| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

魔法科高校~黒衣の人間主神~

作者:黒鐡
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

追憶編
  プライベート・パーティー

遊び尽くしたトレミークルーは別荘で留守番となり、俺達と蒼太達はとあるホテルに来ていた。バカンスに来ているけど、招かれては断る理由がないのでお呼ばれされた。深夜にとって、従弟に当たるそうだが招待主は黒羽貢。黒羽家現当主で妻は他界している。

別荘で俺と蒼太達はそれぞれ準備していて、深夜と深雪は穂波さんがいる。別荘で準備してから、俺の車で行く事になっている。時間になったので俺らはリビングに集合、俺と蒼太はスーツで桜花と沙紀はドレスを着ている。

深夜と深雪はもう少し時間がかかると脳量子波で連絡来たが、こういう時に使うなよと思った。一方深夜と深雪は、お揃いのドレスを着て髪をセットしていた。一応深夜の娘となるので、髪型は深夜そっくりとなり、深夜も深雪も黒髪だから問題なさそうだけど穂波さんにチェックをさせていた。

「奥様にお嬢様、そろそろお時間ですよ」

「分かってます。ですが念入りにしておくのも女の武器でしょ?」

「それに、化粧や髪飾りとか選ぶ時間がかかる事はお父様も知っています。まさか今夜パーティーがあるとは知りませんでした」

「それはしょうがないわよ。わざわざ貢からの招待に断る理由はないし、それに今夜あるのは知っていたわ。一真さんも知っていたのよ?だからトレミークルーの人達も夕方まで遊んでいたんだし」

「そろそろ別荘を出るお時間になります。それでは参りましょうか」

俺達の元に来た深夜と深雪で、瓜二つにしか見えないが奏の娘とはいえ、この外史では深夜の娘だからな。カクテルドレスに、髪留めとネックレスを付けている位置も深夜と同じにしている。この中にいる者達は皆、今夜のお呼ばれで文句ないが明日の夜だったら今日は凄く遊んでいたよ。

まあ表では文句ないが、裏ではそう思っているに違いない。俺や穂波さんもそうだが、鋭い目を持っている者はこの世に多いと聞いている。俺達は仲間であり家族だからこそ心の内を知れるが、一目見ただけで表情を読む者も今夜のパーティーにいるかもしれない。

「そんじゃ、皆準備完了だから俺達も行くか。イアン達、この別荘で何してもいいが片付けはちゃんとしろよ?」

「分かっておる。その為にワシらを呼んだんだろう」

「歳はイアンさんより下だけど、楽しんで来て下さい。皆さん」

「うむ。遅くなるようだったら電話するんでな、では行ってくる」

俺らは、暗い夜道を車でパーティー会場まで向かった。車は黒塗りにしてあるし、俺の車はただの車ではなく金属生命体トランスフォーマーで、何でも変身できるスナイプ・ゼロ。別荘に来るまでだとワンボックスカーだったが、今はスーツにドレス姿だからな。

パーティー会場に到着したら車はホテルの者に任せるが、アイツと会うのは久しぶりかもしれない。前当主の重蔵は死んだかは知らんが、現当主である貢と二人の子とは。生後まもなくからの友達となったが、黒羽家もどうやら四葉家の分家のようだ。

貢は俺の会社でオーナーをやっていた役員だし、二人の子は俺の元部下だったらしい。覚醒は生まれてすぐだったが、親バカ振りも俺に似ているそうだ。俺も自分の娘を紹介するが、自慢まではしないと思う。

今はホテルの敷地内に入ったが、エントランスが見えて俺は車をホテルのロビーに止めて深夜達は降りる。最後に降りたのを確認してから、ホテルの者に鍵を渡す。俺は深夜と深雪の左右の腕を取るようにしてから、護衛役である蒼太は一歩後ろで桜花と沙紀は一歩前にいる。

前後に護衛を付かせて真ん中に俺らが歩く。ロビーに強面の者もいるが、俺らはそんなのは怖くも何ともないが、子供から見たら強面の小父さんにお兄さん、凛々しいお姉様風という感じなのだろう。パーティーでは、男が同伴出来ない場所が多いと聞くが俺と蒼太は特別。

理由は知らんが、恐らく貢の関係者か蒼い翼関連の者だと思っているのだろう。穂波さんは、桜花達の一歩前に歩いているが進行役なのだろう。招待主がいたのを確認した穂波さんは、桜花達を俺らの左右に分かれてから俺は招待主である貢に話しかけた。

「貢、今日は招いてくれてありがとうな」

個人パーティーにしては大きすぎる会場で、豪華なテーブルを背景に俺と同じくらいの高価なスーツを着て出迎えた貢。黒羽家現当主であるが、俺は零家現当主でもあるから軽く挨拶した。型通りの挨拶をするのがマナーなのだろうがまあいい。

「よく来てくれたね、一真さん。それと深夜さんに娘の深雪さんも」

「別に敬語はいらんだろ。俺らは友という関係であり、知り合い以上の絆を持っているだろ」

「いやいや。これでも砕けた感じなのだがまあいいか。深雪さんも深夜さんにそっくりだね」

「久しぶりね。まあ私の娘だから似ていて当たり前でしょ『奏さんの娘だけどね』」

「黒髪も瓜二つのようで『奏さんと瓜二つに見えるようだよ』ここで立ち話も何だから奥へどうぞ。亜夜子も文弥も、一真さんと深雪さんに会うのをとても楽しみにしていたのだよ」

