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チミー=ウィリーのお話

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第五章

「ピーターのお家のお茶かな」
「そうだよ。お父さんお気に入りのね」
「そうしたお茶だね」
「今飲んでいるのはストレートだけれど」
 つまり何も入れていないお茶です。見ればとても綺麗な紅色をしています。見ているだけでとても美味しそうです。
「普段はここにね」
「ミルクだね」
「それを入れて飲んでるよ」
「やっぱり紅茶にはミルクだね」
「とても新鮮なね」
「僕もそう思うよ」
 チミーもです、ミルクティーがいいというのです。
「やっぱり紅茶はそれだよ」
「その通りだよ。ただ最近ね」
「最近って?」
「ほら、日本って国があるよね」
「ああ、イギリスから随分と遠い」
「その国のお茶もあるよね」
 ピーターはチミーにそのお茶のお話をするのでした。
「緑茶だったかな」
「緑茶ねえ」
「ここでも飲めるよ」
 町でなくともというのです。
「随分渋いけれどね」
「渋い?まずいのかな」
「いや、これが美味しいんだよ」
「へえ、そうなんだ」
「今度飲んでみる?」
「そうだね。美味しいのならね」
 是非にと答えるチミーでした。
「飲ませてもらうよ」
「お店でも買えるからね」
「ここでも買えるんだ、やっぱり」
「その日本のお茶もね」
「じゃあ余計にね」
 それでと言うチミーでした。
「ここから出る理由はないね」
「そうしたものも飲めるのならね」
「ここにいれば皆がいて町よりずっと安全で楽しく遊べてお茶も飲める」
「いいことばかりだよ」
「これで満足だよ」
「全くだね」
 こうお話するのでした、そうして二匹でお茶を楽しんだのでした。
 それが終わってからです、ピーターはチミーに言いました。
「じゃあ次はね」
「その日本のお茶をだね」
「飲もうね」
「僕も買ってみるよ」
 その日本の緑茶をというのです。
「今日にでもね」
「あっ、それもいいね」
「そうだよね、ここで買えるのならね」
 それならというのです。
「買って飲んでみるよ」
「最初はその渋さにびっくりするかも知れないけれど」
「それでもだね」
「凄く美味しいから」
「紅茶とどっちが美味しいかな」
「どっちも美味しいよ」
 これがピーターの返答でした。
「紅茶も緑茶もね」
「そうなんだ、どっちもなんだ」
「そうなんだ、どっちがより美味しいかは言えないよ」
「成程、そうなんだ」
「後はチミーの好き嫌いだけだよ」
 緑茶がお口に合うか合わないかだけというのです。
「だから一度ね」
「買って飲んでみるよ」
「淹れ方は紅茶と違うけれどね」
「そこはお店の人に聞けばわかるよね」
「うん、それでわかるから」
 そのこともというのです。
「だから買ってみてね」
「自分で確かめて」
「そうするといいよ」
こうお話するのでした。
「緑茶はね」
「わかったよ、そうするよ」
 チミーも答えます。
「楽しみにしながらね」
「そういうことでね」
 ピーターも応えます、二匹は楽しく紅茶を楽しみました、そしてその後で解散しました。そうしてお家に帰ってから。
 チミーは町の方を振り向きました、そのうえでお母さんに言いました。
「僕ずっとここにいるからね」
「もう何処にも行かないのね」
「ここは充分楽しいからね」
 だからだというのです。
「満足しているからね」
「それでなのね
「うん、僕ずっとここにいるから」
 こう言ってお顔を町の方から離してなのでした、そのうえで。
 チミーはお母さん、そしてお父さんと一緒にお家での楽しい時間を過ごすのでした。それは彼にとってこのうえなく楽しいものでした。


チミー=ウィリーのお話   完


                             2014・6・15 
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