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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
魔術師たちの安寧
終わりゆく陽だまりの日常
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「ところでさぁ、おまえ何してんの?」
「見てわかるだろ。夕飯の買い物だよ」

 今の状況、男二人で八百屋物色。

 どうしてこうなった。

 もちろん隣に居るのは何を隠そう、衛宮士郎くんです。

「ずいぶん量が多いな。衛宮家は藤村先生が常駐してるくらいで基本独り暮らしじゃなかったっけ。あ、新妻の桜も居るのか」
「おまえかっ、おまえのせいなのか! 最近各方面から新妻だの通い妻だの桜について突っ込まれるのは!!
 てかこれは遠坂が急に押しかけてきてさ……作戦会議するから、なんて笑顔で宣った挙句晩飯まで食うとか言い出して」
「いやいや待て待て、そっちの内情を勝手に吐露するんじゃない。ついでに桜については事実だろ」

 こいつアホか、多少共闘なりすることがあったにしても、俺たちは一応敵同士だぞ。
 日常会話だけならいざ知らず、これから作戦会議だとかそんな話は迂闊にするもんじゃない。



 ここじゃない場所での情報を盗み見たり聞いたり、そういうことは不可能じゃない。
 特に魔術に関してまるっきり素人に近い士郎なら、幾らかの手段で仕掛けを施すことは簡単だ。
 もっともキャスターについての情報交換は凛と確約しているので、少ないながらもリスクのあることをするつもりはない。

 凛と士郎が同盟を組んでいる以上、キャスターをどうにかするまで手を出すことは憚られる。

 あの二人の性格上、キャスターに対して以外は協力しないなんてことはない。
 というよりもキャスター打倒前にどちらかが倒れれば、元も子もないのだから当然と言えば当然である。

 つまりどちらかに手を出せば、セイバーとアーチャーを二人相手取ることになる。

 聖杯戦争において七騎居るサーヴァントのうち、特に優れているものが喚ばれる三騎士の内の二騎を向こうに回すのはさすがに頂けない。



「俺ら敵同士だぞ。まぁ今は手出さないっつか出せないから何もしねえけど!」
「家で作戦会議するってそんなに大それた情報か?」
「そらそうだろ、一か所にマスター2人が固まってる。夕飯ってことは後数時間はそこに縛られてる。これが分かるだけでその情報の価値はそれなりにある
 もしかしたらオレが他のマスターとの交渉にその情報を使うって可能性だって0とは言えない」
「う……そこまでは考えが及んでなかった……」
「まあ時間制限付きの情報だから扱い難しいけどな」

 何やら素直に意見を受け入れる。
 そこはそういうことするようなヤツじゃないだろとか言ってくれれば感動したのに。

 必要があれば多分するけどさ。

「仮にも魔術師だろー。戦争なんてものに参加してる以上、たとえ受け身の態勢でもそのへん気遣った方がいいぞ」
「わかった」

 ところで俺はなんで
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