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一人のカタナ使い

作者:夏河
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SAO編 ―アインクラッド―
第一章―剣の世界―
  第6話 少女との出会い

◆◇


 カイとコウと一緒に《はじまりの街》を出てから約一ヶ月が経過した。
 今まで感じたことがないほど時間の流れを早く感じたし、今まで感じたことがないほど『生きている』って感じがする。

 元βテスターであるコウの持っている情報は僕たち三人が生き残るためにとても重宝していた。多分、コウと一緒に行動していなかったら、カイはともかく、僕は死んでるか《はじまりの街》に戻っていただろう。

 また、僕自身もSAOでの戦闘というものにだんだん慣れてきていた。今ではモンスターと遭遇しても落ち着いて行動ができるし、冷静に対処することができる。まぁ、反射的に武器に手がいってしまうというあまりよろしくない癖がついてしまったが。
 きっとそうなった理由はSAOがデスゲームになってしまったからだ。デスゲームではなかったら心に余裕ができて、僕は何回か死んでいたと思う。
 だけど、死んだら本当に死ぬという緊迫感によって集中力が普段以上に発揮されて一つ一つの動きが慎重になった、と僕は思っている(メガネクイッ)。
 その集中力のおかげで僕のレベルはみるみる上がり、ついこの間レベルが10になった。多分、今現在のプレイヤーの中では上位に入るレベルだろう。

 ついでに話は変わるが、もうこのゲームが始まってから約一ヶ月たっているのにまだ第一層も攻略されていない。この調子では本当に、ゲームクリアにかなりの時間がかかってしまう気がした。


 だが、それももうすぐ打開されることを、この時僕は知らなかった。


◇◆


 今僕たちは第一層迷宮区に一番近く、今日開かれる第一層攻略会議のある《トールバーナ》という街に来ていた。
 だが、《トールバーナ》についたのはいいものの、まだかなりの時間が余っていたので別々に街を見て回ろうということになった。

「……じゃっ、ここからはフリーということで」
「おうっ」「りょーかい」

 コウの言葉にカイと僕はそれぞれ返事を返す。
 そして、カイとコウは別々の方向に歩いていった。

「うーん、何をしようかな?」

 特に何も考えてなかったので、いきなりフリーとか言われてもどうしようかな? フィールドに出てレベル上げ! と行きたいところだが、フィールドに行ってはいけないと言われたのでそれはダメ(ちくしょう)。
 あとは、う〜ん……それ以外浮かばないな。僕消極的過ぎだろ。

「とりあえず、武器を見てみるかな……」

 今の僕の武器は《はじまりの街》で売っていた《スモールブレード》だが、流石にボス戦では《はじまりの街》で売っていた武器は駄目な気がする。それにここならば結構良い武器売ってるんじゃないかな?……ちょっと楽しみになってきたぞ。

「武器屋は……こっちかな………?」

 マップでその場所へ行くための道を確認しながら、その方向へ足を踏み出そうとすると――

「あ、あのっ! すみません!」

 僕の後ろから声をかけられた。声からするに多分男性ではなく、女性だ。
 ……正直ちょっと緊張するけれど、表情に出さなかったら何とかなるだろう。ポーカーフェイスなう。

「はい、何ですか?」

 振り向きながら返事をした。無表情だと警戒されるかもしれないから、少しだけ口元を笑わせる。

 振り返るとそこにいるのは、何とまあ……可愛らしい女の子ではございませんか。

 透き通るような黒の優しそうな目と形の良い唇が印象の整った顔をしていて、同様に綺麗な黒である髪を後ろでポニーテールにしている。
 漫画で言うならば間違いなくヒロイン。学生っぽく言うならば学年の中でもトップクラスで、絶対男子の間で話題になる。あと、何か……ケガとかした時に絆創膏くれそうな感じ。

 ……やべっ、この時点で既にポーカーフェイス無理そう。
 いや、僕異性でよく話す人って姉ちゃんぐらいだよ? たまにクラスの女子とも話したりするけど、それも授業とかで「じゃあ、隣の人と一緒に答えを考えてみろー」とか先生に言われたときだし。

