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ハイスクールD×D 新訳 更新停止

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第3章
月光校庭のエクスカリバー
  第75話 決戦、駒王学園!

 
前書き
3章決戦の始まりです。 

 
校庭に出ると、何やら怪しい光が立ち上っていて、その近くにバルパーがいて、離れた場所にフリードやカリス、ベルがいた。
「……あれは一体…?」
「四本のエクスカリバーを一つにするのだそうだ。あの男の念願らしくてな」
上空から聞こえた声が聞こえ、俺達は一斉に上空を見る。
「コカビエル!」
そこには何らかの術で浮いた椅子に座っているコカビエルがいた。
「サーゼクスは来るのか?それともセラフォルーか?」
「お兄様とレヴィアタン様の代わりに私達が…」
パチン。
部長の言葉を遮り指を鳴らした瞬間、あいつの手に光の槍が現れた。
「部長!」
俺達は慌てて主の盾にならんと部長の前に出るが、槍は全く別の方向に行き、体育館に突き刺さる。
ドゴォォォォォン!!!!
なっ!?
「……体育館が!?」
体育館が丸々消し飛びやがった!?
「……つまらん。まあいい、余興にはなるか」
「……嘘だろ…」
冗談じゃねえぞ!?
一応、朱乃さんもライザーとのレーティングゲームの時に体育館を吹き飛ばしてたけど、あれは力を溜めてできた事だったのに、あいつは明らかに軽くやってたぞ!
『ビビってるのか相棒?』
籠手にいるドライグが茶化すように話し掛けてきた。
「あんなでけえ光の槍、見た事ねえぞ!?次元が違うじゃねえか!!」
『ああ、次元が違うさ。あいつは過去の魔王達と神を相手に戦い、生き残った男だからな』
「……そんな奴に勝てるのか!?」
『いざとなったら、お前の体の大半をドラゴンにしてでも勝たせてやるさ』
「……大半ねえ…そう言うレベルって事かよ!」
もしそうなったら、勝ててもまた千秋達を泣かしちまうかもな…。
「せっかく来てくれたんだ、俺のペットと遊んでもらおうか!」
あいつがそう言った瞬間、真下の地面に魔方陣が展開され、何かが出てきた。
出てきたのは犬二匹だった。
ただし、普通のじゃなく、以前戦ったはぐれ悪魔のバイザーにも負けず劣らずの巨体で、何より首が三つもある怪物だった。
「ケルベロス!」
「え?」
「冥界の門に生息する地獄の番犬ですわ!」
「……人間界に持ち込むなんて…」
ああ、何か聞いた事あるな。
ってか、そんな怪物をペットにしてんのかよあいつは!?
「ではついでに彼らとも遊んであげてください」
カリスの奴がそう言うと、複数の魔方陣が展開され、そこから明らかに正常じゃない人々が現れた。
あれがライニーの言っていた動く死体ってヤツかよ!
「ケルベロスの相手は私と朱乃がするわ!小猫、千秋、鶇、燕にはあの動く死体をお願いするわ!」
『はい!』
「イッセーは神器(セイクリッド・ギア)でパワーの強化を!」
「はい、部長!赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)ッ!」
『Boost!』
俺は赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を装着して倍加を開始させる。
「アーシア下がってろ!」
「は、はい!」
「大丈夫。あんなワン公、部長と朱乃さんがすぐに躾てくれるし、あの死体達だって千秋達の敵じゃねえよ」
実際、千秋達は死体達に特に苦戦している様子は無く、むしろ死体達の方が相手になってなかった。
問題はケルベロスのほうか…。
部長も朱乃さんも危なげ無く応戦してるけど、二人の攻撃をまともに食らってるはずなのにあの犬びくともしてねえ!
「なんてタフな奴なんだ!」
『Boost!』
「……まだだ!譲渡するには全然足りねえ!」
クソ、俺がもっと強ければあっという間にみんなを強化できるのに!
つくづく自分の弱さが恨めしいぜ…。
「キャァァァッ!?!?」
「ッ!?」
アーシアの悲鳴が聞こえ、慌ててアーシアの方を見ると一匹の犬のバケモノがアーシアに襲い掛かろうとしていた!
