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アラガミになった訳だが……どうしよう
アラガミになった訳だが……どうしよう
8話
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ヴァジュラが現れた。ゲーム通りの巨大なライオンのような体に目立つ色のマント、顔と爪の石像のような装飾、間違えようはないな。
向こうはこちらに気付いていないようだ……本来ならば不意打ちするべきだが、今回は力を試すべきだ。正面から正々堂々と打ち破らなければ意味がない、それにこうした方が後に退けなくなる。ここで俺が死ねば必然的に台場一家も終わりだ、そうなれば可能性の話ではあるものの本編通りの結末は訪れず世界が滅ぶかもしれない。つまり、ここで俺が死ねば世界が滅ぶかもしれない、これ以上の負けられない理由はないだろう。
ヴァジュラの正面に飛び降りる。
どうやら向こうはすぐにこちらを敵と認識したらしく、威嚇の咆哮を放ちこちらを睨む。その咆哮は人間ならば聴覚に異常をきたすような爆音だが、アラガミの体である俺には関係がない。
手始めにその凝った装飾の顔を破壊させてもらおう。
右腕のコクーンメイデンの銃からレーザーを三発顔面目掛けて放つ、一発は掠った程度だが残りは直撃したようで、顔からオラクル細胞が僅かに漏れ出して血を流しているように見える。それはヴァジュラにとって怒りに値するものらしく、凄まじい速度でいきなり飛びかかってきた。助走無しでこの速度は驚くべき速度だが、直線的な軌道のお陰で避けることは難しくない。地面を蹴って横に跳ぶことで簡単に回避でき、十分な余裕を持って体勢を整えられた。
どうやら直線では向こうの方が速いが小回りでは此方が有利か………今のところ十分すぎる程勝ち目があるのだが、ヴァジュラの一番の脅威は身体能力ではない。それに対応出来なければこの程度の勝ち目、簡単に消し飛ぶことになる。
そう考えた直後、ヴァジュラの背中のマントが風が吹いていないにも関わらずヒラヒラとはためき始めた、この意味は事前に知っておかなければかなり危険だった。ゲーム中ならばここで取るべき行動は回避なのだが、敢えて防御させてもらおう。
理由は簡単、あそこから放たれる攻撃である雷球が文字通りの雷の球であれば、どう足掻いても回避できるような速度ではないからだ。もしゲーム通りの雷を纏った球のような物が飛んでくるのであれば、他の電撃を使った攻撃にも対処できるが、もしそうでないのであれば放たれる前に全力で殺すという手段をとらなければならない。
左腕の刃を巨大化させ盾のような形状に変化させ、雷撃が来るのを待ち構える。そして、ついにマントから放電が始まりヴァジュラの正面に雷球が出来上がった。そこで事態が俺の想定外の方向に向かっていた事を理解した、どうやらゲーム中の速度は正しかったようだ。
だが、規模が違う。
ゲームでは人の頭より少々大きい程度だったのだが、今目の前にあるのは車一台分の位のサイズがあるではないか!!
これを受け止める自信は流石にない、背中のパイプを下に方向転換させジェット
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