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鎧虫戦記-バグレイダース-

作者:
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第9話 科学と技術っていまいち違いが分かんないよね?

 
前書き
どうも蛹です。
最近、時間が取れなくて書けませんでした。
今回で皆さんがなんとなぁ~くわかるように"超技術"について説明します。
久しぶりなので文がおかしいかもしれませんが、そこはさりげなくスルーしてください。
それでは第9話 始まります!! 

 
「さむさむさむさむ~~~~~~~ッ!」
 
マリーは暖房の効いた部屋で毛布にくるまったまま言った。

「あんな寒いところにそんな格好でいたらそうでしょうねぇ」

マリーは椅子に座りながら言った。

「だってアーロンさんが苦しそうだったから助けたかったの!」

あまりにもざっくりした理由にアーロンは驚いた。

「た‥‥‥たったそれだけの理由でそうなってまで私を助けてくれたんですか?
 あなたはとても優しい人なんですね」
「ちょっと優しすぎるけどね」

アーロンの一言に迅は付け加えをした。

「あーー‥‥‥ゴホンッ」

リオさんは大きく咳ばらいをした。

「みんな話したいのはわかるけど今から言う俺の話を聞いてくれ」

4人と毛布から顔だけを出しているマリーと
包帯を巻いているアーロンとみんなの視線がリオさんに集まった。

「よし」

一呼吸 間をおいて話し始めた。

「先程のマリーが起こしたあの現象。多分あれは君の"超技術"によるものと推測できる。
 なぜなら、いくら"鎧人"でもチョウの口器は"鎧虫"三体を真っ二つにできるほど
 強靭ではないし 長くもないからだ。」
「長さは大体2mぐらいだったよ」

ホークアイは目測でサイズが測れるのだ。
リオさんは少し話を変えた。

「最初に説明しておくよ。 マリーちゃん、人間は普段何%脳を使っていると思う?」

マリーは少し考えて、答えた。

「うーーん‥‥まったくわかんない。どのくらいなの?」

皆さんはご存知だろうか。質問文に質問文で答えるとテストは0点ということを。

「まぁそうだろうねぇ。実は100年以上前は
 脳は30%程しか使われてなかったと考えられていたんだ」
「えぇーーーーーッ!! 30%ーーーーーーーーーーー!?」

マリーは大声をあげて驚いた。

「だけど今わかる限りには、脳はほぼ100%使われているらしいんだけどね」
「なぁんだ。良かった、のーみそスカスカじゃなくて」

マリーは頭を触りながら言った。
その動きにみんなは笑った。

「ははは。昔の技術よりは進歩しているからね。」

リオさんは顔を元に戻し話を続けた。

「実は"超技術"の仕組みに脳は大きくかかわっているんだ」
「えっ、そうなの!?」

マリーはまた頭を触った。

「どうやってあんなパワーを発揮いているかというと‥‥‥‥」
「いるかというと‥‥‥‥?」

全員は真剣にリオさんを見つめた。

「具体的にはよくわからないらしい」

 ドテェ~~~~~ン!

リオさんとアーロン以外の全員は思いっきりズッコケた。

「何なんだよ!わかんないんなら言うんじゃねぇよ!」

ホークアイは思いっきり振りかぶってツッコんだ。

「リオさん、ちゃんと教えてあげてください」

アーロンはリオさんに言った。

「分かった分かった、ちゃんと説明するよ。
 でも実際、さっき言った通りなんだけどな」

『分からないんだったら説明のしようがないんじゃ‥‥‥』

2人以外の全員は心の中でそう思った。
リオさんはまた真剣な空気をつくって話を始めた。

「ピアノって知ってるかい?」

もちろん知っている。  現在の人なら。

「ホークアイ、知ってる?」
「知らないなぁ」

だがこの世界ではこうなるだろう。ピアノ以前に
この世界ではもう歌しか音楽についてのことは残っていないのだ。

「だよな~~~」
「僕たちは一応知ってるけどね」
「綺麗な音なのよねぇ~♪」

"掃除"前から生きている人は知っているようだ。

「それはこんな感じの音を出すんだ」

近くにあったラジカセのスイッチを押した。

 ♫~~♪♩~♬~~~♫~~♩♫~~♪

部屋中にピアノの音色が響き渡った。

「うわぁ~~ステキ~~~♪」

マリーは目をつむったまま言った。
リオさんはラジカセのスイッチを切ってから言った。

「このピアノの音が不自然に抜けてたりしたらなんか物足りないだろ」
「でも抜けててもわかんないかもしれないよ」

その言葉を想定していたのか、リオさんは再びラジカセのスイッチを押した。

 ♪~~♫~♩~~  ♫~♬~~♪

不自然に音の抜けたピアノの音色が聞こえた。

「確かに、なんか変‥‥」

マリーは納得した。

「まぁ分かりやすく言うと、100%脳を使うと化学反応が起こって
 脳に眠った力が呼び起されるっつー話だ。
 どうしてかはよくわかってないのさ」
「へーーーー」

多分、マリーは納得したのだろう。
他の全員は納得しているようだ。

「まぁ100%使ってもマリーの頭は良くないっていうわけだな」

ハロルドの一言にマリーはほっぺたを膨らませた。

「あーーッ!おじさんひどーーーいッ!!」

部屋の全員が笑い出した。  その瞬間―――


 ドカァァーーーーーーーン!!