奥の方に行くが、やはりあの二人も来ていたか。脳量子波で何となく察知していたが、深夜は貢と話がある、と言われ穂波さんを配置させてから奥のテーブルに行った。本来護衛は、壁際に控えておくのは慣わしと言うが俺らはそんな事はしない。護衛である蒼太達も、仲間や家族と同等の扱いをしている。なので一緒に行く蒼太達は俺達と共に行く。

「亜夜子に文弥、久しぶりだな。元気にしているか?」

俺から声をかけたら、二人とも嬉しそうして待ち構えていたようだ。

「一真叔父様・・・・じゃくてお兄様、お久しぶりです。深雪姉様も」

「お兄様も姉様も変わりないようで」

「俺、深夜の夫だから叔父さんになるのか。少し微妙だな」

「失礼しました。お兄様」

「お父様は気にしないと思うわよ。まあ最初言われたらショックを受けたと聞いたわ」

「深雪。それは言わない約束だろ」

深雪は、ふふふと笑って誤魔化すが俺にとっては結構気にする。最初会った時はまだ覚醒前だったからか、叔父ちゃんと呼ばれていた時が一時期あった。覚醒後はお兄様と呼ぶようになったけど、まあこの歳で叔父さん呼ばわりはなぁ。

四葉家も黒羽家も、記憶共有者の集まりみたいなもんでよかった。俺と娘の深雪の歳については把握済みだからなのか、正史とは違い深雪を強い対抗意識を持っていない。正史での深雪と亜夜子に文弥は、たった三ヶ月違いだから昔から亜夜子は深雪に対してライバル心を向けて来た。なので深雪は、黒羽家との付き合いが苦手だと知った。

二人とも可愛いらしい衣装を着ている。文弥は外だと暑くないか?と思う程のだが、冷房が効いているのだろ。カジュアル風にアレンジされていても、メスジャケットにカマーバンドまで着けている。プライベート・パーティーだからそれは気合入れすぎなのでは。

亜夜子は通常運転というか、リボンとフリルと飾りボタンをふんだんに使ったワンピースに、膝上のソックスとリボンがあしらわれたローファー。綺麗に巻かれた髪を飾っていて、フリルで縁取られたヘアバンド。他人の趣味を文句までは言わないが、夏のリゾートには似合わないなと思った。

二人の服装を見て、気合入れすぎなのは俺の気の所為だろうか?そしたら蒼太と桜花に沙紀は、プライベート・チャネルで同感だと言ってきた。脳量子波だと深雪や深夜に黒羽家の3人に聞こえるからな。深雪にも聞こえるかと思ったがオープンではない。本人達も親である貢も喜んで着て(着せて)いるのだから、余計な世話だとは思うが。

貢の自慢話は、脳量子波で聞いてるがまだ止まんないらしい。深夜もだけどここまで親バカとは。亜夜子はピアノコンクールで入賞したとか、文弥は乗馬の先生に褒められたとかだったが、一応設定らしいから語るしかないのだと貢から脳量子波での事だった。まあ俺ら脳量子波で繋がっている人間以外はこの外史での住人だ。小説のキャラクターと見た方がいいと思うが、別から見たらNPCくらいか。

「ところでお前らはどこまで知っている?」

「と言いますと?」

「そうだな『今はどの辺りとかな。お前らの立ち位置として』俺らの事とかな」

「そうですね。お兄様は深夜叔母様の夫であり、四葉家の次期当主と言われています。1番目は深雪姉様で2番目は文弥ですね。そして・・・・」

ここからは脳量子波での会話という事だったけど、大企業である蒼い翼CEOで零家現当主の零達也に零雪音。裏ではソレスタルビーイングの総司令官として動いていて、現在トレミーは別荘付近で待機中。

クルーも別荘で一時的に休暇をしている。というのが最近の情報として入っていると、あとはここにいる蒼太達とは元同僚だという事を。今回俺の部下になれなくて残念だが、また会えるさと言って脳量子波での会話は終了させた。

「ところで兄様はいつ動く予定ですか?」

「まだ動く時ではないが、この沖縄で紛争が起きる予感がする。そん時に深雪と戦う可能性があるな」

「お兄様は軍属に大きな伝手がありましたよね?」

「伝手かどうかは俺も不明だが、お前らみたいなのがいたらの話だ」

「それだったら話は早いのですけどね」

「恐らくお父様と接触したら覚醒すると思うわよ」

まあそう何だが、まだアイツが覚醒したとは聞いていない。それに日本の国防軍とは、一度宣戦布告を受けて勝利後こちらを畏怖している。当時国連軍だが、今でいうならソレスタルビーイングかな?新国連軍が名乗った組織名だし、いつ動くかは国防軍でも知らん事だ。

内閣府情報管理局や警察省公安庁には、俺らのスパイが仕込んでいる。まあそのスパイは、元々そこに配属後に俺らが活躍したと知ってから覚醒を果たして、諜報任務として動いてた。とまあこんな感じではあったが、黒羽家の三人は静岡県浜松市住まいであるから出来る限りある時間内で話した。

深夜は相変わらず貢と相手をしていたが、俺の妻だぞ?と後で脅し半分で言ってやった。俺の恒例武器であるハリセンで叩き殴った。この光景を見た周りの人にとっては、黒羽家現当主が叩かれているけどあれは誰?という感じだったが、亜夜子と文弥にとっては懐かしいなという感じで見ていた。この光景は、蒼太達が動画で撮ってから同志達に送ったら同志達皆は懐かしいと言ってた。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