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ファンタシースターオンライン2 蒼穹の剣士

作者:竜胆
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第二十一話 瓜二つ

 
前書き
第三章、開幕

新キャラ
ハドレット・ナハト 年齢16歳 性別 男 種族 ヒューマン
第二学年A組 誕生日 12月15日 クラス ハンター/バウンサー
得意武器 大剣 身長 172cm 体重 61kg イメージ声優 櫻井孝宏
容姿 ジルベールと瓜二つの顔立ちで、ただ一つの違いは、目の色は赤色
性格 優しい、真面目
異名 緋炎の鳳凰
 

 
俺達がチームを作ってから早くも一ヶ月経った

六月のある日、気温は夏のごとく暑くなり、制服もブレザーではなく夏服のワイシャツとなった
教室の中は冷房がかけられており、快適に授業を受けている俺達だが…その快適さが故にこんんな事も…


エルシア「Zzz…Zzz…」

ジルベールの前の席に座っているエルシアが爆睡中なのである
どうやら快適な空調で気持ちが良くなって寝てしまったのだろう…

アクア「よし!じゃあこの問題を……ん?あそこに寝ている奴はぁ?」

ボードに問題を書き終えた第二学年B組の担任、ジルベールの姉であるアクアが生徒の方に向いた瞬間、見つけてしまった

エルシア「すぅ…むにゃむにゃ…Zzz…」


爆睡中のエルシアを…


アクア「エルシアああああああああああっ!!」
と手元のマイクらしき物で怒鳴るアクア
生徒の耳にはイヤホンが着けられており、勉学に集中できるように音楽が流れているのである
特に期末テストが近くなってくるこの時期は生徒達が自分から着けるのである
そして担任の手元の端末には生徒のイヤホンと繋ぐボタンがあり、今アクアはエルシアのイヤホンを通して怒鳴っているため、他の生徒は全く聞こえていない

エルシア「?ふぁい…?」
アクアの怒鳴り声で起きたエルシア
アクアはそのエルシアに向けて

アクア「なに寝とんじゃあああ!」

と何かを投げつけたのだった

ビシィイイイッ!!

エルシア「みぎゃぁっ!」
物凄い勢いで投げられた物はノートに書き写していたジルベールの所に…

カラッ…カラカラ…

ジルベール「ん?チョーク?」

と前を見たジルベールは顔を引きつった

それは額に何かの出来立ての跡を着けたエルシアが首をジルベールの方に向けて白目を向いていた

そう、アクアがエルシアに投げつけたのはチョーク…エルシアは目が覚めて微睡んでいた所を額にチョークミサイルを受けてしまったのだ

ジルベール「おい…何時までこうしてるんだ?」
エルシア「いたた…もう…折角ジル君の夢見てたのに…」
アクア「ほう…じゃあこの問題も、夢の中でジルと一緒に勉強したのかなぁ?」

とアクアが黒板を指差してエルシアに詰め寄った

エルシア「あ…えと…その…ぱ…」
アクア「パスは無しよ?さあ早く…出来なかったら…わかるわね?」

とアクアからどす黒いオーラが…決して血の覚醒ではない何か別の危険なオーラを出しまくってるアクア
次第にエルシアの顔が絶望に染まっていく…

エルシア「ええと…その…あたし…わかんない…ですけど…そだ!ジル君!」
ジルベール「教えんぞ俺は…てか答えがわからん…」
エルシア「えぇええっ!ちょ…アルティナァ…」
アルティナ「あたしもわかんないのよねぇ…」
アクア「さあ…三秒以内に答えなければ頭ぶち抜くよ…」
エルシア「ええ…そ、そんなぁ…タンマ!」
そんなエルシアの制止を聞かずして
アクア「いぃぃち…バーン!」

エルシア「(バシイィイイイイッ!!)いぎゃぁッ!!ちょ…2と3は!?」
と頭を出席簿で叩かれ悶絶するエルシア
アクア「知らないわねぇ…そんな数字…ナハト家ってのは1だけ数えてれば生きていけるのよ…」

ジルベール(おい…それだと俺らがそうなるって事だよな…)

