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世界聖戦 絶域攻魔の栄光

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第六話 真実の告白 そして別れ

「回旋ー、せーの。いち、に、さん…」
と運動委員が前に立ち体操をし皆が続く。
勉強会の翌日である今日。
すでに米露、日独は国境線に戦力を集中させ睨み合いが続いていた。
いつ戦端が開かれてもおかしくない状態だ。
「戦争は嫌だな…」
と颯は不意に呟き空を見上げた。
「ん?あ、あれは…」
颯は成層圏の位置に紫光が光ったのを見た。
颯は全身を貪る悪寒を覚えた。
「これは…米露の衛星攻撃…いや…それだけじゃない…」
空を見上げて独り言にふける颯を見て隼人が言った。
「どうしたんだ?颯、空に何かあるのか?」
隼人は空を見上げるが常人の彼に成層圏で起きている事を確認することは不可能だ。
颯は叫んだ。
「皆!米露の衛星攻撃だ!!早く地下シェルターに逃げろ!」
突然叫び出した颯を見て皆が苦笑する中、隼人は颯に言った。
「おいおい、衛星攻撃って言うが警報が出てないぞ。それに絶域防空なんとかってのがあるから安全だって政府のじいさんがよく言ってるだろ。」
もしミサイルが来ても絶域がある限り絶対安全だと言う隼人に遥華が言った。
「これはただの衛星攻撃じゃない…!この攻撃には絶域と対等以上に干渉出来る攻魔が伴っているわ!」
その遥華の言葉と同時に耳を劈く程大きな警報が鳴り響く。それと共に人工音声の放送が流れた。
「只今より、日本政府は非常事態宣言を発令しました。危険ですから地下シェルターに急ぎ避難して下さい。繰り返します…」
平然としていた同級生達は大混乱に陥った。
「皆!落ち着け!地下シェルターに逃げろ!」
颯が呼びかけるがこの騒然とした状況下ではまるで意味が無い。
「颯!もうあれしかないわ!」
遥華が颯に言う。
「でも…そうしたら…皆と今までみたいな関係が…」
遥華の言葉を颯は拒み、俯く。
「諦めて!そりゃ私も嫌だけど…でも私達は兵器なの!この時の為に産まれて来たの!」
遥華が叫ぶ。
「わかってるさ!でも…そんな…」
颯には決心がつかない。
「颯!あなたがやらなきゃ皆は死ぬのよ!それでいいの!?」
遥華がさらに叫ぶ。
「……!」
颯は顔を上げた。
「俺がやらなければ皆が死ぬ…兵器である俺達のせめてもの行い…!」
颯は真っ直ぐ遥華の目を見る。
「済まんな、遥華。やっと決心がついた。」
遥華は頷く。
そして二人は絶域攻魔発動コマンドを詠唱する。
「「絶域、攻魔、攻魔特殊能力A(加速).C(高速飛行)を解放。攻魔衝波二刀剣、戦闘服を粒子形成。コンタクトスタート!」」
強力なエネルギーが二人からほとばしる。
皆がそれに気付きこちらを信じられない様子で見る。
「颯…それに遥華さん…その格好…攻魔士…なのか?」
颯は状況を呑み込めずにいる隼人に言う。
「今まで黙っていてすまなかった…俺は攻魔士じゃない、兵器として産まれ幼少期から数万数千の罪人を殺めた悪魔。いや化け物とも言われている。そう…俺と遥華は絶域攻魔士だ。」
「………!」
颯の告白に隼人は絶句する。
「嘘…でしょ…?」
「おい…マジかよ…!」
皆がざわつく。
「すまない、皆…」
颯は皆に謝った。
もう真実を知った皆は自分に怯えてるに違いないと颯は諦めた刹那、
「そんなの関係ないだろ…!お前がそんな奴じゃないって俺は知ってる!今だって俺達を守る為に戦おうとしているんだろ!?別に謝ることねぇって!」
隼人が叫んだ。
皆も頷く。
「お前の正体がなんであれ、俺達とお前との仲は不滅だ!いつかきっと会える!だから絶対に生きてくれよ!」
隼人の言葉に颯は涙で顔をくしゃくしゃして言った。
「あぁ…!ありがとう!本当にありがとう!この戦争をいつか終わらせて絶対に生きて帰ってくる。この一年半の学校生活は本当に楽しかった。ありがとう……!」
颯の言葉の後に遥華は深々と頭を下げた。
「颯!行くわよ!」
と言い残し遥華は飛翔した。
颯は皆に手を振り遥華の後を追って蒼天の空へ飛翔したのだった。 
 

 
後書き
いやー、颯と遥華ついに身分が明らかになりましたね。その直後お別れしてしまいましたが…身分を明かした上での学校生活でも良かったのですが世界聖戦に突入するので登校は不可能です。なのでお別れという形にさせて頂きました。この作品を読んでくれた読書様に精一杯の感謝を!今後ともよろしくお願い致します。 
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