「えっと……初めてこの街に来たので道とか場所がよくわからないんです」
「そう……ですか」

 多分同年代だとわかったのだろう。さっきよりも顔は強ばっていないし、口調も落ち着いていた。
 そんな僕はというと、さっきよりも緊張していて曖昧な返事をしてしまった。何か凹むなー。
 そんなことお構いなしに向こうは言葉を続ける。

「ですから、えっと、案内してもらってもいいですか?」
「………えっ?」

 案内をするということは、この街を知っておかなければならない。でも、僕だってついさっきここに来たばっかりだ。つまり、案内は無理。
 これらのことを一秒とかからない間に思考し、その結果を報告する。

「あのぅ、ごめんなさい。僕もここに今来たばっかりで、詳しくはないんです。だから案内はできないですよね」
「………えっ……?」

 さっきの僕のような返事をするが、全く意味が違うのがよくわかる。あっ、何か絶望を見たかのような顔になった。

「じゃ、じゃあ、一緒に見て回る?」

 無意識にそんな言葉を口から出していた。
 僕の言葉に、目の前にいる女の子がぽかーんと少し口を開けていた。うん、僕もそんなリアクション取りたいです。

「……えっと、ナンパですか?」

 そ〜なりますよねぇ。弁解しなければ。ふふっ、僕の腕の見せ所だぜ!

「い、いや、違うから! ぜんっぜん違うから! ただ何となくそう思って言っちゃっただけだから! (よこし)なことは考えていません断じて!」

 はい、もちろんそんな腕はありませんでした。
 さっきよりも声を大きくし慌てて否定する。……でも、これ墓穴掘ってる気がするなあ。お願い信じて!
 すごく慌てて弁解する僕を見て、最初女の子はビクッとしたかと思うと、今度は可笑しそうに声を出さないようにして笑い始めた。

「じゃ、じゃあお願いしてもいいですか?」

 目に涙を滲ませながら(そこまで面白かったのだろうか)、女の子はそう僕に言った。

「………はい……、お願いされました……」

 さっきの行動に対する恥ずかしさに顔が赤くなるのを堪えながら、全力でダッシュしてこの場から去りたい衝動を必死に抑えながら、僕は返事をした。

「じゃあ、早速行こうか……え〜と……?」
「あっ、カグヤっていいます」
「カグヤか……わかった。僕はユウっていうんだ、よろしく」

 そう言って左手を広げながらカグヤの前に出す(もちろん握手という意味でだ)。カグヤは僕の手に少し戸惑いながら、ゆっくりと手を動かし握ってくれた。うわっ、女子の手って柔らかっ!

「ユウね、わかったわ。よろしくユウ」
「うん、こちらこそよろしくカグヤ。じゃあ行こうか」
「うん」

 そう言って僕は手を放し、歩き始めた。カグヤも僕の隣に来て一緒に歩く。
 女の子が隣にいて歩くことなんてないから新鮮だなあ(姉ちゃんは対象外です)。変に緊張するというか、なんというか……変な感じだ。

「カグヤはどこか行きたい場所ある?」
「別にどこって決めてないけど……そうね、武器屋を見ておきたいな」
「そっか、じゃあ武器屋から行こうか」
「うん」

 ちょうど僕も行きたかったし。
 それより、さらっと敬語じゃなくなっているけれど向こうも敬語じゃないから大丈夫だよね。

「……………」
「……………」

 そこからお互いだんまりだ。ぶっちゃけ何を話せばいいのか全くわからない。ただただ二人で歩いている。すっごく気まずい……!