ジルベールは心の中で突っ込んだ…デストロイモードに突入しているアクアに口答えしたらどうなるやら…

と一悶着があった昼休み前の授業であった




エルシア「いたた…もう…寝ているのがばれて、頭叩かれて、おまけにじゃんけんで負けて場所取りって…はぁ…なんかあたしって運が無いなぁ…」

現在エルシアは一人で食堂の場所取りに向かっているのである
今回は人数が少ないのである
何故なら、結花理、アルト、アテナ、真也の四人と
レイジ、ユウリ、クルル、ミスティの四人はクエストでいないのである

エルシア「はぁ…結局…ジル君はアルティナに取られるし…あたしってそんなに魅力無いのかなぁ…一回良いとこまで行ったのに……いたっ!」

とブツクサボヤいていたら誰かとぶつかり、倒れてしまった

エルシア「あいたたた…」
「ああ…すみません!大丈夫ですか?」
エルシア「もう!どこ見て……え!?」

エルシアがぶつかった相手を見たら

真っ白な髪、ミディアムレイヤーの髪型…クールな顔立ち…

エルシア「え…ジル君?」

ジルベール?「良かった…大丈夫そうだね…じゃあ僕はこれで、本当にごめんね…」

とジルベール?は去ってしまった

エルシア(え?ちょっと待って…確かジル君って教室にいるはずで…なんで一階に来ているの?だって流石に階段を刹那で移動は出来ないし…)

PPPPP!!

とエルシアのデバイスが鳴った

エルシア「はいもしもし?」

ジルベール『おいエル!どこほっつき歩いてんだ?場所取ってねえじゃねえか!』

と電話の相手はジルベールであった…

エルシア「え?あれ?ジル君さっきあたしとぶつかったよね?」
ジルベール『は?なに寝惚けてんの?俺はずっとアルティナ達といたけど?』
エルシア「うそ!?だってさっき…」
ジルベール『ああ…もういいから…さっさと来ないと食べるぞ?』
エルシア「そ、そんなぁ…待ってよー!」

とエルシアは走って食堂に向かった










ハルシオン学園 一階 食堂

エルシア「はぁ…はぁ…」
キース「お、やっと来やがったか?寝坊助」
エルシア「寝惚けてない!てか本当にジル君!あたしとぶつかってるでしょ!」
と大声で問いかけるエルシア

ジルベール「何度も言わせんな…俺は個々まで来る道中、お前に会ってない」

エルシア「そ、そんなぁ…」
リン「夢じゃないの?」
アルティナ「クスッ…あり得るかも…」

エルシア「むー!( ̄ヘ ̄メ)…あれ?カリーナとリネアは?」

キース「ああ…あいつなら」


カリーナ『ちょっと出掛けて来るにゃあ!ε≡≡ヘ( ゚Д゚)ノ』

キース「で、行ったきり帰って来ねえんだ…でリネアは学級委員の仕事があるって」
エルシア「ふーん」


とエルシアも席に座って食事していると




カリーナ「こらー!ジール!なんで逃げるのよ!?」
「だから僕は…」
カリーナ「だから!団長命令!さっさと来る!」
「団長って何の?」

とカリーナが食堂に到着し

カリーナ「みんなージル連れてきたよー!」

とカリーナが連れてきたのは…


キース「え?ま、まじ!?」
アルティナ「え、ちょ…どうなってるの?」
エルシア「ああーあのときの!」
ジルベール「……」

カリーナが連れてきたのは、エルシアが廊下でぶつかった、ジルベールと瓜二つの生徒であった

サクヤ「照合…一致率…94%…ほぼマスターと同じ顔です…」

カリーナ「ほにゃ?にゃにゃ!!?な、なんでジルがいるのにゃあ!!?てか…」

とここでジルベールが
ジルベール「お前…ハドレットか?」
ハドレット「やっぱりジル?久し振りだね!」

とこの二人は何故か顔見知りのように話しているのである

ジルベール「久し振りだな!まさかお前もここに通ってるとはな…」
ハドレット「あはは…僕はジルよりも早く学校に入ってるし…同じクラスじゃないから会わなかっただろうね…」