『ギャオオオォォオオ!!!!』
「くッ!!」
間一髪の所でアーシアを助ける事ができた。
それにしても…。
「……もう一匹いたのかよ…!」
アーシアを襲ったそいつもケルベロスであった。
『Boost!』
「……攻撃しても、されてもパワーの倍増はリセットされちまうし…」
他のみんなは自分の相手で手一杯だろうし…。
アーシアに戦わせるのは当然論外!
だったら…。
「俺が引き付ける!アーシアは逃げろ!」
「イッセーさん!」
攻撃を受けないように引き付ける、これしかねえな!
俺はケルベロスに向かって駆け出す。
『ギャオオオォォオオ!!!!』
「ッ!!」
前足の爪による攻撃をなんとか避け、アーシアのいる方向とは逆の方向に向かって走る。
ドゴォン!
『ガオァァッ!?!?』
ケルベロスの方から何かが激突したような音が聞こえ、振り返ると…。
「小猫ちゃん!」
小猫ちゃんがケルベロスの頭の一つを殴り付けていた。
「……ここは任せてください」
小猫ちゃんはケルベロスの首にしがみつきながら告げる。
「でも小猫ちゃん一人じゃ!?」
「……時間稼ぎくらいならできます」
「……小猫ちゃん…分かった、頼む小猫ちゃん!」
俺はこのデカ犬を小猫ちゃんに任せて再び走り出す。
走りながらケルベロスを見ると、しがみついている小猫ちゃんを振り払おうと躍起になっていた。
別の頭が小猫ちゃんに噛みつこうとしたが、謝って首に噛みついてしまい、頭同士でケンカを始め出した。
これなら大丈夫か?
なんて思っていたら、小猫ちゃんにしがみつかれてる頭が一層激しく暴れだし、とうとう小猫ちゃんが振り払われてしまった!?
空かさず別の頭が小猫ちゃんに再び噛みつこうしだした!?
「小猫ちゃん!?」
ドスッ!
『ギャオアアッ!?!?』
だが、何かが飛来して小猫ちゃんに噛みつこうとしていた頭の目に直撃した。
「あれは千秋の矢!」
飛来したのはもう何度も目にした千秋の放つ矢だった。
千秋の方を見ると、自分の周囲に風を発生させて死体達を吹き飛ばしながら弓を構えてる千秋がいた。
「ナイスアシストだぜ、千秋!」
俺は手を振りながら千秋に向けて叫ぶ。
「えい!」
ドスッ!
体勢を立て直した小猫ちゃんがさらに別の頭の目に蹴りを打ち込んだ。
『ギャオアアッ!?!?』
さすがのケルベロスも堪らないのか苦悶の咆哮を上げて倒れた。
よし、これならなんとかなるな!
そんな事を思い始めた俺の視界が千秋の背後にイヤな物を捉えてしまった!?
「千秋ぃぃぃ!?後ろだぁぁッ!!」
「ッ!?」
『グルルルルルルル』
千秋の背後にいたのは四匹目になるケルベロスだった。
『ギャオアアアァァアア!!!!』
「ッ!!」
ケルベロスの攻撃をなんとか避けた千秋だが、ケルベロスの容赦無い攻撃に表情を歪めていた。
「クソッ!!」
せめて俺に注意を引き付けて助けようと、俺は千秋の方へと向かって走り出す。
「イッセーさん!?危ない!!」
「え?」
アーシアの叫びを聞いて思わず振り返ると…。
『ガオアアアァァアア!!』
「まだいやがるのかよ!」
本日五匹目のケルベロスが飛び掛かってきていやがった!
「危ねっ!?」
なんとか避けたが再び飛び掛かってきた!
「ッ!?」
やべっ、避けきれねえ!?
覚悟を決めた時だった…。
ズバッ!
「ッ!?」
突然、ケルベロスの三つある首の一つが斬られた!
「加勢に来たぞ」
「ゼノヴィア!」
ケルベロスの首を斬ったのはゼノヴィアだった。
「フッ!」
そのまま、ゼノヴィアはケルベロスの胴体を両断し、ケルベロスは塵になって消えた。
「流石、魔物に無類のダメージを与える聖剣ですわね」
「悔しいけど、来てくれたのはありがたいわ」
ゼノヴィアはそのまま小猫ちゃんが相手しているケルベロスに一気に近付く。
「ハアァァッ!!」
ズバァッ!
『ギャオアアアァァアア!?!?』
「……ス、スゲェ…」
ケルベロスは頭から胴体まで見事に真っ二つにされ断末魔を上げながら消滅してしまった。
「そうだ!千秋は!」
千秋の方を見ると未だに一撃ももらっていないが、ケルベロスに攻め続けられていr千秋がいた。
だが…。
「ハァアアァァアア!!!!」
