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魔法科高校~黒衣の人間主神~

作者:黒鐡
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入学編〈上〉
  風紀委員会本部

「そういえば君をスカウトした理由はほとんど言ってしまったか」

「ええ。俺の権限は風紀委員とほぼ同じことと未遂犯による罰則適正化。まあ俺としては面白いですけど、そういえば森崎はどうなりましたか?彼は教職員推薦枠で風紀委員に入ると聞いておりますが」

「おや。耳が早いな。確かに森崎は入ることになったが、風紀委員としては少し微妙なところだ。厳重注意した者を風紀にするのを」

「まあ確かに。推薦を取り下げることも出来たと思いますが、あいつから連絡があったのでしょ?達也から」

「ああ。どうやって森崎のを知ったか知らんが、入れろとのことだったからね。まああの時の当事者は君だから、取り下げも可能だったんだがな。でも君をスカウトするとまた反感を買うと思ってのことだと、蒼い翼から来た手紙でのことだった」

とまあそんなことがあったらしいけど、片付けのついでにCADもサスペンド状態のを作動状態にしてから電源を切った。電源が切れているのは収容形態に戻してから一箇所にまとめていく。こういうスキルはISの外史から身に付けたスキルだ。そして一緒に掃除をする蒼太もちょっとした技術屋みたいなもんだからな。放置のままにしておくのも癪だからな、まあ俺がトーラス・シルバーだということも知っているけど。

「そういえば片付けている最中だけど、君のエレメンツは戦闘以外は使えないのか?」

「エレメンツですか?まああまり使ったことはないですけど、使っても構いませんか?CADのメンテは蒼太がやってくれるんで」

と言ってから頷いた委員長は少しドアの隅にいてもらってから、風と水を部屋中に撒いてから汚れやほこり取った。そして一塊にしたゴミは消滅の魔力により消滅。部屋はあっという間に新品状態という感じのピカピカになった。しばらくメンテをしていると、いつの間にか入ってきた七草会長の一言。

「・・・・ここ風紀委員会本部よね?」

階段から降りてきた会長の一言はまさにその通りとなった。さっきまで男が住んでいるようなちょっとしたゴミ屋敷になっていたからである。

「いきなりご挨拶だな」

「だって、どうしちゃったの、摩利。リンちゃんがいくら注意しても、あーちゃんがいくらお願いしても、全然片付けようとしなかったのに」

「事実に反する中傷には断固抗議するぞ、真由美!片付けようとしなかったんじゃない、片付かなかったんだ!」

「女の子としては、そっちの方がどうかと思うんだけど」

「それについては私も同感ですね。女子がゴミ屋敷のままでは、上に立つ者としてはどうかと?」

俺と蒼太は、頬に汚れが付いているのを見て会長は納得したようだった。俺らは技術屋としてのスキルもあるとしても、イアン並みの技術力は持っていない。だけどこいつのメンテぐらいの技術力は習ったからな。随分前に。

「な!君まで言うかね」

「この汚れを取ったのはエレメンツを使ったのですから、少しの礼はないんですか?委員長」

「ぷっ。くくくく。一真君がそう言ってるとその顔は説得力あるわね。もしかしてエレメンツ使ったの?」

「そう言う事です。それと部屋の隅々まで風と水で取り除きましたから、プロの掃除屋とそう変わらないですよ。委員長、点検終わりました。痛んでいるのを新品に交換しました。これで問題はないはずです」

「ご、ご苦労。あと真由美!笑いすぎだ!」

ごめんごめんと言いながらも、まだ笑っていたけどな。そして俺らの服に着いていた汚れや手と顔についた汚れを風と水の合せて取り除いた。人間洗濯機とよく言われるが、まさにそうなんだろう。

「そういえば一真君は実際私たちより上の歳と聞いているが、どうなんだね?」

「いきなりですね。まあ確かに俺と深雪にここにいる蒼太や沙紀も同じぐらいの年齢です。それに先程も申した通り、一度はこの世界を破滅に導いたことがあるのでね。だから今度こそはと思い、この世界を見ている訳ですよ。それに今更ですがあのドウターが攻めてきたのは今日が最初じゃないって知ってました?」

そう俺達がこの外史に来てから、というものGN粒子を撒いてはドウター退治を行っていた。地球上にゲートがあればそこまで飛んで行ってはステルスバリアーで、地上にいる人間たちに知られないようにしてきた。あとは宇宙でな、月の表のところでもドンパチやっていた。それもMSでの戦いで、こちらは無傷であったがあちらはだんだんと組織化しているように思えてきた。まるで戦国†恋姫の外史にいて鬼がドウター化して、組織化したことを。