と状況を飲み込めなくなったアルティナが

アルティナ「ちょっとジル!こいつ誰!!?なんでジルと同じ顔してるの!?」

ジルベール「ああ…そうだな…紹介するよ」
ハドレット「初めまして…ジルベール・ナハトの従兄弟のハドレット・ナハトです」

「「「い、従兄弟ぉおおおおおお!!?」」」


全員が大声で叫ぶ
それはそうである…従兄弟とは言えこんなに瓜二つの顔なのだから

ハドレット「まだ混乱してるようだね…」

アルティナ「当たり前よ!なんでそんなに似てるのよ!」

ジルベール「まあ似てるけど…俺とハドレットは腹違いの兄弟なんだよ」
アルティナ「腹違い!!?」
ハドレット「あ、はい…母親は一緒なんです…でも父親が分家の人だったんで…」
ジルベール「で、ハドレットと俺は血は繋がっているんだけど、戸籍上では血は繋がってないという事…」
と人通り説明し皆は納得した


そして昼食が終わり、生徒達がそれぞれの教室に帰る頃



ハドレット「ジル…ちょっといいか?」

とハドレットに呼び出されたジルベール


ハドレット「良いの?本当の事教えなくて…」
ジルベール「ああ…本当の事教えたら…彼奴らに余計な心配をかけてしまう…それだけは…」

ハドレット「そう…やっぱりジルは優しいな…」
ジルベール「そうでもない…俺がただ臆病なだけさ…」



ジルベールとハドレットの本当の関係はこうである






ジルベールは4歳の頃、姉達と遊んでいた時に何者かに拉致されていたのである
拉致した連中は、あの虚空機関(ヴォイド)とされているが不明である
ジルベールはその機関でとある実験体として扱われていた
それは強化人間実験である…
投薬や精神操作等で肉体的に精神的に強化するという人を道具にするような悪魔の実験であった
しかし、ジルベールの場合は投薬も精神操作も失敗で当初は淘汰する予定なのだったが、研究者の一人が、ジルベールの意識を人工竜に移すという実験に変わったのである

実はもう一人、この実験に関係無い一人の少年がいた
それはハドレット…顔が特にジルベールに似ていたのだった
それが災いしたのか…本来移すジルベールの意識を間違ってハドレットの意識を移してしまったのだった


そしてジルベールは自力で施設から脱出したのだった


その時は二年の歳月が経ち…ジルベールは6歳となっていた

幼い記憶を辿って自宅を目指すジルベール…薄れ行く意識の中でジルベールはただ、両親と姉達に会いたい…という思いで歩き続けた…



その時のナハト家ではジルベールの葬式が執り行われていた…すでに行方不明になってから二年も経っているため、もう死亡したのではないかと思われた

ジルベールが拉致されてから母親は二人の子供を生んだのだが…二人とも女の子で…ナハト家の跡が継げなかった…

その葬儀の最中…一人の少年がナハト家の玄関に倒れ込んだ





10年前 ナハト家


ナハト家では葬儀が行われていた
ジルベールの葬式である…遺体はないが…拉致されて二年の歳月が経ち、母親は内心諦めていた…
母親「ジル…ごめんね…わたしのせいで…わたしの…」
アクア「お母さん…悪いのはあたし達よ…あたしが…めを…離さなければ…ううっ…」
カルア「ごめんね…ジル…ぐすっ…ごめんね…ううっ…うわあああん…」

母親と姉達はジルベールの死を悲しんだ
当初は死んでいないと希望を持っていたのだが…すでに二年も経っており、アークスの捜査員もジルベールは死んでいるのではないかと…

その言葉を聞き…ナハト家一族は絶望した…ナハト本家では男の子がこれまで生まれる確率が低かった…それ故、ナハト家の待望の男の子であるジルベールは大切に育てられていた…


ガラガラ…



誰か弔問に来たのだろう…玄関の戸を開ける音がした

母親「ごめんねカルア…代わりに行って…」
カルア「ぐすっ…はい…お母様…」

カルアは泣き顔を治して玄関に向かった
そこに一人の少年が倒れていたのだった

カルアはそれを見て目を見開いた…そう…倒れていたのは…二年前、突然と姿を消した…ジルベールだった…
カルア「ジル…?ジルなの!?」
と問いかけるカルア

ジルベール「うう…カルア…姉?」
カルア「!…お姉様!お母様!ジルが…ジルが…帰ってきた!!」

和室から母親とアクアが飛び出るように出て来て同時に涙した
特に母親は一目散にジルベールを抱き抱え

母親「ジル…ジル!」
ジルベール「おかあ…さん…?」
母親「ジル…ああ…神様…良かった…ジル!」
母親はジルベールを強く抱き締めた…その温もりをジルベールは思い出し
ジルベール「おかあ…さん……うう……っ…」
カルア「ジル…ごめんね…ごめんね…怖かったよね…ごめんね」
カルアはジルベールを守るように抱き、涙を流した
アクア「ジル!良かったよぉ…ごめんね…もう離さないから…離さないからぁっ!!」
アクアもジルベールを抱き締めた
こうしてジルベールはナハト家に帰ってきたのだった…

