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アラガミになった訳だが……どうしよう
アラガミになった訳だが……どうしよう
8話
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くれているのだ、自ら力を込めずとも問題はない。ただ、ヴァジュラの体重に俺の体が耐えてくれるか、その一点だけが重要なんだが。


結果、なんとか助かった。
身体中が痛くて仕方が無いが、ヴァジュラを貫いた状態でオラクル細胞を喰らった事もあり再生するのにそう時間は掛からず、なんとかコアも多少の傷はあるものの機能に問題はないだろう。
残りのヴァジュラの残骸を喰ってからまだ痺れの残る体を引き摺って、カナメ達を待たせているビルに入ると彼らは極東支部にトラックに積んでいた無線で連絡が取れたことを教えてくれた。どうやら俺はここで休んで、その間にフェンリルの奴らにヴァジュラのコアを引き渡しておいてくれるらしい。
「マキナさん、私達を助けて下さって本当にありがとうございます。娘のカノンだけでも、と考えていたのに私達まで…」
なんぞ話が長くなりそうだから、早く行くように手で追い払う仕草をすると、無線機と連絡先を書いた紙を俺の側に置いた。どうやらこれでアラガミの居場所を教えてくれるらしい、それとこの無線機が機能するのはこの辺りの距離が限界らしく連絡の必要な時はここに戻らなければならんらしい。
まぁ、その他細々した事を言っていたのだが此方としては早く休みたくて堪らない、大まかに治したとはいえ身体中電撃でボロボロなのだ。カナメもそれを察したらしく、話をすぐに切り上げもう一度礼を言って部屋を出た。
さて、眠らせてもらうと…
「マキナさん」
今度はコトハか………
「何だ?」
「カナメも言っていましたが、本当にありがとうございました。もし貴方のようなアラガミが他にもいるのでしたら、世界も変わるんでしょうね」
「そうだといいんだが、生憎同じアラガミを見たことはないな」
「そうですか、それは残念ですね。ですが、何か機会があって極東支部に立ち寄ることがあれば私達の家に来てくださいね?」
アラガミがフェンリルの支部に立ち寄るなど大問題だが………機会があればな。
「カノン、マキナさんにお礼を言いなさい」
「あーいいから早く行け、俺は寝たいんだ」
「マキナおじさん、ありがとう」
…………おい、俺はまだ20だぞ。



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