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日向の兎

作者:アルビス
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1部
  12話

 
前書き
さて、もう片方共々かつてないほどに投稿が遅れた理由を……

ファンタシースターオンライン2にはまってしまいました
うん、以前遅れた理由は零の新作、今度はオンライン……
ゲームやり過ぎですね……だが、私は謝らない(ショチョオ!
オンドゥルネタは置いておいて、遅れて申し訳ございません(^U^) 

 
そうさな、まずは今でこそ皆に言われることも無いが、昔は随分とこの眼は色々と言われたのだ。
テンテン、君も知っているだろうが私は日向の家の産まれなわけだが、この眼ははっきり言って単なる異常でしかない。
事実、通常の白眼とは少々能力が違う。点穴を見つける事は出来ないが、相手の筋繊維の一本に至るまで把握できるこの眼は日向のそれとは似て非なるものだ。
一応チャクラの流れは見えるが、ネジよりは精度において幾分劣るという日向の柔拳向きではないとこの眼は言えるな。
ん?ああ、少々話が逸れたな。
この眼は人の体を視る事に特化しているのだが、心拍数、表情筋、発汗その他諸々見ることで大抵の人の感情が読めるのだ。その結果、言葉を覚えるより早く私に向けられる悪感情を覚えた。
その時はその理由や向けられている感情がなんのかは分からなかったが、少なくとも良くない感情と言うのだけは分かっていたな。そして、言葉を知ってからは宗家の長女という事もあって周りの者は表面上は優しげに接するが、腹の中ではロクでもない感情で私を見ていると知った。
そして、周囲は私がその内にある感情を知っていることなど知らずに、とりあえず宗家の長女という肩書きにのみ縋り付く人間を醜いとしか感じられなくなった。何しろ、私からすれば一目見ただけでも分かる嘘をつき続けられているのだ。
結果として、私は人間不信……いや、違うな。人間とはこんなものかという悟りに近いものを感じるようになった。
まぁ……その、なんだ俗に言う中二病の類を三つか四つで患うハメになったのだよ。今思い出しただけでも頭が痛くなる話だ……確かに私しか持たない能力であり、厭世家紛いになるのも仕方なかった面もあるが正直あれは無かった、うん。
とはいえ、今でこそこうして笑い話に近しい形で話しているがあの時は真剣に悩んでもいた。屋敷から出ることも許されず、周りの者からは延々出来損ないとしての嫌悪感を向けられるのだからな。
その後、その環境を変えようとした私は色々と足掻いた。
例えば、柔拳だ。この眼のお陰で動きを真似る事に関しては得意だったので、親父殿の柔拳は直ぐに覚えられたのだが、向けられる視線が嫌悪から気味の悪い化け物を見る物に変わっただけだった。
如何なる成果を上げようと、如何に当主として相応しい知識や振る舞いを身に付けようと周囲は何も変わらない。そんな環境に物心ついて間も無い少女がいれば性格が歪むのも仕方のないことじゃないか?


