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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
鍵の継承
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「そう、鬼道の一族が誕生した理由の一つ。・・・アジ=ダカーハと戦う以上、これも渡しておかないとな。」

そう言いながら示道は刀印で何かを描き、ぬらりひょんはそれに妖術をかけてから二人の方にとばしてくる。
それは二人の右手付近を漂い、湖札の方はそのまま右手に入り込んで同じ物を掌に描いた。
一輝の物は右手の周りを少し回った後、左手に回ってそこに同じ物を描いた。

「ん?右手に何かあるのか?」
「ああ・・・これがあるな。」

一輝はそう言いながら袖をまくり、呪力を流してそこに刻まれている刻印を浮かび上がらせる。

「それは・・・封印か?」
「正解。あんたが生きていた時代はどうだったか知らないけど、最近は席組み全員にかけられてるんだよ。」

近代に近づくほどに、席組みに対する民からの信仰は強くなっていく。
そこにはアイドルのような形の物、憧れといった形のものが含まれるが、これもまた信仰の一つ。
さらに、霊獣殺しともなれば英雄のように扱われ、死後は神としてまつられていく。
それゆえに、大きくなりすぎる霊格を普段は封印されているのだ。

「それは、つまり・・・全力を出せないのか?」
「そうでもない。席組みの上から三人には、全員の封印を解ける呪印()が与えられてるからな。」

一回も自分の解いたことないけど、と言いながら一輝はそれを消し、袖も戻す。

「え・・・じゃあ、私と戦った時もそんな枷を付けた状態で?」
「そうなるな。これ、俺みたいなのが・・・霊獣殺しが解除すると、溜めこまれてた霊格と呪力が一気に解放されてクレーターができるし。」

まあでも、箱庭なら被害も少ないか。あっても何とかなるだろうし。と危険なことを言いながら一輝は新たに刻まれた刻印に目を落とす。

「で、これはなんだ?」
「ああ、そうだったな。・・・それは資格を、力を持つ鬼道に与えられる封印の間の鍵だ。」
「ふ〜ん。」

一輝は生返事をしながら扉に手を向け、鍵を開く。

「簡単に開くんだな。これはここにいないと使えないのか?」
「いや、外からでも使える。むしろ、歴代鬼道が戦闘中に使い、力を与えるためのものだしな。」

歴代鬼道。それは、鬼道家の当主となった物、という意味だ。
さらには、一輝を含めて六十三人いる中でも、実力が十二分にあると認められたものだけに与えられる鍵。
与えられた者は、神殺しや霊獣殺し。そう言った大業を成したものであったりそれ以上の存在を殺し、封印したもの。そうでなくとも、強者であれば与えられる。故に・・・

「あの・・・それって、私ももらってよかったんですか?」
「まあ、前例はないが問題ないだろう。おぬしは神を単独で殺したのじゃから。」

湖札にも、例外的に与えられた。
そして、一輝
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