「えっ、えっと」

 おおっ! 向こうの方から切り出してきた。何か情けなく感じるけど、滅茶苦茶ありがたい。

「ユウは一人でここまで来たの?」
「いや、違うよ。友達と三人で来たんだ」
「へぇ〜、ユウはもうSAO(ここ)で友達ができたのね」
「ん?違うよ。現実世界からの友達。一緒に遊ぶつもりだったんだ」

 このデスゲームが始まるまでは、と口には出さずに付け加える。

「いいね、友達と一緒にここに来れて」
「そうだね、そうかもしれない」

 もし、僕が一人でSAOに入っていたら、今頃僕は死んでいたかもしれない。
 カイの行動力、コウの知識と冷静さに助けてもらって僕は生きてきた。そういう意味では、僕は恵まれているのかも。

「逆に聞くけど、カグヤは一人でここまで来たの?」
「うん、そうだよ」
「えっ、マジで!?」

 思わず声を大きくしてしまう。カグヤは少しびっくりした様子で頷いた。

「う、うん」
「すごいね、一人でよく平気だったね」
「いや、確かに危険だけど、注意しながら行動すれば問題ないわ」

 こんな僕と同じぐらいの女子が一人でこれまで戦ってきたなんて。僕も頑張らないとな。とりあえず二人の足を引っ張らないようにしないと。

「そういえばさ、何でカグヤはここまで来たの?別に《はじまりの街》にいても問題なかったんじゃない?」

 ふと疑問に思い、特に何も考えずに口に出した。別に《はじまりの街》でクリアされるのを待っていても大丈夫だと思う。
 カグヤは少し間が空いたあと、照れくさそうに艶のある黒い髪を(いじ)りながら答えてくれた。

「私はね、怖かったの」
「怖かった?」

 言ってることの意味がわからず、僕は彼女の言葉を反復する。

「うん、あの茅場晶彦って人から聞いたチュートリアルが私には完全に信じることができなかった。だってそうでしょ? いきなり現れて突然ゲームから出られない、なんて言われても普通信じられないわ。特に一番信用できなかったのは、《はじまりの街》を含む全ての《圏内》がずっと《圏内》のままなのかってことだった。本当にずっと安全なの? そう思った瞬間怖くなって、本当にそうなってしまう可能性があるのなら、街から外に出て強くなった方がいいんじゃないかな、そう思って私は《はじまりの街》から出たの」

 そこまでカグヤは言うと、「ふぅっ」と息を整えたあとに言葉を締めくくった。

「だからね、私が《はじまりの街》を出たのは『ゲームを攻略してみんなを助けるため』とか大層なものじゃなくて、単純に怖かったからなのよ」
「……そう…なんだ」

 僕はそんな情けない返事しかすることができなかった。
 僕は《圏内》が《圏内》で無くなるなんて考えていなかったから全くそんなこと思わなかった。だからカグヤの意見に少なからず驚いてしまう。

「……でもさ、別にいいんじゃない? 怖いからって理由だろうが、みんなを助けるためって理由だろうがさ」

 カグヤは僕の言葉に目を見開くが、構わず言葉を続ける。

「ゲームをどうプレイするのかはその人の自由なんだしさ、気にすることないよ。僕だって『みんなを助けるため』なんて大層なことのためにここまで来たわけじゃないんだし」

 僕の理由はせっかく買ったのに引きこもってるのはもったいないなあ、というカグヤと比べるのも恥ずかしいものだしね。
 僕には『みんなを助ける』なんてことは恐れ多くてとても考えられないし、実行できない。そういうのは他の人に任せよう。

「それに、この街に来たってことはカグヤも第一層攻略会議に参加するんでしょ?」
「うん」
「なら、尚更問題なんてないよ。カグヤはなんだかんだ言いながら結局、攻略のために行動をしてるんだから大丈夫さ」
「そうかな……?」
「そうだよ」

 僕は力強く頷く。
 カグヤは臆病かもしれないけど、それよりも優しくて強い――聞いていてそう思った。
 何かすっごくシリアスっていうか、僕すげー上から目線というか……、うんキャラじゃないな僕の。けど、まぁいいか。
 まぁ、そんな僕のことは置いといて、カグヤはというと吹っ切れたような笑顔で、

「ありがとう」

 と言った。
 それに対して僕はというと、赤くなっていく顔を隠すために上着にあるフードを被り、小さい声で「……どういたしまして」と呟くので精一杯だった。何度も言うけど、マジで情けない。
 くそっ、もう少し学校で女の子と会話しとくべきだった、と後悔しているとカグヤが前の方を指さしながら僕に言った。

