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SAO~円卓の騎士達~

作者:エニグマ
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第二十三話 S級食材

~キリト side~

俺は今最前線の七十四層の迷宮区にいる。
そして、ここのモンスター、リザードマンロードと戦っている。

キリト「まったく、ボスでも無いのにロードかよ。」

そう言いながら片手剣ソードスキル<ホリゾンタルスクエア>を放ち、倒した。

キリト「ふう。 帰るか。」

俺は今日はソロで動いている。
なぜならたまにはソロで戦わないと戦闘の勘や腕が少しずつだが落ちていく気がするからだ。

そして、迷宮区から出ると近くの草むらがガサガサと動いた。
俺は索敵スキルを使って動いた辺りを確認すると、

キリト「マジかよ。 ラグー・ラビットじゃん。」

レアモンスターのラグー・ラビットがいた。
ラグー・ラビットからはS級食材の肉がドロップする。
その代わり、このラビットは逃げ足がとても早い。
こちらに気付かれたらまず逃げられる。
そして、追い付けない。

俺はピックを取り出し、ラビットの後ろにある木に狙いを付け、投げる。
そして、ピックは木に刺さり、その音に驚いたラビットがこちらに飛び出してきた。
それを片手剣で一撃で仕留める。

そして、倒すとすぐにストレージを確認する。

キリト「っしゃあ。 ゲット。 ・・・けど、どうしよう。」

このままギルドに持ち帰れば全員に食われて俺の分が少なくなるのは目に見えている。
かといって俺が料理しても失敗するに決まっている。

キリト「仕方が無い。 売るか。」

そう考え、転移結晶で五十層に向かう。

キリト「転移、アルゲート。」


そして、アルゲートの街の奥、エギルの店に向かう。

エギル「よし決まった! ダスクリザードの革、二十枚で五百コル!」

ずいぶんと不公平な取り引きだな、オイ。
安すぎるぞ。

エギル「毎度! また頼むよ! 兄ちゃん!」

そして、気の弱そうな槍使いが肩を落として出ていった。
ご愁傷さまです。

キリト「おっす、相変わらず阿漕な商売してるな。」
エギル「安く仕入れて安く提供するのがウチのモットーなんでな。」
キリト「前半はともかく、後半は疑わしいもんだな。 俺も買い取り頼む。」
エギル「キリトはお得意様だからな。 あくどい真似はしませんよ、っと。」

俺はトレードウインドウにラグーラビットの肉を入れる。

エギル「おいおい、S級アイテムのラグーラビットの肉かよ。 俺も初めて見るぞ。 ギルドに持って帰って食おうとは思わなかったのか?」
キリト「思ったけど、持って帰って馬鹿正直に料理してください、なんて言ったらどうなると思う?」
エギル「・・・・食われるな。」
キリト「だろ? ギルドのメンバーの他に料理スキル上げてる奴が知り合いにいたらなー。」
アスナ「キリト君。」

この声はアスナか。
ん?
アスナって確か料理スキル上げてたはず。

キリト「シェフ捕獲。」
アスナ「な、なによ。」
キリト「いや、こんなところに顔出すなんて珍しいな。」
アスナ「何よ。 生きてるかどうか確認に来て上げたんじゃない。 それよりも、さっきのシェフ捕獲ってどういう事?」
キリト「お前今料理スキルどのくらい?」
アスナ「ふふん、聞いて驚きなさい。 先週フルコンプリートしたわ。」
キリト「なぬっ!? ・・・その腕を見込んで頼みがある。」

そして、俺はアスナにアイテムウインドウを見せる。

アスナ「うわっ!? こ、これ、S級食材!?」
キリト「取り引きだ。 こいつを料理してくれたら一口食わせてやる。」
アスナ「は・ん・ぶ・ん!」
キリト「わ、分かった。」

アスナがよしとガッツポーズをする。

キリト「悪いなエギル。 そんな訳で取引は中止だ。」
エギル「いや、それは良いけどよ。 なあ、俺達ダチだよな?な?俺にも味見くらい。」
キリト「感想文を八百字以内で書いてきてやるよ。」
エギル「そ、そりゃあないだろ!」
アスナ「料理するのは良いけど何処でするのよ。」
キリト「ん? あぁ。 ギルドはダメだし。 かといって料理の道具が揃った宿なんて知らないし。」
アスナ「今回は食材に免じて私の家のキッチンを貸してあげるわ。 そう言うわけで今日の護衛はここまでで良いわ。 お疲れさま。」

アスナが後ろの二人に言う。

???「ア、アスナ様! こんなスラムに足をお運びになるに留まらず、こんな素性の知れない男をご自宅に招くなど、とんでもないことです!」
アスナ「この人の素性は分かってるしレベルもあなたより20は上よ、クラディール。」

いや、30は上かな。

クラディール「な、何をバカな!? こんな奴に私が劣るなど! そうか、貴様たしかビーターだな!? アスナ様、こいつら自分さえ良ければいい連中ですよ!?こんな奴と関わるとろくなことがないんだ!」
アーサー「ビーターねぇ。 懐かしい呼び方してくれるな。」
キリト「アーサー!?」
アーサー「ようキリト。 それとオッサン。 入り口に立つな邪魔だ。」

クラディールという男の後ろにいつの間にかアーサーとサクラが居た。

アーサー「あー、それとな。 オッサン、今の発言、『円卓の騎士団』に対して喧嘩売ってると考えていいのか? 仮に売ってるとしたら買うぞ。」
クラディール「い、いや、そんなことは。」
アーサー「なら良かった。 こっちも『血盟騎士団』とやりあう気は無いからな。」
アスナ「分かったでしょクラディール。 今日はもう帰りなさい。 これは命令です。」
クラディール「・・・分かりました。」

クラディールが大人しく引き下がる。
だが、その時奴の目が殺気で溢れてた事に俺は気付いた。

アーサー「んじゃ、エギル。 買い取り頼むわ。」
エギル「そんなことよりよぉ! 聞いてくれ! キリトの奴が、」

やばい!

キリト「あ、俺今日はアスナに奢って貰うから! じゃあな!」

早口にそう言って、アスナの腕をハラスメントコードがギリギリ出ないくらいで掴み、転位門にダッシュで逃げる。

~side out~ 
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