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インフィニット・ストラトスの世界にうまれて
心を開いて、妹さん その三 最終回
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織斑先生と一緒にしないで下さい。
俺は普通の人間なんです。
すぐには終わりませんよ?
そんなに忙しいならと俺はとある提案をしてみる。

「十週×十日のリボ払いでお願いします」

と交渉してみたのだが、そんなものはないと俺を一蹴。
日を延ばせば、一日につき元本に百パーセントの利息をつけるからなという有様だ。
どんだけ悪徳なんだよ。
つまり、一日に五十一週以上しないと、いつまでたっても終わらない計算になる。
要は今日中に終わらせろと織斑先生は言いたいのだろう。

ところで山田先生はなんでISスーツ姿なのかと訊いた俺に、

『アイツが浮気をしたのは、山田君の大人の魅力をまだ理解していないからだろう。ならば存分に見せつけてやればいい』

何てことを言ったそうだ。
織斑先生の言葉から察するに、どう考えても面白がっているとしか思えん。
普段はゆったりとした服を着用している山田先生だが、今は身体のラインにぴったりと張りついたISスーツ姿だ。
そのせいで、女性らしい丸みを帯びたボディラインを俺に見せてくれる。
年頃の男子ならば、こんな姿の山田先生を見れば、色んな意味でやる気を起こさせてくれるとは思うが、だからといってグラウンド百週をできるだけの体力になるわけじゃないからなあ。
どちらかといえば、体力を何とかして欲しかったと思うよ。
あと九十周もグラウンドを走らなければならないわけだか、モノローグであとなん周なんて言っていてもつまらんだろう。
そこで、あの日起こったゴーレム襲撃事件のことでも思い出してみようと思う。
俺は一歩一歩着実に足を進めながら、あの日に起こったことを記憶の中から掘り起こしにかかる。

あのときの俺は、目の前に広がる光景を見て立ち尽くしていた。

――何が、どうなっている?

タッグマッチ戦の対戦表が発表された開会式会場から出場選手の控え場所になるピットに来てみれば、俺の目の前には一夏の姿があった。
あった――のだが、一夏は身体を仰向けに横たえたままピクリとも動こうとしない。
身体のどこかに裂傷があるのだろう、ISスーツのあちこちに血が滲んでいるのが見て取れる。
俺のうしろには簪さんがいるが、一夏の姿をみたからだろう、悲鳴にも似た声を口から漏らした。
簪さんは俺が開会式が行われた会場からピットに来る途中の廊下でウロウロしていたのを見かけたので声をかけたんだが、一夏と簪さんがペアを組んだ経緯が原作とは違うことからうまくだろうと俺は思っていた。
だが実際は、そうでもなかったらしい。
二人の間に何があったのかは解らないが、簪さんの表情は明るいとはいえなかったし――しかも、一夏と一緒に
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