「あっ、あれが武器屋じゃない?」
「ん? ホントだ、あれっぽいね」

 指をさされた方向をフードを外しながら見てみると、確かに武器屋だった。
 店主は僕たちより少し年上っぽい青年だった。もちろんNPCだが。それに周りに数人のプレイヤーがいる。やっぱりみんな気になるんだね。

 僕たちも武器屋に近づいていく。
 すると、周りにいたプレイヤーが一斉に僕の方を向いた。思わず僕はビクッとし、カグヤも驚いたような顔になった。
 原因を探すべく頭を使っていると(もちろん物理的な意味ではない)、周りにいるプレイヤーの独り言程の小さな声が聞こえた。

「おい、女の子だぞ」
「すげーSAOで始めてみた」
「声かけてみようかな」
「隣にいるの誰? 彼氏?」
「くそっ、一人だけ良い思いしやがって」

 こんな感じの声が聞こえた。……何故か僕への悪意も含まれているのだけれど。
 ふむ、なるほど。そういえばSAOには女性がかなり少なかったんだっけ。まぁ、偏見だろうけどあまりやってるイメージないもんね。
 それは置いといて、このままではずっと目立ちながらカグヤが行動しなくてはならない。多分、そういうのは普通嫌だろう。ついでに言えば、今現在隣にいる僕だって正直目立ちたくない。

「カグヤ、目立つの嫌?」
「……そうね、あまりそういうキャラじゃないかな」

 顔を若干引きつらせながら、カグヤは答えた。まぁ、僕含めて最近の若者はあまり目立つことを好まないだろう。それを考えてると同情します。

「なら、先に防具屋に行こうか」
「えっ、なんで?」
「先に顔隠した方が行動しやすそうじゃん」
「……気を遣わなくてもいいよ」
「別に気を遣ってるわけじゃないよ。僕がやりたいからやるんだ」

 むしろカグヤが気を遣ってるよね。まぁ、いいや。とにかくそっちにレッツゴーだ。
 幸いなことというべきか武器屋の近くにあったので足をそちらに歩かせる。カグヤも後ろからついてきた。

「いらっしゃいませ!」

 僕が防具屋の前に立つと、防具屋の店主はこちらも僕より少し年上な感じのする青年だった。そしてやはりNPC。まぁ、現段階で鍛冶をする人が店を持っている可能性はほぼゼロなので、絶対にNPCなのだが。
 店主の挨拶と同時に僕の胸より少し下の辺りにウインドウが表示される。そこには『買う』と『売る』と『何でもない』という三つのボタンがある。僕は迷わず『買う』を押した。さっきのウインドウに重なるように、この店に売ってある防具やアクセサリーなどが表になったウインドウが僕の目の前に現れる。
 すると、今まで僕の後ろにいたカグヤが横に来て、

「私がいるものだから私が買うよ」

 と言った。……そう言えばそうでした。
 ちなみに今僕の目の前に表示されているウインドウは誰でも見ることができる可視化状態なので、カグヤもこの店に売ってあるものを見ることができる。

「……いや、でもやっぱり僕も見るよ。僕の装備《はじまりの街》で買ったやつばかりだから少し不安なんだよね」
「そう、ならそのあとで私が自分で買うわ」
「奢ってもいいんだよ?」

 そう言うと、少し迷ったような顔をして数秒腕を組んだあと、

「い、いや……やっぱり自分のものは自分で買うわ」

 と何かに耐えるように呟いた。
 別にお金は使い切れないほどあるから遠慮しなくてもいいんだけどな、と思いつつも分かったと頷く。
 この店に売ってあるものを全部見たが、特に必要なものはなかったのでカグヤと変わり、少し離れたところにある街灯に背中をあずけた。
 うーん、多少装備したくないものでも買って防御力を上げた方がいいのだろうか?でもなぁ……、なんて考えてると、

「お待たせ」

 という声を耳が拾った。
 声のする方向を見てみると、下半身まで届かない紺色の袖がない上着にあるフードをかぶったカグヤが目の前にいた。顔が口元ぐらいしかわからないため、声と状況で判断するにカグヤだろう。

「その上着があれば女だってバレないと思うよ」
「ならよかった。でも視界が悪いんだよね、これ」

 あとこれケープっていうものだから、と買ったばかりの装備をつまみながら言葉を付け加えた。
 さすが女子、あまりオシャレとか気にしないしわからない僕とは違ってよく知ってるなあ。勉強になります!