そしてジルベールは祖父からナハトの技を伝授…ナハト家の当主となった





一方暴走竜の意識となってしまったハドレットは
人間だった時の姉であるクーナと共に任務に励んでいたが…

突然ある日を切っ掛けに暴走してしまったのである
その原因は不明だが…アークスとなって間もないジルベールは暴走竜の調査を受ける事となった…
姉であるクーナはハドレットを殺す事を考えていたのだが…葛藤していた…いくら討伐対象でも弟を殺すのは嫌であろう

そしてアムドゥスキアの浮遊大陸でクーナとジルベールはハドレットと対峙した







一年前、アムドゥスキア浮遊大陸


クーナ「ハドレット…待ってて…お姉ちゃんが…見送ってあげるから」
ジルベール「クーナ…大丈夫か?」
クーナ「もう…私に迷いはありません…」

ジルベール「そうか」
そしてジルベールも雄々しく佇んでいるハドレットを見た

しかし、ジルベールに何か話しかけていた
ジルベール(何だ?何を言っている?)

ハドレット『ジルベール…姉さんを…お願いします…』
ジルベール「!!」

ジルベールはハドレットが死を覚悟していると確信した

ジルベール「…クーナ…俺に止めを刺さしてくれ」
クーナ「?どういう意味です?」

ジルベール「うまく行けば…もう一人助けられる!」

ジルベールは暴走竜の腹の辺りが膨らんでいることがわかった

ジルベールは刹那で暴走竜の懐に一瞬で移動して

ジルベール「練気開放!うおおおおおおおおっ!」

蒼いオーラを纏い、抜刀一閃

ジルベール「行っけえええええええ!虚空蒼破斬!」

抜刀と共に蒼い真空の刃が放たれ、暴走竜の腹部を切り裂いた

切り裂いた腹部から一人の少年が出てきた

それは…ジルベールの昔の顔立ちで思わずジルベールは自分なのか勘違いしてしまう程であった

ジルベールはその少年を抱き抱え暴走竜から離れた


暴走竜は力が抜けたように倒れ、絶命したのだった




クーナ「ハドレット…ハドレット!」
ハドレット「うう…あれ?姉さん?」
クーナ「ああ…ハドレット…ハドレットなのね?」
ハドレット「そうだよ…てか…泣いてるの?」
クーナ「うう…ぐすっ…良かった…ハドレット…うわあああん!」
と大声で泣き叫ぶクーナ
ジルベールは内心良かったと思った
これでクーナは弟を殺さずに済んだ…姉が弟を殺すなんて…あってはならないから…

ハドレット「ジルベール…ありがとう…君のお陰で…僕は…」
ジルベール「礼を言う相手が間違ってる…クーナが俺を選ばなかったら…クーナは君を殺そうとしていた…」
クーナ「わ、私はそんな…」
ハドレット「姉さん…僕は…まだ姉さんの弟でいてもいいかな?」
クーナ「当たり前じゃない!ぐすっ…またお姉ちゃんが守ってあげるからね!いい?お姉ちゃん言うことは絶対だよ!」
ジルベール「ふっ…泣いてるからあんまり説得力ないな…」
クーナ「う…うるさい!ジルのばか!」
ハドレット「ちょ…失礼だよ!」


こうして…俺とハドレットの関係がなった

俺とハドレットは同じ拉致被害者で暴走竜研究の実験体だったと言うこと…

しかし、ハドレットの場合は意識ではなく…肉体を融合させることだった…

でも…奴等のしたことは…非道…

二度と…こんな事が起きないようにしないと…


 
 

 
後書き
この作品でのハドレット原作のハドレットをモデルとしたアレンジ版のハドレットです
ですから原作のハドレットの擬人化って言う感じですーw 
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