「なるほど。だからなんですね、ソレスタルビーイングの兵器をどこの国家や組織に渡していないのを」

「そういうことです。もう知っていると思うが俺達もソレスタルビーイングのメンバーであり、前線で仕切る者だ。今までは裏方として誰にも知れないで、そうしてきたが。今回の一件で、ドウター退治は表舞台に立つかもしれないが。まあ俺達の仕事はドウターだけ退治という仕事ではありません。俺らの邪魔をする組織とかを潰すのも俺らの仕事でもありますからね」

「なるほど。確かに日本は同盟をしているところとしていないところがある。危険なところもあるからな、私たちは学生という身分だから叩くところも限界がある。十師族が学生の中にいるのはそいつらを排除するためのところだな。学生がテロリストたちを倒したとしても、警察としてはその学生も逮捕しなければならないところを凌駕する権力を握っているからか」

「あとはそうですね。蒼い翼関係者がやれば、表では俺らがやったけど裏では蒼い翼関連の警察や軍部にいる者がやったことにすればいいのですから」

まあそういうのは大人の対応に任せればいいのだが、俺らにはあまり時間がないこともある。この外史の終幕はおそらくあと数年後。その終幕は果たして二の舞になるのか、それとも俺らの勝利をしての終わりなのかはまだ分からないが。月中基地本部には司波兄妹に主要人物を確保している。だからなのかこれから何が起ころうとしているのかも手に取るように分かる事もあるが、今回はイレギュラーな事が起こっている。ソレスタルビーイングはテロリストと勘違いをしているが、それは知らない人間がそう思っている事だ。各上層部に国防軍のある大隊や本社と支社に、世界中に俺らのスパイがいることも。

「さてと、この話はオフレコ以上であり箝口令を敷くぐらいですから、くれぐれもお願いしますよ。お二人さん」

「分かっているわよ。お父さんやお母さんにもよく言われているわ、こういう話は口を閉じろと散々ね。そうそう、私がここに降りてきての用件を言うの忘れてたわ」

ここに降りてきたのは、生徒会を閉めるから来たら極秘のことがメインとなってしまったが。この二人なら問題ない。入学式前に達也から話したのだから。入学式が終わったばかりなのか、一段落したらしい。それと俺に伝言があった、会長曰く「はんぞーくんが一真君のことを悪かったと言っていたよ」らしい。どうやら副会長は入学式後に発動しかけた死神の眼で怖くて、目の前では謝罪できなかったと言っていたな。深雪の脳量子波から、副会長の謝罪が伝わったが。

明日からは風紀委員も忙しくなるそうだ。各クラブ一斉の新入部員獲得で騒がしくなり、風紀委員の出番が増えると。そういうことで俺と委員長も切り上げようということになった。俺と蒼太はスイッチを切っていた。今の情報システムは昔のように立ち上げ処理や終了処理に時間はかからない。スイッチを切るだけで何ヶ月もほったらかしという扱いでもシステム異常や狂うことはない。スイッチを切り忘れても、自動的に休止状態になるという便利な時代になったけどな。あとはセキュリティを設定するだけなのだが、ちょうどタイミングがいいのか、委員会本部に二人の男子生徒が入ってきた。

「ハヨースッ」

「オハヨーございまス!」

一人は知らんがもう一人は知っているな。森崎たちを抑えていたら変わりに押さえてくれた人か。威勢のいい掛け声が部屋に響く。

「おっ、姐さん、いらしてたんですかい」

おいおい、姐さんっていつの時代のだよ。昔ならよく呼んでたかもしれんが、今だと呼ばないと思うが。当の本人である委員長は恥ずかしがっていたので、蒼太が委員長にあるブツを渡した。それは俺がよく使っているモノだ。

「委員長、本日の巡回、終了しました!逮捕者、ありません!」

と言い直立不動で報告するのはまるで俺の部下だ。まあここは学校であり生徒の一人だからか、警察や軍人か体育会系の真似事なのか?

「・・・・もしかしてこの部屋、姐さんが片付けたんで?」

変わり果てたとでも言おうか。まあさっきはゴミ屋敷が新品の部屋に様変わりしたからな。室内の様子を見回したら俺を見て歩いてきた。が、その行く手に委員長がいた。

『パシイィィィィィィィィィィィィイン!』

「ってぇーーーーーー!!!!!」

おーおー。いい音なるねぇ、蒼太が渡したのは俺がよく使うハリセンだ。通常よりも痛いヤツをな、拠点ではよくエロガキ二人組をブッ叩いたり、黒鐵専用武器としてたまに使うこともあるが、久々に鳴ったから持ってきて正解だったな。ちなみにあれが擬態の聖剣じゃなくて、普通のハリセンだ。俺のは他人に渡しても俺の手に戻ってくるから。