「まぁ……うん、確かにひどい話だけど、そこからどうやって今のあなたになったの?」
「うん?ヒナタが可愛かったからだ」
「は?」
「まぁ、その辺りの話はまたいずれしよう。そろそろネジの方も終わりそうだ」
「ほんと、ヒジリってよく分からない性格ね」
「なに、よく言われることだ」
テンテンとそんな話をしていると、ネジが肩で息をしながらフラフラと帰ってきた。どうやらガイ先生はネジの体力が尽きるまで全ての攻撃を回避し、捌き切ったようだな。
流石というべきか、当然というべきか柔拳への対応も心得ているようだな。柔拳は普通の体術とは違い、防御は一切の意味をなさないのだ。
仮に腕で受ければそこにチャクラを打ち込み、ガードした腕の筋繊維、神経にダメージを与える。故に柔拳の攻撃は回避するか、弾くかのどちらかで対応しなければならない。
私がハナビにやったようにこちらから打ち込まれたチャクラを迎え撃つということも可能だが、あれはハナビの攻撃回数と身体能力的なものを把握していたから出来たのであって、あんなもの実戦でなどやっていられない。それをやるならば弾いた方が手間も労力も圧倒的に楽だ。
話が逸れたが、柔拳の対処をあの人は知っていたということはガイ先生は拳法の知識も十分ということか。
「テンテン、次は君が行くといい」
「いいけど、一体なに考えてるの?」
「なに、少しよからぬ事を考えているのさ」
「……限度は考えてよ?」
「善処しよう……そうだ、これを渡すのを忘れていた」
私は袖から二本の巻物を渡す。以前、
テンテンに頼まれていた忍具が出来たのだ。
「あ……本当に作ったんだ」
「ああ、盾を忘れるなよ。性能は以前言った通りの物にしたのだから、下手に使われて自爆されるのは敵わんからな」
彼女は苦笑いしながら巻物を受け取り、ネジと入れ替わる形で先生の前に立った。
「あの、ガイ先生?」
「何だ、テンテン」
「一応、これを渡しておきますね」
彼女は腰のポーチから瓶を取り出して先生に手渡した。
「解毒薬?」
「はい、あそこの鬼畜兎の忍具を使うんですけど……痺れ薬が塗られているそうなんで、その為の薬です」
「……ああ」
なぜ、先生まで私の方をそんな目で見るのだ?それとテンテン、鬼畜兎とはなんだ。
「まぁいい、ネジ、リー離れるぞ」
「何故でしょう?」
「そんなにあの巻物に危険なものを入れたんですか、ヒジリ様?」
「作った私と上忍である先生はともかく、あれは初見で対処するのは君達では無理だ。それにネジ、あれは場合によっては白眼でも対処できんように作ったもので、体力をほぼ使い切った今の君の回天では危険が伴う」
「白眼でも対処できない?」
「ああ、長時間の回天を使わないという条件がつくがな。それではテンテン、終わったら呼んでくれ」
リーとネジを連れて、私はテンテンと先生から離れて森の中を進んでいく。遮蔽物も多いにこしたことはないからな。
「ヒジリさん、一体あの巻物には何があるんですか?」
「通常の手裏剣と特殊な手裏剣に痺れ薬を塗った物を全方向に発射する忍具と、全方向を覆う盾だ」
「何故、盾が必要なんですか?先程の白眼でも対処できないという事と何か関係が?」
「ああ、全方向を見渡す白眼だが、僅かにだが死角があることは知っているな、ネジ?」
「はい」
「そこを突けるんだよ、あれは」
私の言葉に怪訝そうな表情を向けるネジに、袖から手裏剣を一つ取り出す。それは通常の十字手裏剣ではなく、への字型の自作手裏剣でテンテンに渡した忍具の射出するものと同じ形状をしている。
「……なんです、それ?」
「まぁ見ているといい」
私がその手裏剣を投げるとそれはしばらくは普通に飛んでから、途中でくるりと向きを変えて私の所へ戻ってきた。帰ってきたそれを指で挟んで、再び裾にしまって二人の方を見る。
「す、凄いですよ、ネジ!?手裏剣が帰ってきましたよ!?」
「これが通常の手裏剣に混ざって射出される、貴女のことでしょうそれも時間差で放たれるのでしょうね」
「察しがいいな、ネジ。その通りだ、だから場合によっては白眼でも対処できないと言ったのだ」
「……本当に貴女は悪辣ですね」
「褒め言葉と受け取らせてもらおう」
私達のやりとりを見ていたリーは首を傾げて、私の方を見て手を挙げた。
「質問してもいいでしょうか?」
「ああ、構わない」
「確かにあの手裏剣は凄いですが、どうしてネジがそこまで悪辣というのでしょうか?」
「簡単だ、君は飛んでくる無数の手裏剣全ての形を把握できるか?」
「無理ですね」
「だろう?この特殊な手裏剣が飛んでくる内のどれかなど分からない。
その全てを回避もしくは苦無などで弾くしかない。何しろ全てに即効性の痺れ薬が塗られているからな。
その上で、幾つかの手裏剣は回避したとしても向きを変えて背後から襲ってくるのだ。当然、その間も前からの手裏剣は飛んでくる。
これら全てかする事無く回避しなければならない。どうだ?」
「それは……随分と……酷いですね。けど、帰ってきた手裏剣は自分にも当たるんじゃ?」
「そのための全方位の盾だよ、それがあるなら取り敢えずは使用者は助かる、それ以外は知らんがな。
その後麻痺した相手の首を落とすなり、縛り上げて捕獲するなり自由にすればいい」
「ネジ……」
「言うな、リー。この人はそういう人なんだよ」
「大変でしたね、ネジ」
……何故、私が厄介者のような扱いを受けねばならんのだ?











 
 

 
後書き
テンテンに渡した忍具はとあるMSが元ネタになっています 
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