暁 〜小説投稿サイト〜
I want BRAVERY
3話
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「・・・」

 綺麗な髪だな・・・なんて口が裂けても言わないが、その髪の手触りを俺はしばし楽しんだ。

 しばらく経って、ふと俺のシャツを掴む手が緩まった。
 俺は先輩の手を俺のシャツから離させ、机の上の財布を取ってそのまま部屋をでた。

「あれ?桐条先輩?」

 ジュースを片手に、ラウンジへ降りると、そこには先客がいた。

「目が覚めたのか」

「えぇ」

「体の調子は?」

「すこぶるダルいです」

「・・・そうか。すまなかったな」

「何がです?」

「明彦を止められなかったことだ」

「あぁ・・・あの人は誰にも止められませんよ」

「そうか・・・学校には連絡しておいた」

「なんと?」

「風邪、とだけ」

「3人もですか?」

「4人よ」

 後ろから声を掛けられ、すこし驚きながら俺は振り返る。

「岳羽さん」

「まぁ、桐条先輩が言えば、誰しもが納得するのよね」

 少し皮肉めいた口調で岳羽さんは答える。

「まぁ、二人とも今日は自由にしてくれ。明日からはまた平常に戻ってもらうつもりだからな」

「そうですか・・・真田先輩は学校に行ったんですか?」

「あぁ、明彦はそういう奴だ」

「・・・なるほど」

 俺はそのことに対してなんの疑問を抱くこともなくうなずく。

「彩。もし明日になっても体に異常があるようだったら言ってくれ」

「わかりました」

 俺は頷いてから、昼飯を買っておこうと思い、外へ出た。

「さぶっ!」

 3秒後に制服の上を取りに部屋に戻ることになったが。 
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