「ではでは、お目当ての武器屋に戻りますかね」
「そうだね、武器も新調したいし」

 すぐに武器屋に戻り、早速売ってあるものを確認する。
 僕は新しく《スモールブレード》よりも性能の高い曲刀を探すが、残念ながらこれといって良いものは無かった。少しだけがっかりしながらだが、五分とかからず買い物を済ませる。
 一方、カグヤの方はまだ迷っているようでメニューを見ながら「う~ん」と唸っていた。

「どったの?」
「いや、どれを買うべきなのか迷っちゃってさ〜」

 それを聞き、カグヤの目の前に表示されている武器の一覧を見る。当たり前だがさっき僕が見たものと一緒だ。これで僕の時より良いものが売っていたら問いただすところだ。「女子だから優しいんですか!?」って。

「カグヤって武器は何を使っているの?」
「片手直剣の《ブロンズソード》だよ」
「……なるほどね、そりゃ迷うな〜」

 ここに置いてある武器は《ブロンズソード》より攻撃力は高いものの耐久値が少なかったり、耐久値は高いものの攻撃力は下だったりしているものが全部だった。これは買わないって選択肢が正しいんじゃない?
 カグヤと一緒に悩んでいると、あることを閃いた。

「そういえばコウが強い片手直剣を二つ持ってたな」

 この前かなり苦労して手に入れた《アニールブレード》。余ってる一つをコウから譲ってもらおう。多分断られはしないはずだ。女の子の頼みを断るなんて最低だぞ。まぁ、頼むのは僕なんだけど。
 そう思い、早速コウに向かってメッセージを飛ばす。すると、ものの数十秒で返信が返ってきた。お前は女子高生か!
 コウからの返信は、僕のお願いに対する承諾とあと少しで会議が始まるぞ、という忠告だった。もうそんな時間なのか、早いなあ。

「ねえ、何してるの?」
「えっとね、交渉」
「交渉?」
「うん。さっき成立したけど」

 それでもまだカグヤは頭にクエスチョンマークを浮かべているようだった。まぁ、そうでしょーね。

「とりあえず、カグヤはそこで武器買わなくていいからね」
「どうして?」
「友達が余ったの上げるってさ」

 そう言うと、カグヤは口をポカーンと開けてから両手をブンブン振るというオーバーリアクションを取りながら言った。

「いやいいよ、そんな気を遣わなくて!」
「さっきも言ったけど気を遣ってるわけじゃないよ。ちょうど扱いに困ってたし使ってくれると助かるんだ」
「……本当にいいの?」
「ノープログレムだよ」

 まぁ僕のじゃないけどね、と内心付け加える。
 さて、そろそろ移動しないと会議に間に合わないかな?

「じゃっ、決まったしそろそろ第一層攻略会議の場所に行こうか。そこで武器も渡してもらえるよ」
「もうそんな時間なんだ」
「うん」
「なら行こう? 後から着くなんて嫌だし」

 そう言ってカグヤはもと来た道を歩き出した。僕もそれに着いて行く。
 ちらっと彼女の顔をうかがってみると、ケープで顔の全ては見ることができなかったが、口元は楽しそうに笑っていて、最初会った時の緊張した顔はどこにもなかった。 
 

 
後書き
ようやくヒロイン登場です!
女性のキャラはあまり書かないので慣れていなくて少し不安なのですが、どんなもんでしょうか?

感想大大大大募集中です!リクエストなども募集中です! 
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