだよ」
「ポリシーを守る」
「俺達のポリシーを」
「ルールなんて糞くらえでもな」
 それでmどあというのだ。
「ポリシーは守る、いいな」
「ああ、そうだな」
「そうじゃないとやっぱり駄目だよな」
「はみだし者にははみだし者の決まりがある」
「それがポリシーってやつだな」
「俺達のポリシーはロックなんだよ」
 まさにそれだというのだ。
「だからいいな」
「ああ、そうだよな」
「俺達はポリシーを守ってヘルス=エンジェルスをやってる」
「そういうことだな」
「俺もそれは守ってるからな」
 他ならぬジャック自身もだというのだ。
「御前等もそこはケジメをつけろよ」
「ロックンローラー、ヘルス=エンジェルスとして」
「ロックンローラーのポリシーを守らないと駄目だな」
「そういうことだ、いいな」
 こう話してだ、そうしてだった。
 グループのメンバーの一人がだ、ジャックにこう言って来た。
「それでな、リーダー」
「何だ?」
「リーダー今度コンサートやるよな」
「地下のホールでな、バンド仲間と一緒にな」
「その時ゴールド=サックスの連中が来ないかい?」
 ブラック=プリズンのライバルチームのだ。かなりの無法者集団でありまさにルール無用の連中である。 
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