大きな破壊音が部屋の外から聞こえた。

「おいおい、今度は何だぁッ!?」

リオさんは少しイライラした顔で叫んだ。
アーロンは冷静に言った。

「多分さっき"鎧虫"を連れてきたのもアイツらですよ」
「お前気付いてたのに何で言わないの!?」

リオさんはすごく困った顔でツッコんだ。

 ダダダダダダッッ!

外から誰かの走る音が聞こえてきた。

 ガラッ!

「隊長!副隊長!"侵略虫"が侵入しました!」
 
ドアを開け、入って来た隊員が2人に報告した。

「ね?」
「ね?じゃねえよッ!!」

リオさんはもうキレかけている。

「とにかく"侵略虫"をぶっ殺せばいいんだなぁッ!!」

もう言動まで物騒になっている。

「よし、みんなついてこい!今度は俺がアイツらを実験体に
 "超技術"の使い方を見せてやる!!」

『大丈夫だろうか‥‥‥‥』

全員は心の中でそう思った。


 
    **********



 ー巨大基地 広場ー
「うわぁぁぁぁーーーーーーーーッ!」

 ドスッ ジュルルルルルルルルル

突き刺したストローのような口で血液を吸っているようだ。

「ぶはぁーーー!何だ、張り合いがねぇなぁ!」

あの長い口器からおそらく蚊(カ)の"侵略虫"と思われる。
本当に口から生えているので、はっきり言って‥‥‥ものすごくダサい。

「おらぁ~早くもっと強いヤツ呼んでこいやぁ~~!」
「だから来てやったぜ」
「!!?」 

 バキッ!

二階からのニードロップを蚊型の"侵略虫"の背中にブチ込んだ。

「ぐえっ! なんだテメェは!」

ニードロップをした男は答えた。

「だから来てやったっつったろテメェ、自分で言ったくせに馬鹿か?」

切れているリオさんはもう不良のようだ。
蚊型の"侵略虫"はその言葉にカチンときたようだ。

「血を全部吸い尽くして肉をズタズタにしてやるぅぁ!!」

蚊型の"侵略虫"はリオさんに向かって飛びかかった。

「てめぇなんざ3分で終わらせてやるよ」

急にリオさんは冷静になった。

  バサッ

リオさんは着ていた軍服を脱ぎ捨てた。
中のシャツの右肩に付いたチャックを開くとそこには大きな起動装置がついていた。
肩に手を添えながらリオさんはつぶやいた。

「換装―――!」

添えた左手を斜めに振りおろした。

 ガシャシャシャシャン!!

リオさんの身体に青色の"鎧骨格"が換装された。

アスラやマリーの"鎧骨格"は見た目で何の虫かすぐにわかるが
リオさんのは目立った特徴がないので、何の"鎧人"かまったくわからない。

 バシィッ!

リオさんは蚊型の"侵略虫"の口器をつかんだ。

「なっ‥‥‥」

リオさんは大きく呼吸をしてから言った。

「俺は昔から切り替えが早いほうなんだ。でもな、キレてることにかわりはねぇ。
 お前らが殺すことが大好きだっつうんならよぉ
 俺はお前に殺される側の死の恐怖をたっぷりと教えてやるよ」
「まさか‥‥‥‥や‥‥やめ‥‥‥」

  ブチィィッ!

「ぎゃあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

リオさんは蚊型の"侵略虫"の口器を引きちぎった。
口器は手の中でしばらくウネウネともがいていた。

「あばッ!‥‥‥どボレガらドいバッ‥‥ごバべッ!」

蚊型の"侵略虫"が言葉にならない言葉を叫んでいる。

「何言ってるかわかんねえなぁ。何ならもう一回言ってやるよ」

  パキパキパキパキパキ

握っている口器が徐々に凍り始めた。

「てめぇに死の恐怖を教えてやる」
 
 

 
後書き
怖ッ!!  リオさんの"侵略虫"に対しての恐ろしい面が出てきました。
よくそれで迅さんと友達になれたなと思った人はこれからの話を読めばわかるかも?
ちなみにリオさんの"超技術"が少し出ましたが
それについての説明は次の話を見てください! 

次回 第10話 普段優しい人ほどキレたら恐ろしい お楽しみに! 
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