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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
戦力外通達
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「今回は二人で来たんじゃな。」
「ああ。あの記憶、あれが一族の役目だというなら、二人とも話を聞く義務がある。」
「そう言うわけだから、初代様にも出てきてほしいんだけど。」

一輝と湖札は二人ともが陰陽装束を・・・一輝は、一族の長である証の漆黒の神主衣装を。湖札は奥義を継承した証の巫女装束をまとい、一輝の檻の中に来ていた。妖剣は二人も言っている通り、一族の役目であるというものについてだ。
そして、その役目において重要な立ち位置に来るあの像。その元となる存在と、二人は記憶の中で戦っていた。

「今、聞かねばならないことなのか?」
「むしろ、今聞かないとどうしようもないことだ。でないと・・・アジ=ダカーハ退治に参加させてもらえないみたいだからな。」



  ========



「んで?用事ってのはなんだ、ラプ子?」

一輝はラプ子に呼び出され、少し苛立った様子で用件を聞きに来ていた。
苛立ちの理由はとても単純で、音央を助けに行くことを止められているからだ。
『一人の仲間のために、この箱庭の危機にもかかわらず戦力に勝手なことをしてもらっては困る。』という理屈に、一輝は一ミリも納得していない。

「では、単刀直入に聞きましょう。貴方の主催者権限、それは一体何色ですか?」
「何色・・・?」

一輝は一瞬、何を言っているのか理解できなかったが・・・すぐに言わんとしているところを理解した。
主催者権限によって出現する契約書類。その色は魔王ならば黒。善なる者なら輝いている。それを聞いているのだ。

「そう言えば、ラプ子はもう湖札のことに気づいてるんだよな。」
「当然です。気付かないわけがないでしょう。」

一輝はそう返事が返ってきたので、それも含めて話した。

「・・・今俺が自由に使えるのは、蚩尤の善が一つ。湖札がどうかしている今だけの限定的な天逆海の魔王が一つ。」
「その二つは知っています。聞きたいのはそれらではありません。」

一輝の答えはラプ子の望むものではなかったようだ。

「一応、これで全部だと思うんだが?」
「いえ、そうではないはずです。切り札のつもりでしょうけど、もうあと一つ、自由に使えるものがありますね?」

一輝はその問いに対し、どう回答するのか少し考えて・・・

「・・・はぁ、正解。確かに、今の(・・)俺が自由に使える主催者権限は三つある。何でわかるのかね。梨、食べるか?」
「私をなめてもらっては困ります。・・・とはいえ、その正体は何にもつかめそうにないですけど。いただきます。」

そう言ってため息をつきながら梨を受け取り、それをしゃくしゃくと食べながら話を再開する。

「ですが、それがどれだけ不安定なものなのかは、すぐに分かりました。」

一輝は何
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