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とある3人のデート・ア・ライブ

作者:火雪
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第四章 炎
  第6話 五年前

 
前書き
ちょっと投稿スピードを上げたいと思います。 

 


士道「本当に……琴里、なのか……?」

士道は天井を眺めながらそう呟いた。

結局あの後、士道は4人に一着ずつ水着をプレゼント(佐天は自分で払うと言っていたが結局士道が払うことにした)し、昼食をとり、令音に呼び出された。

明日のプランの確認のためらしい。

プランの確認も終了して、やることがなくなって、こうやってボーッとしていた。

そして思い出す。

上条の見舞いのついでに折紙の見舞いに行った時の折紙の言葉が。

折紙『5年前。南甲町の住宅街に大火を呼び、父と母が私の目の前で灼いた精霊……それがあの炎を操る精霊』

信じたくない。

でも折紙が冗談でこんなことを言うはずがない。

士道「一体……何が本当なんだ?」

士道は未だにその事件の全容を思い出させずにいた。



一体5年前に何が起こったのか?

士道、もしくは琴里はなぜ霊力を封印する術を知っていたのか。




何1つ思い出せなかった。




と、ふと声がした。

神無月「いかがですか、士道くん。明日への自信のほどは」

ここ、フラクシナスの副司令、神無月恭平がうなだれている士道のそばに来て、問うた。

士道「正直、不安でしょうがないです。あの琴里をデレさせられる自分ってのが全く想像できません。5年前琴里の力を封印したってのが信じられ…………」

と言いかけて言葉を止めた。

霊力を封印した?いや、信じる信じない以前に……

?「記憶がない……ですよね?」

この言葉に士道が過剰に反応した。

すぐさま音源の方を向く。

そこには、佐天涙子がいた。

佐天「士道さん、今日は水着プレゼントしてくれてありがとうこざいます」

士道「え?あ、あぁ。別にそれはいいんだけど……何で記憶がないことを……」

佐天「そりゃ、今までの士道さんの言葉を聞いていればすぐに分かりますよ。琴里が精霊の言葉を説明した時も意外そうな顔してましたしね」

士道「そ、そうなのか……」

神無月「ふむ。もしよければ、映像をご覧になってみますか?天宮市南甲町の大火災を捉えた映像です。数秒程度ですが精霊化した司令と士道くんらしき姿が映っています」

士道「そんなものが残っているんですか!?」

神無月「ええ」

士道「お、お願いします……!」

士道な間髪入れずにうなずいた。


ーーーー
ーーー
ーー




神無月が準備し、その映像を大画面に流し始めた。

神無月「さ、もうすぐです」

映像ではヘリに乗ったリポーターが中継で伝えている。

へりが旋回し、徐々に高度を落としていく。それと同時に画面がズームアップした。

士道「あれは……」

他の場所とは異なり、そこにあったはずの家々が燃やし尽くされ、更地のようになってしまった場所に、見覚えのあるしるえを見つけた。

士道「琴里……」

それは霊装を纏った琴里だった。

佐天「ならあれは……士道さん?」

そして、

士道・佐天「「え?」」

士道と佐天は同時に小さい声を発した。

それは琴里と士道の前に、『何か』が存在していた。

恐らく普通の人間ならば、ただ画面に走ったノイズか何かとしか思うまい。

だが、違う。あれは。あの影は……

士道「……ッ」

瞬間、士道は両手で頭を押さえた。それを見た瞬間、激痛が起こったのだ。

佐天もそれをみた瞬間、心臓の鼓動が早くなっていった。その音は胸に手を当てなくても分かるぐらい自分の中で大きくなっていた。

神無月「士道くん?どうかしました?」

神無月が問うてくるが士道は答えない。

佐天「あれは……誰……?」

神無月「誰って、どれのことですか?」

士道「これです……琴里と、俺の前にいる……」

神無月が首を捻る。その姿を見て、士道は初めて気がついた。



ーーなぜ、自分は、このノイズにしか見えない影を、人だと。


ーー佐天もなぜ人だと思ったのだろう。



士道「ぁ……」

それを考えると士道を襲う頭痛ははげしさを増し……士道は気を失ってしまった。




佐天は士道が倒れていることに気づかずに、ただその場に立ち尽くしているだけだった。






 
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