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白井雪姫先輩の比重を増やしてみた、パジャマな彼女・パラレル
第1話『二度目の出逢いと、雪姫の心』
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なもんって訳だ。

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「はーっ……全くいつもいつもアイツは」
望遠鏡をカチャカチャといじる計佑。
机には星や鉱石の本。顕微鏡。天体観測は計佑の趣味だった。
お年玉を何年もためてようやく買えた、宝物の望遠鏡。
買って半年になるが、朝からの天体観測は欠かしたことがなかった。

「計佑ーっごはんーっ」
まくらの声が届く。
「はいよー」
計佑が一階へと降りて、食卓へ着いて。
「今日も熱くなりそうだねー」
ぼやきながらまくらがテレビをつけると、CMが流れはじめた。
『鏡よ鏡よ鏡さん──・・・世界で一番美しいのはだーれ?』
うええええええ!!??」
突然のまくらの絶叫に計佑、由希子ともにむせた。
「なんだよお前っ、いきなり奇声上げやがってっ!」
「これっこれこれ!!」
「ん? わーキレイなコねー」
「計佑っ、ほらほらわかるでしょっ!?」
「は?」
言われて計佑もテレビに目を向ける。
「雪のような結晶素肌・・・kamebou "snow white"・・・」
『白雪フェイス』
キャッチコピーの締めと同時に、確かに綺麗な女の子がアップで映りだされた。
「スッゴイよねー!!ウチのガッコの先輩がテレビCMだよっ!!」
「先輩がCMって日本語足りてねーぞおい……」
いきなりのハイテンションについてけない計佑が、冷めたツッコミを入れる。
「白井雪姫先輩……図書委員長で清楚で成績優秀で!
スゴイ美人でいつも笑顔をふりまいていて!! 勿論先生たちにまで大人気!!」
少年の言葉など聞く耳持たないまくらのハイテンションは続く。
「憧れるよねー……アタシも努力したら『ムリ』」
計佑がまくらのセリフを遮った。
「なっ何割り込んできてんの……」
「確かに。そのナントカ先輩は美人でスーパーだろうけど。
だからこそだな……お前ん家は鏡ないのか? じゃなきゃわかってるだろ」
ぐっと詰まったまくらに畳み掛けるように
「お前、目はよかった筈だけど……メガネ買いに行くんならつきあってやるぞ?」
「……うがーっっ、もういいよっ!!」
「鏡よ鏡よ鏡さん──私をあのヒトみたいに美人にして・・・とでも唱えるかー?
まー、『ダメだ。その願いは私の力を超えている。』って鏡割れちゃいそうだけどなー」
どこかの神の龍のモノマネを混ぜながら更にまくらをからかう計佑。
「んがーーっっ!! 計佑〜〜っ」
まくらが立ち上がり、計佑につかみかかろうとする。
「ほらっ、ホントに遅刻するわよっ」
一定のラインを超えると入る、いつも通りの、鶴の一声。
──そう、この日も朝まではいつも通りだった。

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