ズバァッ!
上空から人影が現れ、ケルベロスの首を一つ切り落とした。
やっと来たかよ!
「おせえよ!明日夏!!」
「……延滞料金として首一つ切り落としてやっただろ」
「全然足りねえよ!」
「……たく、がめついな…っと!」
ズバァッ!
文句垂れながらも、明日夏は笑みを浮かべながら首をもう一本切り落としてしまう。
「ラスト!」
ズバァッ!
最後の首も同様切り落としてしまった。
「これで足りただろ?」
「まあいいか…って、何だ!?」
明日夏の問いに笑顔で答えてやった瞬間、籠手の宝玉が突然輝きだした。
『戦闘中の適正な倍加が完了した合図だ』
俺の疑問にドライグが答えてくれた。
「そんな便利機能があったのかよ!」
今までそんなの無かったぞ?
『お前も神器(セイクリッド・ギア)も日々成長する。お前の望む事を実現してくれたのさ』
そうかよ。
まあいいや、だったら後は譲渡するだけだぜ!
「部長!朱乃さん!行きます!」
俺は二人目掛けて駆け出す。
「イッセー!」
「イッセー君!」
部長と朱乃さんも待ってましたっと言わんばかりの顔をして俺の方まで飛んできてくれた。
「赤龍帝からの贈り物(ブーステッド・ギア・ギフト)!!」
『Transfer!!』
部長と朱乃さんに力が譲渡され一気にオーラが膨れ上がった。
「行けるわ!」
「ええ!」
「朱乃!」
「はい!天雷よ、鳴り響け!」
朱乃さんの手にとてつもない雷が立ち上る。
ヤバいと察したのかケルベロスが一匹逃げ出した!
ザシュザシュ!
だが、逃げ出したケルベロスは突然地面から生え出した複数の剣によって串刺しにされて動きを封じらてしまった。
お前もおせえよイケメン!
やったのは明日夏と同じく遅れてやって来た木場だった。
「キャアアァァァァ!?!?」
「ッ!?アーシアァァッ!!」
残った最後のケルベロスがアーシアに襲い掛かろうとしていた!?
だけど、そのケルベロスの頭上に雷を纏った明日夏が現れた。
「大人しく…寝てろォッ!!」
そのままケルベロスの頭を地面に押し付けて止めてしまう。
「今だ!投げ飛ばせぇぇッ!!」
鶇さんと小猫ちゃんがそれぞれ押さえ付けられていない首を掴んだ。
「そ~れ!」
「えい!」
『ギャオオォォオオオッ!?!?』
ケルベロスはそのまま串刺しにされているケルベロスの所まで投げ飛ばされてしまった。
「朱乃!」
「はい部長!」
ビガァァァァァッ!
『ッ…』
二匹のケルベロスは朱乃さんの雷撃によって断末魔をかき消されながら雷光の中で無に帰した。
「やった!」
ついでにあの死体達も巻き込まれてほとんどやられていた。
「なかなか良い見世物だったぞ」
コカビエルが愉快そうに言う。
「くらいなさい!」
ドゥオォォォォォん!
「でかい!」
強大な部長の魔力がコカビエルに迫る!
「フッ」
なっ!?
コカビエルが意図も容易く片手で薙いでしまった。
ドゴォォォォォン!
薙がれた魔力はテニスコートに当たり、テニスコートが消し飛んで、巨大なクレーターができてしまった。
って言うか、部長のあの攻撃をああも簡単に!?
「なるほど。赤龍帝の力があればここまで力が跳ね上がるか。面白い。これはひどく面白いぞ!」
当のコカビエルは楽しそうだった。


「ただいま~…って、誰もいないか」
久方ぶりの我が家だったけど、空港からここまで出迎え無し。
……ちょっと悲しいな…な~んって、連絡してないから当たり前ってね♪
愛する家族二人は仲の良い幼馴染みと一緒に今頃絶賛激戦中ってとこかな?
そう思い、絶賛激戦中であろう場所がある方向を向く。
「それじゃあ、驚く顔も見たいし、僕も準備してから行こうかな♪」
僕はそう言い、絶賛激戦中の愛する家族と仲の良い幼馴染みが通う学園に行く為、準備を始めた。
「フフ、絶賛激戦中の所に僕が現れたらどんな顔するかな♪」 
 

 
後書き
とりあえず、明日夏用にケルベロスを二匹に追加してみました。
死人の兵士(デッド・ソルジャー)は完全に空気扱いのオマケです。
最後に出てきた人物はほとんどの人は誰だか想像できるでしょうね。 
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