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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百三十話  手荒い歓迎
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が下がった事は大きく歓迎されている。同盟側が勝利した事の象徴だと言うのだ。軍のヴァレンシュタイン委員長に対する信頼は非常に大きい。軍はネグロポンティ国防委員長とヴァレンシュタイン諮問委員長という二人の代弁者を得たと言われている。

店の中は余り混んでいなかった。中央に有る四人掛けのテーブルにデロリアン委員が向かったので後に続く。席は姉さんとデロリアン委員が正対し俺が横に座る形になった。ウェイトレスが来てメニューと水を置いて行った。姉さんは麻婆豆腐定食、デロリアン委員はチャーハンと揚げ春巻き、俺は酢豚定食を頼んだ。

「少尉は所属は何処かな?」
「後方勤務本部基地運営部です」
「ほう、それでは忙しいだろう」
「はい、忙しいです」
俺が答えるとデロリアン委員と姉さんがウンウンと頷いた。

戦争が無くなった。軍人は暇になるのかと思ったがそうではなかった。補給基地の統廃合、新基地の建設、そして新たに建設する軍事要塞、周りの人に聞いたが以前はこんなに忙しくなかったそうだ。戦争が無くなったのに仕事が増えたと言って皆苦笑している。

「まあ仕方ないね。これからはイゼルローン回廊だけではなくフェザーン回廊も防衛の対象になる。フェザーン方面はこれまで殆ど手付かずだった、色々と整備しないと」
「そうですね、宇宙艦隊もそれに合わせて動いていますし」
デロリアン委員と姉さんの遣り取りに俺も頷いた。防衛線が一つ増えたんだ、忙しくなるのは已むを得ない。基地運営部だけではなく軍全体がそれによって大きな影響を受けている。

当然だが宇宙艦隊も例外ではない。シトレ元帥が統合作戦本部長に復帰した。そしてグリーンヒル本部長代理が外交委員長に就任。同盟市民の間では安全保障問題は軍が独占したともっぱらの評判だ。シトレ元帥の後任の司令長官はビュコック元帥、副司令長官にボロディン元帥が就任した。兵卒上がりの宇宙艦隊司令長官だ、皆が驚いている。

宇宙艦隊は方面軍のようなものを編成するらしい。イゼルローン方面軍、フェザーン方面軍だ。ビュコック元帥がイゼルローンを担当しボロディン元帥がフェザーンを担当する。全軍の統括はもちろんビュコック元帥が行うから完全に分離したわけではない。艦隊もきっちり二つに分けるという事ではないようだ。変な派閥や対抗意識が出ないように適当に入れ替えをするらしい。緊急時に対応し易くする、そんなところだと言われている。ヴァレンシュタイン委員長から提案があったようだ。

「委員会もお忙しいのでしょう?」
「他の委員会は忙しいね」
「帝国と協力する部署を作ったりイゼルローン要塞に行く人間を選抜したり、帝国と何が協力出来るかを検討したり……。予算編成も大詰めですし大変ですよね」
デロリアン委員と姉さんは顔を見合わせて苦笑を浮かべた。

「諮問委
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