魔人‐ファウスト‐part1/災いを呼ぶ少女
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れがギーシュたちも同じだが、ルイズは恐怖でサイトにしがみついたままで、まともに直視してもいない。
「サイト〜!!」
怯えながらサイトにしがみつくルイズに、サイトは目くじらを立てる。
「これじゃあデルフに触れないだろ!危ないから離れろよ!」
「やだやだ!!怖いんだもん!」
上目づかいで甘えると事はかわいいとは思うし、怖いのはわかるが…サイトとゼロは同時に思っていた。正直言うと、『かなり邪魔』になっている。それに緊急事態における最適手段=変身だってロクにできない。余計に元に戻してあげなくてはならないと思うようになった。
「やるね…でも、ここからが本番だよ」
ローブの下にわずかに見え隠れした女の口が曲がる。勝気のようでも、享楽的にもとれる声で女は言うと、彼女の体が突然紫色の怪しい光に包まれ、面影すらかけらもない姿へと変貌した。
「な…!!」
サイトは絶句した。襲撃を仕掛けてきたその少女が変身した、その異様な姿に。
「お前は…!!!」
シュウもその姿に声を漏らす。死人のような漆黒の瞳と胸の真ん中に埋め込まれた黒いクリスタル、道化のような黒と赤の配色。中性的な体つきに、そして額から斜めに伸びる二本の細長い角。シュウは画像と映像のみだが、フォートレスフリーダムのデータベースで見たことがあった。
「ファウスト…」
死人のような不気味な笑い声で、その黒い死の闇『ダークファウスト』は名乗った。
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