「ほおー。これはよく使うモノより威力あるなー。それと姐さんって言うな!何度言ったら分かるんだ!鋼太郎、お前の頭は飾りか!」

と散々ハリセンを叩きまくった委員長。新たな武器だな、鈍器や丸めた固いノートより地味に痛いぞ。

「そんなにポンポン叩かないでくださいよ、頭にたんこぶ出来るほどの破壊力ですよそれ!・・・・で、委員長。そいつは新入りですかい?」

「あー!あなたはあの時取り押さえてた人ですか?」

「沢木、そいつは知り合いか?」

凄く痛がっていたが、頭を抑えながら言った。そしてもう一人目は俺が抑えていたら変わってくれた人だった。

「あー、まあそういう事だ。お前らも知っていると思うが、一年E組の織斑一真だ。生徒会枠でウチに入る事になったが、それ以前に織斑は風紀委員以上に権限を使える者だ。あとこれを渡してくれたのは、織斑の護衛の者からだが」

「織斑というとあの織斑ですかい?それにしても・・・・紋無しですかい。ギャアアアアアアッ!」

「あーあ。注意しようとしたのですが、遅かったですか。辰巳先輩、その表現は禁止用語であり、二科生と言おうとしたのですが」

紋無しと言った者は先輩であろうとも容赦はしない。俺の権限により目の前で差別用語使った者は即刻罰則と聞いているはずなのだが。この先輩はホントに頭が飾りのようだったが、電撃をやめさせたあとに何とか立ち上がった先輩。

「うぅぅぅ・・・・。まだビリビリするぜ、織斑の権限は本当だったんですか」

「そういうことだ。鋼太郎が実験台になってくれたおかげで、沢木は理解しているようだ。それとお前らもその内足下をすくわれるぞ。ここだけの話だが、さっき服部が足下をすくわれたばかりだ」

ニヤニヤしている委員長だったが、沢木先輩はやはりという顔をしていて、電撃を食らった先輩は驚愕をしていたけど。

「織斑が、あの服部に勝ったってことですかい?」

「ああ。さっきの電撃を浴びたお前も分かるように、正式な試合で勝った。魔法であって魔法でないのを使用したが」

「さすがと言いますか、あの負け知らずの服部が新入生に敗れたというのには納得します。あの時の威嚇発砲に対人戦闘のエキスパートも」

まじまじと見られるので、俺は手から電撃を放とうとしたら見なくなった。でもさっきより目線は気持ちいい方だが。普通なら逸材とかだろうが、すでに俺に力を見た委員長に沢木先輩は対人戦闘を見ている。俺の実力は本物だということを。

「私らも正直ウンザリしていたところなのさ。ブルームだウィードだと、つまらん肩書きで優越感に浸り劣等感に溺れる奴らばかりだ。生徒会枠と部活推薦枠はそういう意識が少ない者を選んでくれているが、ただ教職員推薦枠で入ってくるのはそんな奴らばかりでまだまだなところがある。が、今年度の一年生は風紀委員と同格以上の権限を持っている君ら兄妹が入ってきたことだしな。なので今後はウィードや差別用語を言う奴らは君の権限で罰則して構わんよ」

「俺らが風紀委員として入り、逮捕しようとしたときに妨害するヤツもですか?そういう奴や二科生の差別用語やそういう感じに見えたら許可なく罰則していいと」

と言ったらそういうことらしい。つまり今までは一科が二科に対して罵倒や差別用語を言う奴らに関しては細かいことは関係なくやってもいいと。そう理解したら、握手を求めてくる先輩方。

「さっきは悪かったな。3-Cの辰巳鋼太郎だ。よろしくな、織斑。ところで委員長、織斑は権限を持っていると聞きましたが何て呼べばいいんですか?」

「織斑のままで構わんさ。もし許されてなかったら今頃お前はまた痺れているぞ?」

「2-Dの沢木碧だ。織斑君を歓迎するよ、今後また差別用語が飛んできたら加減なしで罰則してくれると助かる」

「1-Eの織斑一真です。まあ知っていると思いますが、蒼い翼の関係者ですので。よろしくお願いします」

と握手したあとに、辰巳先輩を黒焦げから回復させた。一瞬にして服の汚れと痺れに髪のボサボサ感も無くしたので、何をしたんだ?と聞かれたので教えた俺。水と風の混合で洗いながら乾かしてからの回復魔法と言った。魔法か?と聞かれたが否定したけど、これは今でいうならエレメンツと言ったあとに他のエレメンツも手に纏いながら説明をしたけど。他の風紀委員は知らんが、この二人とならやっていけそうだなと思った。あと今度の風紀委員会のミーティングで俺と森崎を紹介するが、何か違和感というか劣等感を感じたら、委員長の許可無しで電撃かハリセンで叩いてもいいと言われた。あと委員長にさっきのハリセンをプレゼントしたら、辰巳先輩が「姐さんがどんどん強くなっていく」と小さく言ったが聞こえいたのでまたブッ叩かれていた。 
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